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2011年中堅・中小企業の業務システムにおけるモバイル端末活用に関する調査報告

ノークリサーチは2011年の国内中堅・中小市場の業務システムにおけるモバイル端末活用に関する調査報告を実施し、その分析結果を発表した。

<通信・通話/GPS/加速度センサ/タッチパネルといったデバイスとしての特徴
を独自アプリケーションと組み合わせた新たな活用シナリオの登場に期待>
■モバイル端末活用の障壁は「活用シナリオ不足」「端末管理負担」「システム対応」の三つ
■現時点でスマートフォンの活用が比較的多い業務システムは情報共有系と顧客管理系
■タブレット端末の活用は紙ドキュメントのペーパレス化など、まだ黎明期の段階に留まる
■今後は「高機能なデバイス」としての特徴を生かした活用シナリオが数多く登場してくる

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年11月11日

2011年中堅・中小企業の業務システムにおけるモバイル端末活用に関する調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2011年の国内中堅・中小市場の業務システムにおけるモバイル端末活用に関する調査報告を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」からのダイジェストである。


<通信・通話/GPS/加速度センサ/タッチパネルといったデバイスとしての特徴
を独自アプリケーションと組み合わせた新たな活用シナリオの登場に期待>
■モバイル端末活用の障壁は「活用シナリオ不足」「端末管理負担」「システム対応」の三つ
■現時点でスマートフォンの活用が比較的多い業務システムは情報共有系と顧客管理系
■タブレット端末の活用は紙ドキュメントのペーパレス化など、まだ黎明期の段階に留まる
■今後は「高機能なデバイス」としての特徴を生かした活用シナリオが数多く登場してくる

調査対象: 日本全国の年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数1400件)に属し、以下いずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2011年8月
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■モバイル端末活用の障壁は「活用シナリオ不足」「端末管理負担」「システム対応」の三つ

中堅・中小企業においても「自宅や外出先などで社内と同じPC環境を利用したい」といったニーズは高い。従業員数が少ない中堅・中小企業では営業など外出を伴う業務と社内での稟議・承認などの管理業務を兼ねたプレイングマネージャが多いことなどが背景にある。
しかし、各業務システムにおけるモバイル端末の利用率はいずれも1割以下に留まっている。その要因としては以下の三つが考えられる。
1. モバイル端末ならではの活用シナリオの不足
スマートフォンやタブレット端末は単にノートPCの代替ではなく、通話機能/GPS/加速度センサ/タッチパネルといった様々な機能が備わっている。だが、現時点での業務システムにおけるモバイル端末活用シナリオはインターネットに接続した状態のノートPCや従来型の携帯電話でも実現可能であるものも多い。そのためユーザ企業としては従来と同様にノートPCや従来型の携帯電話でカバーするという選択に落ち着いてしまいやすい。
2. モバイル端末の管理コスト
一般消費者向けではスマートフォンの普及が急速に進んでいる。大企業においては社員が個人で所有するスマートフォンを業務に使用する「BYOD(Bring Your Own Device)」といった状況を容認すべきかどうかといった議論も盛んになっている。中堅・中小企業においては全社員にモバイル端末を普及するだけの予算を確保することは難しく、一方でBYODを認めた場合に不可欠となる運用管理ポリシー策定や管理ツール導入も負担が大きい。
3. 業務システム側の対応
中堅・中小企業が導入している業務システムの中にはWeb対応されていないものも依然として多く存在する。パッケージ自身がスマートフォンやタブレット端末に対応しているケースもあるが、何らのシステム改変を伴わずにモバイル端末から利用できるものはまだ少ない。そのため、モバイル端末で利用したいと考えても、まず業務システム側の対応が必要となる。こうした現状を踏まえながら、以下では中堅・中小企業の業務システムにおけるモバイル端末活用がどのくらい進んでいるかについて集計/分析を行っている。


■現時点でスマートフォンの活用が比較的多い業務システムは情報共有系と顧客管理系

以下のグラフは「業務システムにおけるスマートフォン活用割合(現状)」をまとめたものである。
現段階ではいずれの業務システムにおいても活用割合は10%以下に留まっている。その中でも若干高い値を示しているものが「CRM」「ワークフロー」「グループウェア」「CTI」「メール」である。これらは以下の三つにグループ分けして捉える事ができる。
[特定の職責を持った社員が社外から業務システムにアクセスするためのもの]
CRMは営業が社外から商材の在庫状況を確認するといった用途で利用されるものと考えられる。ワークフローはプレイングマネージャが社外からワークフロー承認を行うといった用途がある。いずれも利用する社員数は限られており、モバイル端末も企業から支給されるケースが多いと推測される。
[個人所有のモバイル端末による業務システムアクセスが多いと考えられるもの]
グループウェアやメールについては以前から従来型の携帯電話や自宅PCからの利用を認めているケースも存在する。そのため、スマートフォンやタブレット端末についても同様に個人所有の機器からこれら情報系のアプリケーションを利用するといった形が今後も存続すると予想される。ただし、マルウェア感染の危険が少ない従来型携帯電話や個人利用でもセキュリティ対策への啓蒙が進んでいるPCと比べ、個人所有のスマートフォンやタブレット端末はセキュリティリスクが高いといえる。ユーザ企業側も社員に対してモバイル端末向けセキュリティ対策ソフトの導入を義務付けるなどの啓蒙が必要となってくる。
[音声通話に関連したソリューションと関係が深いもの]
CTIはユニファイドコミュニケーションの一部と捉えることができる。顧客からの問い合わせに応じる社員を迅速に探し、直接その社員に問い合わせ電話を転送するといった業務フローを実現するためにはプレゼンス確認の機能を備えた携帯電話が必要だ。アプリケーションを組み込めるスマートフォンはこうした用途に適している。


■タブレット端末の活用は紙ドキュメントのペーパレス化など、まだ黎明期の段階に留まる

以下のグラフは「業務システムにおけるタブレット端末活用割合(現状)」をまとめたものである。
タブレット端末は一般消費者向け市場においてもまだ黎明期であり、業務システムでの利用でも5%に満たないものが大半を占めている。
スマートフォンと同様、「BYOD」での利用が行われやすいグループウェアとメールが比較的高い値を示している。また現時点でも明確なタブレット端末ニーズの一つに「ペーパレス化」が挙げられる。営業が持ち歩く契約書やカタログをタブレット端末に格納し、顧客にはタブレット端末の画面を見せるといった活用方法だ。CRMや文書管理/ファイル管理における値が高いのはこうした利用方法が当てはまるものと推測される。
今後はタブレット端末が持つ画面の大きさとタッチパネルのインターフェースを活かし、キーボードによる入力が馴染みにくい製造現場や高齢者向けサービスなどでの活用事例が徐々に増えていくものと予想される。


■今後は「高機能なデバイス」としての特徴を生かした活用シナリオが数多く登場してくる

タブレット端末によるペーパレス化などの例を除けば、現時点におけるスマートフォンやタブレット端末の活用は業務システムのアクセス端末としてのノートPCからの発展系が比較的多い。その観点では、冒頭に述べた三つの課題の一つ目である「モバイル端末ならではの活用シナリオの不足」が最優先で取り組むべき項目であると考えられる。逆にユーザ企業から見た時に、業務効率化や業績改善に繋がる十分なメリットを見出すことができれば、二番目や三番目の課題を解決するための投資を引き出せる可能性もある。
こうしたモバイル端末ならではのメリットを生かした事例も少しずつ登場してきている。建設業の現場作業におけるスマートフォン活用はその一例だ。施工現場では工務店の作業経過を発注元の建設会社が確認する、あるいは若手の作業を親方が指導するなどといったプロセスがある。
この際、現場で作業する側とチェックする側は離れていることも多い。従来は作業状況を電話で伝える、現場で撮った写真を事務所からメールで送るといった形で対応していた。だが、口頭だけでは報告や指示の内容がうまく伝わらない、事務所に戻ってメールを確認したのでは作業効率が悪いといった課題があった。ここでスマートフォンを活用すれば、現場写真をその場で送り、折り返しの指示を即座に口頭ないしはメールのいずれか望ましい手段で受けることができる。
あるいは老人介護に関連した実証実験では車椅子にスマートフォンを装着し、老人が転倒した場合に加速センサがそれを捉え、GPSによって得られる位置情報と共に介護センターへ通知するといったサポートシステムの研究がおこなわれている。タッチパネルと独自アプリケーションの組み合わせによって、個別のユーザインターフェースを従来と比べて低コストで開発できるいった点も高齢者向けや製造/建設現場向けなどの用途では威力を発揮する。
このようにモバイル端末が持つ「デバイスとしての能力」を活かした事例が出てくれば、中堅・中小企業の業務システムにもモバイル端末の活用が進み始めるものと予想される。


本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
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株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
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