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基幹系システムにおける課題とクラウド活用の関連調査報告

株式会社ノークリサーチは、基幹系システムにおける課題とクラウド活用に関する調査結果を発表した。

IaaSによってインフラ面の維持コストを削減し、得られた原資を基幹系システム自体
の改善強化(ユーザ自身による機能追加やシステム連携の実現)に充てるのが得策
▼自社が求める機能要件との乖離や複数システムの連携が最も大きな課題
▼必要なのはユーザ自身が独自画面作成やデータ入出力設定を行える機能
▼IaaSを活用することで維持コストを削減し、システム本体の改善費用を捻出

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2012年1月25日

基幹系システムにおける課題とクラウド活用の関連調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は、基幹系システムにおける課題とクラウド活用に関する調査結果を発表した。
※ 本リリースは『2011年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート』からのダイジェストである


IaaSによってインフラ面の維持コストを削減し、得られた原資を基幹系システム自体
の改善強化(ユーザ自身による機能追加やシステム連携の実現)に充てるのが得策
▼自社が求める機能要件との乖離や複数システムの連携が最も大きな課題
▼必要なのはユーザ自身が独自画面作成やデータ入出力設定を行える機能
▼IaaSを活用することで維持コストを削減し、システム本体の改善費用を捻出


▼自社が求める機能要件との乖離や複数システムの連携が最も大きな課題

ここでの「基幹系システム」とは人事/給与、購買/販売、会計、生産/調達、物流/在庫といったいわゆるバックオフィス業務を担う情報処理システムを指す。
ユーザ企業にとってクラウドは情報処理システムを構築/運用する手段の一つに過ぎない。特に情報処理システムの活用において試行錯誤の段階にある中堅・中小企業に対してクラウドを訴求するためには「クラウド」という枠をいったん外し、「ユーザ企業が基幹系システムに関して抱えている課題は何か?その解決策としては何が求められているのか?」を知る必要がある。
以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し、「基幹系システムに関する課題のうち最も重要なもの」を尋ね、その結果を導入状況別に集計したものである。
「パッケージ製品を導入」または「個別にゼロから開発」といったクラウド以外の形態においては「自社が求める機能要件を満たせていない」や「複数システム間の連携がとれない」といった課題が多く挙げられている。この最も多く挙げられている二つの課題に対し、クラウドは有効な解決策となりうるのか?次頁以降ではこの課題に対する解決策を探る中で、基幹系システムにおけるクラウド訴求の在り方について分析している。


▼必要なのはユーザ自身が独自画面作成やデータ入出力設定を行える機能

以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対して、「基幹系システム課題の解決策のうちで有効と思われるもの」を課題別に集計したものである。
「自社が求める機能要件を満たせていない」や「複数システム間の連携がとれない」といった課題への解決策としては「必要な画面や機能をユーザ自身が簡単に作成できる仕組み」や「ユーザ自身が簡単/柔軟に設定できるデータ入出力機能」などとといった解決策が多く挙げられている。
つまり、ユーザ企業の多くは自らのニーズに合わせて手軽に変更が可能な基幹系システムを実現したいと考えていることが分かる。これは基幹系システム自身が備える機能といえる。実際、こうした解決策の取り組みは基幹系システムのパッケージを提供するベンダ側でも進みつつある。OSKのSMILEシリーズが備える「Custom AP Builder」はユーザ企業が自ら項目追加や画面レイアウトをコーディングなしに行うことが可能だ。日立製作所のGEMPLANETも「GEMエントリ」(独自のデータ入力画面を作成)や「GEMエクステンド」(独自のデータベーステーブルを作成)といったツールを備えている。一方、クラウドは情報処理システムの構築/運用形態における一つの選択肢にすぎず、こうした課題に対する直接的な対処にはなりづらい。一つの解決策として考えられるのはSaaSによる既存システムの補完だ。会計サービスを提供するConcurなどはその具体例となる。モバイルに対応した経費精算処理はSaaSとの親和性も高い。だが、こうした補完型のサービスがまだ数が少ないため、直近で多くのユーザがSaaSによる補完で基幹系システムにおける課題を解決できる状況にはなっていない。


▼IaaSを活用することで維持コストを削減し、システム本体の改善費用を捻出

ではどうすれば良いのか?一つ考えられるのは「部分的なコスト削減効果」を目指したクラウドの活用である。基幹系システムはハードウェアやネットワークの堅牢性やバックアップなどのデータ保護に関する要求レベルが比較的高い。それらを全て自力で実現するのは負担が大きい。そこでIaaSもしくは従来型のハウジングやホスティングを活用して、ハードウェア関連の管理/運用コストをまず削減する。そこで節約できた費用を機能要件やシステム連携に関連した課題の解決に充てるという考え方だ。
実際、前頁のグラフにおいても「ハードウェアやソフトウェアの導入/維持コスト」に関連する課題の解決策としては「OSやアプリケーションに変更を加えることなく、既存システムをそのままクラウドへ移行する」がクラウド関連の解決策の中では比較的多く挙げられている。
こうしたクラウド活用の有効性は以下のグラフからも裏付けることができる。以下のグラフは年商500億円未満の中堅・中小企業に対し「基幹系システムにおけるクラウド活用の障壁になると思われるもの」を尋ね、その結果を活用状態別に集計したものだ。
1. アプリケーションが変わることに対して抵抗がある
2. クラウドへ移行することによるコスト削減効果が少ない
3. 自社固有の要件に対応できない(カスタマイズやアドオンなど)
4. 自社オフィス内の他システムとの連携が難しい
といった課題が多く挙げられている。
1.や3.についてはOSおよびアプリケーションを自由に構成できるIaaSやハウジング/ホスティングであれば対処が可能だ。
アプリケーションを変更せず、個別カスタマイズを維持した状態でデータセンタへ移行することができる。
2.については地道な啓蒙が必要な部分となる。冒頭で述べたように中堅・中小企業はクラウド活用によるコスト削減効果を過剰に期待していた経緯がある。当初の期待ほどではないが、基幹系システムを改善するには何らかの原資が必要であり、それを捻出する手段としてクラウドを活用することが有効であるというロジックを実際の数値も含めて説明する必要がある。
4.についてはVPNを経由してクラウド側でも社内と同じローカルIPアドレスを利用できるサービス(Amazon Web Servicesの「Amazon VPC」など)が次第に増えてきており、障壁は低くなってきている。
この際に注意すべきなのは「買取型サービス」の存在だ。先に挙げた「基幹系システムに関する課題のうち最も重要なもの」のグラフを見ると、「ASP/SaaSといったサービス形態を利用している」にも関わらず、「ハードウェアの導入/維持コストが高い」「ソフトウェアの導入/維持コストが高い」という課題が他の選択肢と同程度の割合で挙げられている。一部のサービスではハードウェアやソフトウェアを買い取り、それを業者側のデータセンタで運用するという形態を「クラウド」と称している場合がある。この場合、ハードウェア構成の変更やソフトウェアのバージョンアップは自社内で運用する場合と同様の手間や費用がかかってくる可能性がある。もちろん「買取型サービス」自体が問題というわけではないが、ITを提供する側としてはクラウドという用語の乱用を避け、ユーザ企業にどのようなメリットがあるのか?を具体的に明示することが重要だ。


本リリースの元となっている「2011年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート」の詳細は下記URLを参照リンク


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