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2011年中堅・中小企業における海外展開に関する実態調査報告

株式会社ノークリサーチは、2011年の中堅・中小企業における海外展開に関する意識調査報告を発表した。

中国への期待を高める中堅・中小企業、海外展開は委託先IT企業変更の契機
▲新たに海外展開を予定する中堅・中小企業はいずれの年商帯においても10~15%存在
▲今後の経済発展と地理的な優位性から、海外展開対象地域は中国が半数近くを占める
▲海外展開については「既存の販社/SIerへの依存度が強い」という原則が当てはまらない

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2011年1月17日

2011年中堅・中小企業における海外展開に関する実態調査報告

分析および執筆: 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は、2011年の中堅・中小企業における海外展開に関する意識調査報告を発表した。
※図表につきましては下記URLをご参照ください
リンク

中国への期待を高める中堅・中小企業、海外展開は委託先IT企業変更の契機
▲新たに海外展開を予定する中堅・中小企業はいずれの年商帯においても10~15%存在
▲今後の経済発展と地理的な優位性から、海外展開対象地域は中国が半数近くを占める
▲海外展開については「既存の販社/SIerへの依存度が強い」という原則が当てはまらない


厳しい経済環境が続く中、業績の低迷に苦しむ中堅・中小企業も少なくない。だが、今後大きな伸長が見込めない国内市場を横目に、海外へのビジネス展開へ乗り出す動きも出始めている。本リリースは中堅・中小企業における海外ビジネス展開の最新動向をまとめたものである。
調査対象抽出条件: 年商5億円以上~500億円未満の国内民間企業800社の経営層および管理職
調査実施時期: 2010年11月


▲新たに海外展開を予定する中堅・中小企業はいずれの年商帯においても10~15%存在

以下のグラフは年商5億円以上~500億円未満の国内中堅・中小企業に対し、「海外でのビジネス展開状況」を尋ねた結果である。「海外に拠点を設けるかどうか?」および「ビジネスの形態は何か?(商材やサービスの販売/流通、製造やサポートのアウトソース、インターネットによる商材/サービスの提供)」といった観点からビジネス展開の形態を分類し、それぞれについて「既に海外へ展開中/展開予定」を分けて尋ねている。
中堅・中小企業にとって、海外に拠点を設ける形での展開は決して容易ではない。だが、何らかの形で現地拠点を伴う海外展開を実施済みの企業は、年商5億円以上~50億円未満で9.5%、年商50億円以上~100億円未満で28.5%、年商100億円以上~300億円未満で26.0%、年商300億円以上~500億円未満で44.0%に達する。また、拠点の有無を問わず海外展開を新たに予定している企業はいずれの年商帯においても10~15%存在している。
従来は大企業の海外展開に追随する形が多かったが、国内市場の大きな伸びが今後期待できない状況などを受け、中堅・中小企業が自らの判断で商材やサービスの販売/流通などに取り組もうとしている状況がうかがえる。海外展開はクラウド対応や会計システム刷新など、様々なITソリューション提案の機会をもたらす。IT投資抑制が続く中、ITを提供する側としては海外展開に取り組む中堅・中小企業を重点顧客として位置付ける価値が十分あると考えられる。


▲今後の経済発展と地理的な優位性から、海外展開対象地域は中国が半数近くを占める

以下のグラフは海外へのビジネス展開を実施/予定している年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業に対し、主な対象となる地域を尋ねた結果である。(本調査において凡例地域に含まれる設問対象国名は下記の通り)
いずれの年商帯においても中国が最も多く、東南アジア諸国が二番目、さらに北米と韓国が同程度でそれに続くという結果となっている。
北米: アメリカ、カナダ
中南米: メキシコ、ブラジル
ヨーロッパ: イギリス、フランス、ドイツ、ロシア
東南アジア: インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、フィリピン、シンガポール、ラオス、カンボジア、ミャンマー
さらに、海外展開の主な地域として多く挙げられた中国、東南アジア、北米、韓国のそれぞれについて「海外展開を実施/予定する地域として選んだ理由」を尋ねたものが以下のグラフである。中国は「地理的に日本に近い」「今後の経済的な発展が見込める」が多く挙げられ、自社の製品/サービスにとっての市場と労働力/原材料の安価な調達先といった両面で期待が大きいことが分かる。一方、東南アジアは調達先としての役割よりも自社の製品/サービスの対象市場としての期待の方がやや高い。経済発展の期待度という点では中国にやや劣るが、AJCEP(ASEAN・日本包括的経済連携協定)などを踏まえ、関税面での優位性を挙げる回答も少数ながら見られる。北米と韓国は製品/サービスの対象市場としての期待が多くを占め、韓国に関しては地理的な近さを選択理由として挙げる割合も高い。
いずれにしても潜在市場の大きさ、地理的な近さ、経済発展のポテンシャルという点で中国への期待がやや突出して高まっている状況と見ることができる。


▲海外展開については「既存の販社/SIerへの依存度が強い」という原則が当てはまらない

以下のグラフは海外へのビジネス展開を実施/予定している年商5億円以上~500億円未満の中堅・中小企業に対し、「海外展開に必要なIT活用における依頼/相談の相手として望ましいもの」を尋ねた結果である。
中堅・中小企業はIT活用全般に際してオフコン時代から取引が続いている既存の販社/SIerに依頼や相談をする傾向が強い。だが、海外展開に関しては「自社で判断し、進出する地域に社内のIT担当者を派遣する」や「進出する地域の責任者に判断を任せ、日本国内と調整する」といったように自らの判断で取り組もうとする姿勢が見受けられる。この点は従来のIT投資と大きく異なるため、販社/SIerが海外展開に伴うIT活用を提案する際には十分留意する必要がある。
上記の結果を既に海外展開を実施しているか、それともこれから予定しているか?によって分けて集計したものが以下のグラフである。「展開済み」と比べると、「展開予定」の企業は自力での実施割合が減り、「日本国内で既に実績のある販社/SIerに依頼する」という回答がやや多くなっている。つまり、フォロワーとしてこれから海外展開を予定する企業は既に展開済みの企業と比べるとビジネス展開力はやや低く、販社/SIerの力を必要とする傾向が強まると考えられる。ただし、「展開予定」の企業では「自社が進出する地域を得意とする日本国内の販社/SIerに依頼する」という回答も「日本国内で既に実績のある販社/SIerに依頼する」と同程度あり、ユーザ企業と既に取引関係にあることが絶対的な優位とはならない可能性がある。現在、大手を中心にIT企業各社が中国や東南アジアへの拠点展開を進めているが、こうした取り組みが中堅・中小企業の新規顧客獲得に寄与する可能性も十分ある。一方、海外拠点展開を行うことが難しい地場の中小規模SIerとしては、ベンダや大手SIerとの協業などを通じ、既存顧客が海外展開を検討することになった場合にも具体的な提案を行えるように備えておく必要がある。



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