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2011年中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査報告

ノークリサーチは2011年の国内中堅・中小市場におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<中堅・中小企業においてもサーバ仮想化を中心に据えた戦略立案が必要>
■テスト環境構築用途なども含めれば、サーバ台数2~4台でもサーバ仮想化は訴求可能
■サーバ仮想化による台数削減効果はサーバ5台から、リソース有効活用効果は20台から
■サーバベンダシェアは単なる導入台数だけでなく、仮想化適用対象のシェアも考慮すべき
■ユーザ企業が今後望むサーバ仮想化ソフトウェアの形態はサーバやOSへの組み込み
■サーバ仮想化障壁解消のカギは中堅・中小ではSAN代替、大企業ではネットワーク関連

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年12月21日

2011年中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2011年の国内中堅・中小市場におけるサーバ環境の実態と展望に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望レポート」のダイジェストである。


<中堅・中小企業においてもサーバ仮想化を中心に据えた戦略立案が必要>
■テスト環境構築用途なども含めれば、サーバ台数2~4台でもサーバ仮想化は訴求可能
■サーバ仮想化による台数削減効果はサーバ5台から、リソース有効活用効果は20台から
■サーバベンダシェアは単なる導入台数だけでなく、仮想化適用対象のシェアも考慮すべき
■ユーザ企業が今後望むサーバ仮想化ソフトウェアの形態はサーバやOSへの組み込み
■サーバ仮想化障壁解消のカギは中堅・中小ではSAN代替、大企業ではネットワーク関連


対象企業: 日本全国/全業種の年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業
対象職責: 企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員
調査実施時期: 2011年1月~2月
有効回答件数: 1000件
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■テスト環境構築用途なども含めれば、サーバ台数2~4台でもサーバ仮想化は訴求可能

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業に対し、「サーバ仮想化技術の活用状況」を利用中のサーバ台数別に尋ねたものである。
サーバ台数が10台以上になると「活用する予定はない」が約15%を下回り、「活用中」が約4割を越えることからニーズが確実に存在しているといえる。サーバ台数2台~9台でも「活用する予定はない」が20~25%程度存在するものの、「活用中」も30%台に達しており、サーバ仮想化技術の活用を訴求することは可能と考えられる。サーバ台数とサーバ仮想化ニーズの関連は次頁で詳しく述べる。


■サーバ仮想化による台数削減効果はサーバ5台から、リソース有効活用効果は20台から

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業に対して「サーバ仮想化技術の活用状況」を尋ねた結果のうち、現状の活用目的を利用中のサーバ台数別に集計したものである。
いずれのサーバ台数規模においても「サーバの運用管理作業を軽減する目的で、活用中」が最も多いことがわかる。ただし、その中身についてはサーバ台数規模に応じて異なってくる。サーバ台数が2~4台の層においては「パッチ適用などの作業時におけるテスト環境構築」が主な目的と考えられる。サーバ仮想化技術は「VMware Player」などの無償ツールの存在もあり、システム規模の小さな中堅・中小企業の情報システム担当者の間で草の根的に利用されてきたという経緯がある。こうしたニーズは現在も健在であり、サーバ台数が少ない状況でも重宝されるサーバ仮想化技術の活用目的といえる。
一方、サーバ台数が5台以上になると、「消費電力や設置スペースといった維持コストを削減する目的で、活用中」が多くなる。
これらのユーザ企業層ではサーバ仮想化技術によるサーバ機器の集約が大きなメリットとなる。サーバ台数の削減ニーズはサーバ台数が数十台を越える大企業に限定されると考えがちだ。だが、5~9台でもそれらを管理/運用する担当者も少人数であるため、5~9台が1台に集約されるだけでもメリットを十分得られる場合が少なくない。
さらにサーバ台数が20台以上になると、「サーバリソースの最適化を図る目的で、活用中」という選択肢も多く挙げられている。
こうしたユーザ企業層では業務システムの種類も多くなるため、「1サーバ1システム」という形では「システムAでは昼間は負荷が高いが夜間はほとんど処理がない、システムBはその逆」といった状況も発生してくる。サーバ仮想化技術によって業務システムが稼働する物理サーバを柔軟に調整することができれば、従来よりも効率的なサーバ管理/運用が可能になる。
このようにサーバ仮想化技術の活用目的は利用中のサーバ台数に応じて変化してくる。
ここではグラフを割愛しているが「サーバ仮想化技術の今後の活用目的」を現状と比べると「システムの安定稼働を図る目的で、活用を検討している」が多く挙げられている。従来は個別のシステム毎に実施されていた可用性対策(クラスタリングなど)をプール化されたサーバリソース全体で考えられるようになったことが背景にあると考えられる。
また、VMwareの「VMsafe API」「VMware vShield」のように、従来は物理サーバ毎に実施していたセキュリティ関連対策をより効率的かつ柔軟に行える関連ソリューションも充実してきている。「物理サーバ台数を如何に減らすか?」から「仮想化されたサーバ環境を如何に効率的かつ安全に管理/運用するか?」に焦点は移ってきており、今後もその傾向が進むと予想される。


■サーバベンダシェアは単なる導入台数だけでなく、仮想化適用対象のシェアも考慮すべき

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業に対し、「導入予定サーバのベンダ名」を尋ねたものである。
導入予定サーバのベンダ名を単に尋ねた場合と、サーバ仮想化技術の適用を予定しているサーバのベンダ名を尋ねた結果を並べている。
年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業における導入予定サーバベンダでは富士通、デル、NECの三社が多く挙げられている。仮想化適用予定サーバベンダでは富士通とNECが比率を高める一方で、デルはやや比率を下げている。
年商500億円以上の大企業における導入予定サーバベンダでは日本IBM、富士通、NECの三社が多く挙げられている。仮想化適用サーバベンダでは日本IBMが比率を高める一方で、富士通とNECはやや比率を下げている。
基幹系/情報系/運用管理系といった業務システムの観点では新しいサーバ導入につながる目立った動きがないなか、サーバ仮想化技術は今後の導入を大きく左右する要素といえる。そのため、今後のサーバベンダシェアにおいては単なる導入予定だけではなく、サーバ仮想化ニーズと絡めた動向も踏まえておくことが重要と考えられる。


■ユーザ企業が今後望むサーバ仮想化ソフトウェアの形態はサーバやOSへの組み込み

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業に対して、活用中および活用予定の「サーバ仮想化ソフトウェアの活用状況」を尋ねた結果である。
中堅・中小企業と大企業いずれにおいてもVMwareESX/ESXiが多くを占めているが、中堅・中小企業においてはHyper-Vもそれに次いで多く活用されている。また活用中と活用予定を比較すると、サーバハードウェアまたはOSに組み込まれた形態が今後はより多く選ばれる傾向にあることがわかる。また、上記グラフからは割愛しているが、「どの仮想化ソフトウェアかは不明」という回答も少なくない。ユーザ企業にとってはサーバ仮想化ソフトウェアの存在をあまり意識する必要のない状態が最終的には理想とも考えられる。


■サーバ仮想化障壁解消のカギは中堅・中小ではSAN代替、大企業ではネットワーク関連

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業および年商500億円以上の大企業に対し、「サーバ仮想化技術を活用する際に障壁となる事柄」を尋ねた結果である。
いずれの年商帯でも「OSやミドルウェアが高価である」「サーバ仮想化を実現するためにハードウェアの入れ替えが必要である」といった課題を多く抱えている。その次に多いのは、「どの情報処理システムから着手すれば良いのか判断できない」「サーバ仮想化によって得られる投資対効果が不明確である」といったユーザ企業側での意思決定や判断に起因する課題である。一方で、「サーバ仮想化を提案してくれる販社/SIerがいない」という課題を挙げる割合は非常に低い。
この結果を踏まえると、「サーバ仮想化を提案する側の体制は整っているが、ユーザ企業にとってはサーバ仮想化技術に必要となるITインフラ投資が負担となっており、それを推し進めるだけの費用対効果算定や対象システムの特定が行えていない」という状況と見ることができる。
だが、サーバハードウェアは高性能化が進む一方で価格は下落が続いており、主要な仮想化ソフトウェアについても性能が向上する一方で無償化も含めた価格の低下が進んでいる。実は、ここでユーザ企業が挙げている「OSやミドルウェアが高価である」「サーバ仮想化を実現するためにハードウェアの入れ替えが必要である」といった回答は仮想化ソフトウェアやサーバハードウェアに関するものではなく、その周辺に必要なITインフラ投資を指している。その点の詳細については次頁で述べる。
年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業ではSANが大企業ほど普及していない。そのためサーバ仮想化を導入し、VMwareのvMotion、Hyper-VのLiveMigration、XenServerのXenMotionなどといった仮想サーバを移動する技術を活用するなどしてサーバ仮想化の恩恵を得ようとすると、SANの導入が大きなハードルとなる。
しかし、この点については2011年になって幾つかの解決策が登場している。サーバ内蔵ハードディスクを共有データストアへ転換して複数サーバ間で同期をとることで、あたかもSANがあるのと同様の環境を作り出すことができるといったソリューションだ。ネットワールドが販売する「StorMagic SvSAN」や、VMwareの「VMware vSphere StorageAppliance」がその例だ。これらは中堅・中小企業におけるサーバ仮想化技術導入の障壁が下げる手段の一つとして期待される。
一方、年商500億円以上の大企業では既にSANを導入している割合も高くなる。大企業にとってサーバ仮想化の障壁となるのは「ネットワーク」である。大企業では物理サーバ一台で稼働する仮想サーバの数も多くなる。すると、同一の物理サーバ筺体内での仮想サーバ間の通信も多くなり、仮想スイッチ処理量が上がる。その結果、物理サーバのCPUリソースが消費され、仮想サーバの処理に影響が及ぶという課題が発生する。この回避手段としてはスイッチング処理を物理NICやサーバに接続するスイッチへオフロードする方法がある。前者をVEB(Virtual Ethernet Bridge)、後者をVEPA(Virtual Ethernet Port Aggregator)と呼ぶ。まだ仕様策定の段階であるが、主要なネットワーク機器ベンダは標準規格が定まった段階で製品化する意向を示している。
もう一つの大きな課題はVLANだ。サーバ仮想化技術の適用が進むと、数多くのシステムが同一の物理ネットワーク内に混在する状態となる。その際はVLANによってネットワークを論理的に分離することが不可欠だ。だが、いくらサーバが仮想化されていても、ネットワークの設定が固定化していては前述した仮想サーバを移動する技術による効果も半減してしまう。この課題に対する解決策の一つが「OpenFlow」だ。経路判断とパケット転送処理が分離され、経路判断は「OpenFlowコントローラ」へ集約し、そこから指示を受けた「OpenFlowスイッチ」がパケット転送処理を行う。こうすることで論理的なネットワークの構築/変更の度に多数のネットワーク機器の設定変更を行う必要がなくなり、機器構成もシンプルになる。結果的にネットワーク関連の投資負担も軽減が期待できる。
さらに複数データセンタを跨いだ仮想サーバ移動などの課題を解決する手段として期待されるのが「VXLAN」だ。物理サーバまたは仮想スイッチから外へ出る時にレイヤ2の通信をカプセル化し、同一のID(VXLAN Network Identifierと呼ばれる)を持つ送信先の終端まではIP層で通信を行う。送信先では自身のIDと送信元IDを照合した上で、カプセル化されたレイヤ2の通信が最終的な送り先である仮想サーバに送られるという仕組みだ。こうすることで仮想サーバ側では上記のような処理内容を意識する必要がなくなる。これによって、自社内とデータセンタまたは複数データセンタを跨いだプール化された仮想サーバ環境の構築/運用における投資を大幅に節減することができる。
このように大企業では物理サーバ筺体内から複数データセンタ間まで、ネットワークに関連する要素がサーバ仮想化技術の本格活用において重要なポイントとなっている。上記に述べたいずれの技術もネットワーク機器や仮想化ソフトウェアを提供する主要ベンダが規格の標準化を進めており、今後の動向を注視しておくことが重要だ。


本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業におけるサーバ環境の実態と展望レポート」の詳細は下記URLを
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