logo

2011年中堅・中小企業における「ERP」の利用実態とユーザ評価

ノークリサーチは2010年の国内中堅・中小市場における「ERP」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。

<国産ベンダによる性能改善や業種特化などの取り組みがシェアや評価の結果に反映>
■幅広い年商へ訴求したOBCが首位、中堅・中小を引き続き狙うSAPジャパンがそれに続く
■スマートフォンやタブレット端末は特定用途向け専用端末の代替を検討する価値がある
■業種特化などによって過剰なカスタマイズを避けた個別要件適合への取り組みが進む

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年10月13日

2011年中堅・中小企業における「ERP」の利用実態とユーザ評価

調査設計/分析/執筆: 岩上由高

ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2010年の国内中堅・中小市場における「ERP」の利用実態とユーザ評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の「ERP」カテゴリに関する速報である。
※図表につきましては下記URLをご参照ください
リンク


<国産ベンダによる性能改善や業種特化などの取り組みがシェアや評価の結果に反映>
■幅広い年商へ訴求したOBCが首位、中堅・中小を引き続き狙うSAPジャパンがそれに続く
■スマートフォンやタブレット端末は特定用途向け専用端末の代替を検討する価値がある
■業種特化などによって過剰なカスタマイズを避けた個別要件適合への取り組みが進む


調査対象: 日本全国の年商500億円未満の中堅・中小企業(有効回答件数1400件)に属し、以下いずれかの権限を持つ社員
「情報システムの導入や運用/管理の作業を担当している」
「情報システムに関する製品/サービスの選定または決裁の権限を有している」
調査実施時期: 2011年8月
※調査対象の詳しい情報については右記URLを参照リンク


■幅広い年商へ訴求したOBCが首位、中堅・中小を引き続き狙うSAPジャパンがそれに続く

以下グラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の「ERP」製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。※調査対象となった製品/サービスの一覧は末頁の「調査対象製品/サービス一覧」を参照
2010年のシェア上位は「SAP ERP/SAP Business All-in-One」「GLOVIA smartシリーズ」「奉行新/V ERP」の順であったが、2011年は「奉行新/V ERP」「SAP ERP/SAP Business All-in-One」「GLOVIA smartシリーズ」の順となった。
2010年にはSAPジャパンが中堅・中小企業向けの取り組みを進めた成果が表れたが、2011年は以前から中堅・中小企業の基幹系業務システムで高いシェアを誇るOBCが伸びを示す結果となった。2011年7月のりそなホールディングス傘下の三銀行への「奉行V ERP」導入などの従来よりも高い年商帯への訴求に加え、年商5億円未満も含む低年商帯での2010年以降の導入件数も他ベンダと比べて伸びを示している。高年商帯では機能要件を大きく落とさずにコストを下げるための選択肢を提供し、低年商帯では「奉行シリーズ」で聴き慣れた製品ラインアップから来る安心感といった双方向からの訴求が同社の伸びに繋がっているものと考えられる。

■スマートフォンやタブレット端末は特定用途向け専用端末の代替を検討する価値がある

以下のグラフは「ERP」製品/サービスの運用形態および端末形態について、導入済みと新規導入予定を比較したものである。
新規導入予定の製品/サービスの運用形態を導入済みの運用形態と比較すると、パッケージが運用形態全体に占める割合は大きな変化はなく、独自開発からパッケージへの遷移がさらに緩やかになっている状況がうかがえる。ただし、パッケージの中で運用をアウトソースする割合は増加しており、ユーザ企業が外部委託による運用/管理コストの削減を図ろうとする動きが見られる。
端末環境におけるスマートフォンやタブレット型端末の占める割合は今後増加する傾向にある。だが、新規導入予定における比率はそれぞれ8.5%、5.1%とまだわずかである。全体に占める割合はごくわずかであるが、バーコードリーダなどの特殊用途向け端末は導入済みにおける割合が1.9%であるのに対し、新規導入予定ではタブレット端末と同レベルの5.1%となっている。
従来専用機器を採用していた特定用途向け端末においてスマートフォンやタブレット端末といった汎用機が採用される可能性もある。全体に占める割合はまだわずかだが、「業種特化用途における端末環境」は単なる更新需要に留まらない提案機会として意識しておく価値はある。


■業種特化などによって過剰なカスタマイズを避けた個別要件適合への取り組みが進む

本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下から次頁にかけてのグラフはそのうちの「導入/サポートの価格は妥当か」「自社の要件に合致しているか」「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」についてのシェア上位の製品/サービスにおける評価結果である。※評価ポイントの算出方法は次頁末尾を参照
「導入/サポートの価格」についてはシェア上位の製品/サービスのうち「奉行新/V ERP」「GLOVIA smartシリーズ」が高い評価を示しているが、「SAP ERP/SAP Business All-in-One」についてはやや厳しい結果となっている。SAPジャパンはFI(財務会計)など特定の機能モジュールをパートナのソリューションと併せて短期に導入する「Fast-Start Program」で新規導入シェアを順調に伸ばしてきた。だが、既存の他システムとの連携やパッケージ自体の維持管理といった面では中堅・中小企業向けに設計/開発された他製品/サービスと比べてコスト負担が大きくなっている可能性がある。
「自社要件適合性」については依然として「独自開発システム」が最も高い評価となっており、製品/サービスをベースとしたソリューションの適合力とユーザ企業側のニーズとの間にギャップのある状況が確認できる。
だが、「設定による機能の追加/変更」において「GLOVIA smartシリーズ」や「EXPLANNERシリーズ」といった業種特化型ソリューションに強いベンダの製品/サービスが高い評価を得るようになってきている。各ベンダはカスタマイズを伴わずにユーザ個別の要件に適合する工夫を進めており、上記に述べたギャップが今後解消に向かう兆しが見え始めている。

【評価ポイント算出方法】
五段階評価結果を「大変不満:-5ポイント」「多少不満:-3ポイント」「どちらでもない:0ポイント」「まあまあ満足:3ポイント」「大変満足:5ポイント」と重み付けし、ある評価項目「項目a」について、「A社の「大変不満」という回答件数= H1」「A社の「多少不満」という回答件数= H2」「A社の「どちらでもない」という回答件数= H3」「A社の「まあまあ満足」という回答件数= H4」「A社の「大変満足」という回答件数= H1」と定義した場合に、以下の計算式によって算出している。
A社の項目aに関する評価ポイント
= ( H1×(-5) + H2×(-3) + H3×0 + H4×3 + H5×5) ÷ A社の項目aに関する回答件数合計
(各製品/サービスの利用件数自体が少ない場合には、その点に留意が必要である)

■調査対象製品/サービス一覧

今回の調査対象として導入シェアや評価における選択肢として挙げた製品/サービスは以下の通りである。

COMPANYシリーズワークスアプリケーションズ
ProActive 住商情報システム
GEMPLANET 日立製作所
SCAW NTTデータシステムズ
Infor ERP 日本インフォア
SMILE α OSK(大塚商会)
SMILE ie OSK(大塚商会)
SMILE BS/is OSK(大塚商会)
SMILE es OSK(大塚商会)
GLOVIA smartシリーズ富士通、富士通マーケティング
GLOVIAシリーズ(SUMMIT、G2などsmartシリーズ以外のもの) 富士通、富士通マーケティング
OBIC7 exシリーズオービック
OBIC7 FXシリーズオービック
SAP ERP/ SAP Business All-in-one SAPジャパン
Oracle E-Business Suite, Oracle Fusion Applications 日本オラクル
JD Edwards Enterprise One 日本オラクル
EXPLANNERシリーズ(FlexProcessとNEXERPを含む) NEC
Microsoft Dynamics AX 日本マイクロソフト
Microsoft Dynamics NAV PBC
SuperStream CORE エス・エス・ジェイ
SuperStream NX エス・エス・ジェイ
MCFrame 東洋ビジネスエンジニアリング
CORE Plus 日本事務機
TENSUITE 日立情報システムズ
奉行V ERP(奉行21シリーズ/奉行iシリーズを除く) OBC(オービックビジネスコンサルタント)
奉行新ERP(奉行21シリーズ/奉行iシリーズを除く) OBC(オービックビジネスコンサルタント)
スーパーカクテル内田洋行
GRANDIT インフォベック
PCA Dream21 ピー・シー・エー
MJSLINK Ⅱ ミロク情報サービス
Galileopt ミロク情報サービス
GrowOne Cube ニッセイコム
SAP Business One SAPジャパン
アラジンオフィスアイル
IFS Applications IFSジャパン
ZeeMシリーズクレオ
glovia.com グロービアインターナショナル
NewRRR フューチャーアーキテクト
Exact Globe Exactソフトウェア
ABIT カシオ情報機器
GX システムラボ
Plaza-i ビジネス・アソシエイツ
上記以外のパッケージ製品またはサービス
独自開発システム(オープンソースをベースとしたもの)
独自開発システム(ベースとなるものがない完全なスクラッチ開発)

本調査ではERPの定義を「会計、販売、購買、生産といった複数のシステムを統合的に管理/運用するアプリケーション」としている。ERP製品/サービスの中にはベンダ側がERPと称していても、ユーザ企業側では特定の機能(会計管理など)しか利用しておらず、自社ではERPを導入していないと認識していることも少なくない。逆に単に基幹系業務システムを並べて、会計を中心とした簡易な連携機能を備えたものをERPと捉えている場合もある。本調査では「ユーザ企業がERPと認識している製品/サービスは何か?」を把握することも調査の一環と捉え、「何をERPとするか?」の判断自体をユーザ企業に任せるという手法を取っている。以降に続く会計、販売、人事/給与といった各種のITアプリケーションカテゴリのシェアにどのような製品/サービスが入っているか?を併せてみることで、「ベンダ側が考えるERP」とユーザ企業側が捉える「ERP」の違いを見ることができる。

本リリースの元となっている「2011年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の詳細は下記URLを参照
リンク

当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp

本プレスリリースは発表元企業よりご投稿いただいた情報を掲載しております。
お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。