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2012年中堅・中小企業における年商別のサーバ活用実態とサーバベンダ施策(1/2)

ノークリサーチは2012年の国内中堅・中小市場におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査をを実施し、その分析結果を発表した。

<市場活性化のヒントはユーザ企業の導入実態とサーバベンダ施策の符合点にある>
■年商5億円以上~50億円未満では部門内利用とデータベース利用の導入訴求に要注目
■年商50億円以上~100億円未満では既存サーバアップグレードに伴う仮想化活用が契機
■年商100億円以上~300億円未満ではデータセンタへの移行に伴う課題解決が重要
■年商300億円以上~500億円未満ではアップグレードやリプレースを担うパートナが必要

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年7月30日

2012年中堅・中小企業における年商別のサーバ活用実態とサーバベンダ施策(1/2)
調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチは2012年の国内中堅・中小市場におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査をを実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2012年版中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望レポート」のダイジェストである。

対象企業: 日本全国/全業種の年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業
対象職責: 企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員
調査実施時期: 2012年1月~2月
有効回答件数: 1000件
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク

<市場活性化のヒントはユーザ企業の導入実態とサーバベンダ施策の符合点にある>

中堅・中小企業におけるサーバ市場はスペックや価格による差別化が難しくなり、シェア変動が起きにくい更新需要主体の状態と捉えられがちである。実際、導入台数やシェア状況をマクロ視点で見た場合にはそのような傾向を示しているが年商帯毎の傾向を詳しく見ていくと、サーバの用途/形状/設置場所/購入先などに変化が見られる。そして、そうした変化の中にはサーバベンダ側が講じている施策と符合するものがあり、それこそが今後のサーバ市場を活性化させるヒントに成りうるものといえる。本リリースは「2012年版中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望レポート」における上記を踏まえた重要ポイントをまとめたものである。

■年商5億円以上~50億円未満では部門内利用とデータベース利用の導入訴求に要注目
「部門内利用」と「データベース利用」の割合が増加、前者ではNECのスリムタワー型サーバによるオフィス以外の設置場所拡大(製造工場/倉庫/商業施設)、後者ではデルによるSQL Server 2008関連ソリューションや同社が持つ価格優位性のデータベース用途への波及などが背景にある。
■年商50億円以上~100億円未満では既存サーバアップグレードに伴う仮想化活用が契機
「既存PCサーバのアップグレード」を導入経緯とするタワーやブレードの導入増加が目立つ。ユーザ企業におけるサーバ仮想化への関心の高まりに加え、サーバベンダ各社によるVMware vSphereやHyper-Vのインストール済みモデルの拡充が背景にある。
■年商100億円以上~300億円未満ではデータセンタへの移行に伴う課題解決が重要
データセンタへの移行においては「高度な稼働/障害の監視やサーバ資産管理をリモートで手軽に行える仕組み」が求められる。日本HPの「HP Proliant Server Generation8」が提供する運用管理の機能とサービスはこれらの課題を解決し、販社/SIerに大幅なコスト削減効果や新たな収益機会をもたらす可能性がある。
■年商300億円以上~500億円未満ではアップグレードやリプレースを担うパートナが必要
「既存PCサーバのアップグレード」「オフコンからのリプレース」「UNIX・汎用機からのリプレース」といった導入経緯においては独立系の販社/SIer/ソフトウェアベンダがサーバの購入先となることもある。サーバベンダとしては、これらのパートナがビジネス機会を着実にこなせるための技術情報やノウハウの提供を絶えず行っておくことが重要である。

■年商5億円以上~50億円未満では部門内利用とデータベース利用の導入訴求に要注目
以下のグラフは年商5億円以上~50億円未満の企業に対して、「現在導入済みのサーバの用途を全て選んでもらい、その中から重要度の高いものを最大3つまで挙げる」という設問の結果を2011年調査と2012年調査とで比較したものである。
(サーバ用途選択肢の詳細は次頁末尾参照)ただし、サーバ用途として「基幹系業務システム」を選択した場合は必ず重要度の高い3つの用途のうちの1つに含めている。(サーバへの投資が早期から活発であった同用途の動向を詳しく調査するため)
「基幹系業務システム」が最も多く挙げられているが、これは上記に注記した設問設計上の理由に加え、サーバへの投資が早期に行われてきた用途であることに起因する。だが、その反面で更新需要が主体となっており、新たなサーバ活用訴求を促進することは容易でない。したがって、新たなサーバ活用の訴求という点では「基幹系業務システム」以外の用途における変化を捉えることが重要である。そうした中で、2011年から2012年にかけて割合を増やしているサーバ用途が「部門内利用」と「データベース利用」である。
前頁のグラフは前頁に掲載したサーバ用途のうち、「部門内利用」と「データベース利用」でのサーバベンダ比率を2011年と2012年とで比較したものである。「部門内利用」ではNEC、「データベース利用」ではデルが比較的大きな伸びを示している。
NECが「部門内利用」で伸びを示している要因の一つがオフィス以外でのサーバ設置への訴求だ。年商5億円以上~50億円未満の企業層では専用のサーバルームを持たないことも多い。そのため、同社の「Express5800 GT110d-S」に代表されるスリムタワー型サーバをオフィス内に設置する形態が以前から広く受け入れられてきた。2011年以降にはユーザ企業がこうした省スペース性に着目し、製造工場/倉庫/商業施設などといったオフィス以外に設置場所を広げるようになってきた。NECではこうしたニーズに応えるため「Express5800 GT110d-S」の動作環境温度40℃への対応やチリやホコリによる故障を防ぐ「防塵ベゼル/フィルタ」オプションの提供を開始し、サーバ設置場所拡大への施策を強化している。(動作環境温度40℃への対応は他のサーバやストレージでも一部対応している機種がある)
もう一つの要因が「エコ」への対応である。NECは以前からエコへの取り組みに注力をしている。リーマンショック後のユーザ企業におけるニーズは、比較的規模の大きな運用環境において節電などによるコスト削減効果を重視する「エコノミー」としてのエコであった。一方で、東日本大震災発生後は中小企業においても「消費電力量そのものを制御/削減する」といった直接的なエコ対策が求められるようになった。同社のスリムタワー型サーバが備えている「スケジューリング運転」(UPSがなくても自動で起動/シャットダウンを行える機能)や「パワーキャッピング」(設定した消費電力量を超えないようにする機能)などはこうしたニーズを捉えたものだ。こうした電力制御機能と同等の機能は他社製サーバにも備わっているが、上記の「省スペース性」と一緒に訴求されることによって、同社の「部門内利用」におけるスリムタワー型サーバが伸びる要因となっている。
年商5億円以上~50億円未満における「データベース利用」におけるデルの伸びについても留意しておく必要がある。対面の取材においても「WebサーバやAPサーバは外資系サーバベンダでも良いが、データベースは国産サーバベンダの方が安心」といった姿勢を堅持するユーザ企業や販社/SIerはこの企業層では緩やかに減ってきている感がある。
サーバの品質やスペックでの差別化が難しくなり、デルが以前から強みとする価格優位性がデータベース用途にも波及しつつある兆しといえる。
一方、ハードウェアの直販のみというイメージが強いデルだが、実際には「SQL Server 2008」のミラーリングやクラスタを同社の「PowerEdge R610」と「PowerVault MD3200」の組み合わせで実現するソリューションを提供するなど、中小企業向けのデータベース利用における支援も行っている。中小企業の場合、こうしたソリューションに実際にコストをかけることは難しい面もあるが、ユーザ企業に提案を行う販社/SIerにとってはサーバベンダ自らがデータベース領域まで踏み込んだソリューションを提供しているかどうかはベンダ選択における判断材料の一つとなりうる。
このように「価格優位性のデータベース用途への波及」と「ソリューション提供への取り組み」の二つが「データベース利用」におけるデルの伸びの背景にあるものと考えられる。
[サーバ用途選択肢の詳細]
基幹系業務システム: 人事/給与、購買/販売、会計、生産/調達、物流/在庫など
分析/出力系システム: DWH、BI、レポーティング、帳票など
情報共有システム: メール、グループウェア、ブログ、SNSなど
営業/顧客管理系システム: SFA、CRM、コンタクトセンタなど
基本情報インフラ: セキュリティ、ファイアウォール、バックアップ、DNSなど
部門内利用: ファイル共有、プリンタ共有
データベース利用: Oracle DatabaseやMS SQLServerなどを稼動させるサーバ
社外情報システム: ECサイト、EDIシステムなど
認証管理システム: ActiveDirectoryやOpenLDAPなどを稼動させるサーバ
簡易作成されたアプリケーション: Lotus Notes/Domino、サイボウズデヂエ、Desknet’sDBなどを利用してユーザ企業自身が作成したアプリケーション
その他:
※「簡易作成されたアプリケーション」の選択肢は2012年から追加

■年商50億円以上~100億円未満では既存サーバアップグレードに伴う仮想化活用が契機
以下のグラフは年商50億円以上~100億円未満の企業に対し、「重要度の高い用途のサーバを最大3つまで挙げてもらい、そのサーバの形状を尋ねる」という設問の結果を2011年調査と2012年調査とで比較したものである。
年商100億円以上の企業層ではタワーが減少し、ラックとブレードが増加、全体の半数近くをラックが占めるという傾向になっている。年商100億円未満では2011年と2012年の比較においてタワーが増加しており、特に年商50億円以上~100億円未満ではラック比率の減少幅が大きい一方、タワーとブレードが伸びを示している。
上記の傾向の要因を探るためにサーバ形状とサーバの導入経緯の相関を示したものが以下のグラフである
前頁のグラフは前頁で示したサーバ形状の回答結果毎にそれらのサーバを導入した経緯を尋ねたものである。
2011年から2012への変化をラックと比較した場合、タワーでは「既存システムへの追加導入」と「既存PCサーバのアップグレード」、ブレードでは「既存PCサーバのアップグレード」の伸びがやや大きくなっていることが分かる。
特に年商50億円以上~100億円未満の企業層にブレードを訴求する際には「既存PCサーバからのアップグレード」を検討しているユーザ企業への訴求が有効であると考えられる。
こうした傾向はサーバ仮想化の活用と密接に関係している。以下のグラフは前頁に挙げたグラフにおけるサーバの導入経緯とサーバ仮想化技術の活用状況との関係をプロットしたものである。この結果を見ると、「既存PCサーバのアップグレード」を導入経緯とする場合は他の経緯と比べてサーバ仮想化技術の活用度が高くなっていることがわかる。
つまり、この企業層における「既存PCサーバのアップグレード」は単にサーバスペックを上げた機種への入れ替えだけでなく、サーバ仮想化技術を活用したサーバの集約なども同時に検討されている可能性が高い。
こうした傾向を踏まえ、サーバベンダ各社の取り組みも既に進んでいる。NECは同社のタワー型サーバである「Express 5800GT110d」および「Express 5800 GT110d-S」において、「VMware vSphere Essentials」を同梱し、インストール済みの状態で出荷する「仮想化お手軽導入セット」を展開している。日本IBMはダイワボウ情報システムと協業し、日本IBMのタワー型サーバである「System X3200」に「VMware ESXi」を組み込み、仮想化に初めて取り組むユーザ企業に向けたマニュアルを充実させた「DIS Easy Virtual Package」を提供している。Hyper-Vを搭載している例では富士通の「PRIMERGY Hyper-V構成済みモデル」が挙げられ、同社のタワー型サーバ「PRIMERGY TX150」などが対応している。いずれも、タワー型で初めてサーバ仮想化に取り組む中堅・中小企業の導入障壁を下げることを意図したものといえる。
ブレードにおいても日立製作所が中堅企業向けのラインアップである「BladeSymphony BS500」において、「VMware vSphere」を構成済みの状態で提供する「BS500かんたん仮想化ソリューション」を開始するなどの動きがある。
冒頭に述べたように年商50億円以上~100億円未満の企業層においてはラックの比率が低下している傾向が見られるが、これはラックがこの規模のサーバ仮想化技術活用において適していないというわけでは決してない。この年商帯はタワー主体で現状維持志向が強いユーザ企業とブレードを導入するなど新しいIT活用を積極的に取り入れる層が混在している。
それに加えて、上記のような各サーバベンダの施策もあり、従来であればサーバ仮想化に取り組む際にタワーからラックやブレードに形状を変更していたケースがタワーのままでも実践可能になったことなどが影響していると考えられる。

※下記トピックの本文は「2012年中堅・中小企業における年商別のサーバ活用実態とサーバベンダ施策(2/2)」にて掲載いたします
■年商100億円以上~300億円未満ではデータセンタへの移行に伴う課題解決が重要
■年商300億円以上~500億円未満ではアップグレードやリプレースを担うパートナが必要

本リリースの元となっている「2012年版中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望レポート」の詳細は下記URLを参照リンク
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