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情報系システムにおける課題とクラウド活用の関連調査報告

株式会社ノークリサーチは、情報系システムにおける課題とクラウド活用に関する調査結果を発表した。

システム本体を無理にクラウドへ移行することは避け、不足する機能をクラウドで補う
既存の情報系システムは「クラウドインテグレーションにおけるハブ」として進化すべき
▼市場に飽和感はあるが、ユーザ企業は機能要件やシステム連携の課題を認識
▼望まれる課題解決の手段はユーザ自身による「機能トッピング」を行える仕組み
▼「慣れによる抵抗」が強い本体は現状を維持し、不足する部分はクラウドで補う

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年1月26日

情報系システムにおける課題とクラウド活用の関連調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は、情報系システムにおける課題とクラウド活用に関する調査結果を発表した。
※ 本リリースは『2011年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート』からのダイジェストである


システム本体を無理にクラウドへ移行することは避け、不足する機能をクラウドで補う
既存の情報系システムは「クラウドインテグレーションにおけるハブ」として進化すべき
▼市場に飽和感はあるが、ユーザ企業は機能要件やシステム連携の課題を認識
▼望まれる課題解決の手段はユーザ自身による「機能トッピング」を行える仕組み
▼「慣れによる抵抗」が強い本体は現状を維持し、不足する部分はクラウドで補う


▼市場に飽和感はあるが、ユーザ企業は機能要件やシステム連携の課題を認識

ここでの「情報系システム」とはメールやグループウェアなどといった社内外の情報共有やコミュニケーションを支援する役割を担う情報処理システムを指す。
ユーザ企業にとってクラウドは情報処理システムを構築/運用する手段の一つに過ぎない。特に情報処理システムの活用において試行錯誤の段階にある中堅・中小企業に対してクラウドを訴求するためには「クラウド」という枠をいったん外し、「ユーザ企業が情報系システムに関して抱えている課題は何か?その解決策としては何が求められているのか?」を知る必要がある。
以下のグラフは年商500 億円未満の中堅・中小企業に対して、「情報系システムに関する課題のうち最も重要なもの」を尋ね、その結果を導入状況別に集計したものである。「パッケージ製品を導入」または「個別にゼロから開発」といったクラウド以外の形態においては「自社が求める機能要件を満たせていない」「複数システム間の連携がとれない」といった課題が多く挙げられている。情報系システムはスケジューラなどの基本機能が既に完成形に近づいており、市場シェアの変動を見てもやや飽和感が見られる。だが、ユーザ企業としては情報系システム自体にまだ改善の余地があると認識していることがわかる。この最も多く挙げられている二つの課題に対して、クラウドは有効な解決策となりうるのか?次頁以降ではこの課題に対する解決策を探る中で、情報系システムにおけるクラウド訴求の在り方について分析している。


▼望まれる課題解決の手段はユーザ自身による「機能トッピング」を行える仕組み

以下のグラフは「情報系システム課題の解決策のうちで有効と思われるもの」を尋ねた結果を課題別に集計したものである。
「自社が求める機能要件を満たせていない」や「複数システム間の連携がとれない」といった課題への解決策としては「必要な画面や機能をユーザ自身が簡単に作成できる仕組み」や「ユーザ自身が簡単/柔軟に設定できるデータ入出力機能」といった解決策が多く挙げられている。情報系システムで最も多く挙げられる課題について、ユーザ企業は自身の手で細かいニーズに対応できる形での改善を期待していることになる。情報系システムが持つ特性も踏まえながら、ユーザ企業が求めるこれらの課題解決とクラウドをどう結び付けるべきか? を考える必要がある。


▼「慣れによる抵抗」が強い本体は現状を維持し、不足する部分はクラウドで補う

基幹系システムの場合にはIaaSもしくはホスティング/ハウジングの活用によって管理/運用コストを削減し、そこで得られた原資によって基幹系システム自体の改善に取り組むという対策が考えられた。だが、情報系システムは独自カスタマイズが少ないなどの理由で基幹系システムと比較すると現状の管理/運用コストの負担が低い。そのため、得られるコスト削減効果も少なくなる。そこで注目すべきなのが、ソフトウェアやハードウェアの「導入/維持コストが高い」という課題の解決策として「様々なクラウドサービスと組み合わせて、自社が求めるシステムをクラウド上に実現する」がやや多く挙げられている点である。既に自社内で利用しているグループウェアをクラウド形態に移行することは社員数の少ない中堅・中小企業ではコスト削減効果が低い。
だが自社の要件を満たすための機能追加やシステム間連携を実現しようとするとオプションやバージョンアップなどの費用がかかる。特に機能を必要としている社員が一部に限られる場合には費用対効果が障壁となる。そこで同等の機能を提供するクラウド上のサービスを組み合わせれば、既存システムへの変更を最小限に抑えることができる。
また、「様々なクラウドサービスを組み合わせる」という対策がソフトウェアやハードウェアの「導入/維持コストが高い」といった課題の解決策としても多く挙げられていることは、必要な機能や性能の一部を外部のサービスで補完することでソフトウェアのバージョンアップやハードウェアの入れ替えを回避する手段となる可能性があることを示している。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「情報系システムにおけるクラウド活用の障壁になると考えられるもの」を尋ね、その結果を活用状態別に集計したものである。
ここで留意するべき点は「ASP/SaaSといったサービス形態を利用している」において、「アプリケーションが変わることに対して抵抗がある」や「実績が乏しいため、自社内で推進するのが難しい」といった課題が他の活用状態と比べて多く挙げられている点である。
情報系システムは多くの社員が日々の業務で利用するものだ。そのため使い慣れたアプリケーションから変わることに対する社内の抵抗が強くなりやすい。その結果、クラウドへの移行は容認できても、既存で利用しているアプリケーションと同じものがないという理由で先へ進めなくなるケースもある。
この観点からも、先に挙げた「既存の社内情報系システムは無理にクラウドへ移行せず、それを補完する形でクラウドを活用する」といったアプローチが有効となってくる。ただし、こうした補完型のサービスは新興ベンチャー企業から提供されることが多い。その際には「実績が乏しいため、自社内で推進するのが難しい」という障壁が強く現れる懸念があり、それを解消する取り組みが必要となる。ITを提供する側としては、顧客ニーズに合わせて様々なサービスを検証し、必要に応じサービス間や既存システムとの連携を担う「サービスインテグレーション」が行えるように準備を進めておく必要がある。


本リリースの元となっている「2011年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート」の詳細は下記URLを参照リンク


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