2011年中堅・中小企業における「人事管理」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2011年の国内中堅・中小市場における「人事管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<コスト削減を見据えた運用アウトソースと中長期的な雇用の多様化に向けた
取り組みを今から検討しておくことが大切>
■「人事奉行」が差をつけてシェア首位を堅持、二位以降は順位の変動が起きやすい
■新規導入で運用アウトソース志向の兆し、モバイル端末活用のニーズは極めて低い
■中長期的には雇用の多様化に向けた製品/サービスの柔軟性強化を図る必要がある

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年10月24日

2011年中堅・中小企業における「人事管理」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2011年の国内中堅・中小市場における「人事管理」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「人事管理」カテゴリに関する速報である。
※グラフにつきましては下記URLをご確認ください
リンク


<コスト削減を見据えた運用アウトソースと中長期的な雇用の多様化に向けた
取り組みを今から検討しておくことが大切>
■「人事奉行」が差をつけてシェア首位を堅持、二位以降は順位の変動が起きやすい
■新規導入で運用アウトソース志向の兆し、モバイル端末活用のニーズは極めて低い
■中長期的には雇用の多様化に向けた製品/サービスの柔軟性強化を図る必要がある


調査対象: 日本全国の年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数1400件)に属し、以下いずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2011年8月
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■「人事奉行」が差をつけてシェア首位を堅持、二位以降は順位の変動が起きやすい

以下グラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の「人事管理」製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。※調査対象となった製品/サービスの一覧は末頁の「調査対象製品/サービス一覧」を参照
2010年のシェア上位は「人事奉行(21/iシリーズ)」「SMILEシリーズ」「GLOVIAsmart人事給与」の順であった。2011年には「人事奉行(21/iシリーズ)」「GLOVIAsmart人事給与」「SMILEシリーズ」となり、「GLOVIAsmart人事給与」と「SMILEシリーズ」の順位が入れ替わる形となっている。「人事奉行(21/iシリーズ)」が二位以下と比べてシェアがやや高く、二位以降はシェア順位の上では変動しやすい状態となっている。


■新規導入で運用アウトソース志向の兆し、モバイル端末活用のニーズは極めて低い

以下のグラフは「人事管理」製品/サービスの運用形態および端末形態について、導入済みと新規導入予定を比較したものである。
新規導入予定の製品/サービスの運用形態を導入済みの運用形態と比較すると、パッケージが70.2%から83.4%へと増加している。このことから人事管理についてはパッケージへの遷移がまだ続いていると考えられる。パッケージの中でも「パッケージを自社で購入し、運用をアウトソース」については導入済みでは11.5%、新規導入予定では21.7%と大きく増加しており、運用/管理を外部に委託する傾向が今後強まると予想される。
端末環境に関してはスマートフォン、タブレット型端末ともに導入済みと新規導入予定のいずれにおいても低い割合となっている。社外で利用するニーズそのものがほとんどなく、個人情報を直接扱うということもあるため、今後も社外で閲覧可能な状態を作ることについては消極的なユーザ企業が多数を占めると考えられる。


■中長期的には雇用の多様化に向けた製品/サービスの柔軟性強化を図る必要がある

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下から次頁にかけてのグラフはそのうち「導入/サポートの価格は妥当か」「機能が足りているか」「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」についてのシェア上位の製品/サービスにおける評価結果である。※評価ポイントの算出方法は次頁末尾を参照
「導入/サポートの価格」はいずれの製品/サービスにおいても横並びの評価結果となっている。一方で、「ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用」の評価が低い。これは「人事管理モジュールを含むERP製品/サービスの機能が低い」ということではなく、「ユーザ企業側が人事管理の個別評価を十分に行わないままERPに含まれている人事管理モジュールを利用した場合の評価が低い」ということを示している点に注意が必要である。この傾向は「機能の充足度」や「カスタマイズ容易性」にも当てはまる。
各ベンダの製品/サービスいずれも「機能の充足度」は概ね評価が高いが、「カスタマイズ容易性」は独自開発システムよりも低い評価となっている。今後、中長期的には中堅・中小企業においても人材の国際化や雇用の多様化(ワークシェアリング)などが進む可能性があり、各企業が独自の人材管理/評価の仕組みを必要とするようになる。
既に大企業においては「タレントマネジメント」という言葉も使われるようになり、一歩進んだ高度な人事管理への取り組みが始まっている。こうした流れが中堅・中小企業に波及するのは数年程度先と推測されるが、ベンダとしては今の段階から状況を注視しておく必要がある。

【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
A社の項目aに関する評価ポイント
= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計
(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)


■調査対象製品/サービス一覧

SMILE α 人事管理/OSK(大塚商会)
SMILE ie 人事・給与/OSK(大塚商会)
SMILE BS 人事給与/OSK(大塚商会)
SMILE es 人事給与/OSK(大塚商会)
MJSLINKⅡ給与大将, Galileopt人事給与大将,ACELINK Navi CE給与/ミロク情報サービス
ADPS /カシオヒューマンシステムズ
人事奉行(21シリーズ) / OBC
人事奉行i (iシリーズ) /OBC
PCA人事/ピー・シー・エー
Socia人事システム, Socia考課システム/内田洋行, エフエム
COMPANY人事・給与/ワークスアプリケーションズ
OBIC7給与情報システム/オービック
GLOVIA smart人事給与/富士通
NC人くん, GrowOne Cube人事/ニッセイコム
TimeProシリーズ/アマノ
PRO_STAFF-α,ePro_St@ff/ アイテックス
BizインテグラルePro_St@ff, SCAW人事管理システム/NTTデータビズインテグラル, NTTデータビジネスシステムズ(NTTデータシステムズ)
SuperStream CORE/ エス・エス・ジェイ
POSITIVE / STAFFBRAIN/ 電通国際情報サービス(ブレイニーワークス)
Generalist/ 東芝ソリューション
SuccessFactors Business Execution /SuccessFactors
Sabaシリーズ/Saba
CYBER XEED/ アマノビジネスソリューションズ
JinjiPro/ クロスヴィジョンインターナショナル
HeartBeat, RedCarpet, OpenHire, WingSpan/ シルクロードテクノロジー
Lacrasio /ラクラス
ERPを構成する機能モジュールの一つとして利用
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)


本調査では人事管理の定義を「社員の配属、職責、福利厚生などに関する管理機能を担うアプリケーション」と定義している。
ERP製品/サービスの中にはベンダ側がERPと称していても、ユーザ企業側では特定の機能(会計管理など)のみ利用しており、自社ではERPを導入していないと認識していることも少なくない。逆に単に基幹系業務システムを並べ、会計を中心とした簡易な連携機能を備えたものをERPと捉えている場合もある。
本調査では「ユーザ企業がERPと認識している製品/サービスは何か?」を把握することも調査の一環と捉え、「何をERPとするか?」の判断自体をユーザ企業に任せるという手法を取っており、「COMPANY」や「SuperStreamCORE」のようにユーザ企業によって「ERP」と「給与管理」に認識が分かれる可能性のある製品/サービスについてはERPと給与管理の両方のカテゴリに選択肢を設けている。それぞれのカテゴリでどれだけシェアがあるか?などを見ることで年商や業種に応じたユーザ企業側のカテゴリ認識の違いを確認することができる。

本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
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当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

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