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マーサー、役員報酬の世界的動向 を発表 アジアの報酬が欧米の人材獲得の脅威に

・ユーロ圏や債務危機、景気後退が西欧諸国の役員報酬の制約要因に ・アジアが西欧諸国を越え北米に迫る勢い 人材不足を報酬でカバー ・アジアでは、急速な成長、リーダー人材の不足、インフレが報酬インフレの懸念を助長

西欧諸国や北米で役員報酬に対する規制が強まる中、新興市場の経済成長もあり、アジアの役員報酬リンクが欧米レベルを超える勢いで上昇しており、長期的な持続可能性が疑問視されると、マーサーは発表した。アジアの役員報酬水準は既に欧州のレベルを上回り、3年以内に米国を超えるという見方もある。一方で、同時に、アジアの報酬水準上昇の背景にあるインフレ促進要因がバブルを助長することにより、報酬と業績との連動を不安定なものにし、企業の報酬制度を歪める結果となる危険性があることを指摘している。

マーサーのアジア太平洋地域、組織・人事変革コンサルティング部門における報酬セグメントの責任者である ハンス・コスイス博士は次のように語っている。「これまで、役員報酬の水準は欧米諸国が最も高かったが、重心は否応なく東へと移りつつある。2010年には、アジアの平均役員報酬額は欧州を越え、2013年には米国を上回るだろう。この傾向は多くの新興諸国へ広がりを見せており、例えば中東では、役員報酬は既に欧州の水準に追い付いている。 欧米諸国では、鈍い経済成長とユーロ圏における銀行債務危機からみて、報酬への厳しい監視が続くことから、役員報酬に抑えが効いている。今のところ、アジアは概ね、こうした問題の影響を受けておらず、役員報酬にさほどブレーキがかかっていない。」

「多くの経営層の人材にとってアジアは魅力的な職場であり、多くの欧米出身者をこの地域に引き付ける唯一の要因は報酬の良さであることを忘れてはならない」と コスイスは述べている。「アジアの企業は、世界経済におけるシェアを高めるにつれて、報酬方針を見直し、技術、貿易、金融各分野の状況の急速な変化に対応して持続的に発展できるようにしなければならない。」

西欧の傾向
世界的経済危機により、各地域、各国で新たに関連規則が制定され、役員報酬の高騰が抑えられている。大規模組織は、短期インセンティブから、繰延賞与、長期インセンティブ(LTI)、リーダーシップ開発の改善へとシフトしつつある。マーサーは、他の産業部門もそれに倣う傾向があることから、 金融サービス部門リンク の推移に着目してきた。企業は概して、報酬プランについてリスクと持続可能性とのバランスをとろうとしている。

英国、スペイン、ポルトガル、ドイツといった国は、規制当局、メディア、国民、そして株主から強い圧力を受け、業績や価値創出により密接に連動した報酬プランの作成に力を入れている。外部からの監視に耐えうることが不可欠である。イタリアなど、多額の退職報酬パッケージを広く見直し、減額をする国々もある。大企業の経営層の人材はグローバルな役割・ポジションに適任であり、アジアにおいてもチャンスを与えられている。報酬プランはこうした人材の引き留めに重点を置いたものとなっている。

しかしながら、より広い視点で見ると、欧州の大多数の企業の2011年の基本報酬の平均昇給率は2.5%となっている(マーサーのデータによるリンク
)。この昇給率はインフレ率を下回っており、より広範な従業員層と同様、経営層の引き留めにも不十分なものとなっている。

北米
カナダや米国でも役員報酬への監視の目は厳しくなっている。株主、コーポレート・ガバナンスの専門家、国会議員や規制当局が、役員報酬制度の透明性や報酬と業績の連動性を高めるよう求めている。経営者や報酬委員会は、株主らの要求に応え、説明責任を果たす必要に迫られている。金融部門では、厳格な業績に連動した報酬のベンチマークや、より長期的な株式保有の義務付け、クローバック、そして繰延賞与がより重視されている。こうした状況において、報酬インフレが抑えられ、 2011年の米国、カナダにおける基本報酬の平均昇給率は約3%にとどまった。

アジア
アジアの状況は大きく異なる。2011年には、アジアの役員報酬は平均7%上昇した。アジア太平洋地域の役員報酬は地域全体で上昇しているが、とりわけ、中国、インド、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシアが目立つ。その要因として、GDPの伸びが堅調でインフレが進んでおり、また極めて重要な点だが、経営層の人材が不足していることが挙げられる。例外は、長期的な景気低迷に苦しむ日本で、報酬水準は抑えられている。

経営層の人材供給に限界があること、また、そうした人材の引き留め競争のため、一部の業界で報酬が引き上げられている。中期的には持続しない可能性もあるが、当面は、こうした人材の採用および引き留めのための新しい手法の導入につながっている。例えば、3ないし4年のみならず、10年ないし20年、ひいては退職時までを対象とするLTIプランの導入などである

中国では、多国籍企業から自国企業への転進が増えており、そのため報酬水準の格差は狭まっている。中国企業は、成長重視の姿勢を続けながら、生産性に基づく業績指標により役員報酬を評価している。インドでは、約9%という強力な成長が人材の流動性や報酬を引き上げてきた。報酬水準の上昇が必ずしも業績向上につながっているわけではないが、取締役会や報酬委員会による報酬ベンチマークの公正な利用に関する監視が厳しくなる中、業績評価基準の設定やクローバック条項が多くなる可能性がある。

湾岸協力会議(中東)
6加盟国(サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦、オマーン、カタール、バーレーン)全体の役員報酬のプラクティスは急速に他国に追い付きつつある。繰延賞与プランの導入が進んでおり、年次インセンティブが企業や部門/事業単位の具体的な業績評価指標とより密接に連動するようになった。マーサーの調査結果では、2011年の基本報酬の昇給率は6 ~7.5%あたりと予測され、多くの企業にとって2年ぶりの増加となる。

コスイス博士は、「全体として、役員報酬のガバナンス強化、報酬と業績の関連強化、そして長期インセンティブの活用の増加等への移行が進んでいる。企業は、報酬の相応部分を柔軟な変動型のものとし、持続的な業績向上のみ報酬の対象とし、報酬レベル全体が長期的に持続可能なものとなるようにしなければならない」とコメントしている。

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注記
ここでいう「役員」とは、取締役会のメンバーまたは(多国籍企業の場合)各国の常務取締役や事業部門のトップをいう。報酬動向の詳細な国別分析についてはこちらをご覧ください:
Historic shift in executive remuneration worldwide 
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マーサージャパンの役員報酬プラクティスについてはこちらをご参照ください:
組織・人事変革コンサルティング部門
役員報酬プラクティス - コーポレート・ガバナンス/役員報酬の見直し
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マーサーについて
マーサー (英語社名:Mercer、本社: ニューヨーク、会長兼CEO:ミシェル・バーンズ)は、世界40カ国以上、約180都市において、コンサルティング、アウトソーシング、インベストメント分野で25,000社以上のクライアントにサービスを提供するグローバル・コンサルティング・ファームです。世界各地に在籍する20,000名以上のスタッフがクライアントの皆様のパートナーとして多様な課題に取り組み、最適なソリューションを総合的に提供しています。日本においては、30余年の豊富な実績とグローバル・ネットワークを活かし、あらゆる業種の企業・公共団体に対するサービス提供を行っています。組織変革、人事制度構築、福利厚生・退職給付制度構築、M&Aアドバイザリー・サービス、グローバル人材マネジメント基盤構築、給与データサービス、年金数理、年金資産運用など、「人・組織」を基盤とした幅広いコンサルティング・サービスを提供しています。

マーサーは、ニューヨーク、シカゴ、ロンドン証券取引所に上場している、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(証券コード: MMC)グループの一員です。

マーサーについての詳細は、以下をご参照ください
マーサー ジャパン リンク
Mercer (Global) リンク
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Tel: 03-5354-1674 pr.japan@mercer.com

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