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2010年国内クラウド市場規模調査報告

株式会社ノークリサーチは、国内の企業向け用途におけるクラウド市場規模に関する調査結果を発表した。

▼2010年は大企業でプライベートクラウド活用が進む一方、中堅・中小企業は様子見
▼中堅・中小における市場活性化には運用管理系とIaaS/PaaSへの視点拡大が重要
▼2012年以降は既存システムからの移行手段が整い、IaaSと融合したPaaSが伸びる

PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2010年12月15日

2010年国内クラウド市場規模調査報告

調査設計/分析/執筆: 岩上由高


株式会社ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1 東京芸術センター1705:代表伊嶋謙ニ03-5244-6691 URL:http//www.norkresearch.co.jp)は、国内の企業向け用途におけるクラウド市場規模に関する調査結果を発表した。
※ 本リリースは『2010年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート』からのダイジェストである


▼2010年は大企業でプライベートクラウド活用が進む一方、中堅・中小企業は様子見
▼中堅・中小における市場活性化には運用管理系とIaaS/PaaSへの視点拡大が重要
▼2012年以降は既存システムからの移行手段が整い、IaaSと融合したPaaSが伸びる

※図表につきましては下記URLをご参照下さい
リンク

以下のグラフは国内のクラウド市場規模推移をIaaS、PaaS、SaaSの形態別に算出したものである。算出対象は年商5億円以上の国内企業が情報処理システムの構築/運用を目的に行う支出のうち、次頁に述べるクラウドの定義に該当するものの合計金額となっている。2010年は2009年と比べてそれほど大きな伸びを示していない。本格的な回復が未だ見込めない経済環境が大きな要因の一つであるが、プライベートクラウドへの取り組みが大企業で進みつつある一方、中堅・中小企業におけるクラウド活用が普及段階に至っていないことも大きく影響している。中堅・中小企業は基幹系業務システムや情報共有システムなどの比較的利用頻度の高い業務システムをクラウド環境に移行し、それによるコスト削減効果を期待する傾向が強い。しかし、既存システムのクラウド移行にはカスタマイズや他システム連携といった障壁もあり、結果的に期待されるコスト削減効果を得ることは容易ではない。その結果、中堅・中小企業の多くはクラウドに興味や関心を示すものの、実際の取り組みには踏み込めない「様子見」の状態となっている。これを打開するにはクラウドへの移行が比較的容易な運用管理系(セキュリティ、運用管理、資産管理など)も含めたクラウド活用対象の広がりや、SaaSに偏りがちなユーザの視点をIaaSやPaaSまで拡大させる啓蒙が求められてくる。
2012年以降はPaaSが大きく伸びると予想される。ただし、ここでのPaaSの伸びはPaaS上での新規のシステム開発が増加することによるものではなく、既存の情報処理システムをそのまま移行できる仕組みが整うことによる。VMWareとSalesforce.comが共同で進めている「VMforce」やWindows Azure Platformにおける「VM Role」などがその具体例である。こうした取り組みが成熟し、既存の情報処理システムをクラウドに移行する際の敷居が大きく下がるタイミングが2012年と予想される。この段階ではPaaSとIaaSの区別はしだいに曖昧になり、両者が融合する可能性も十考えられる。


ノークリサーチによる「クラウド」の定義

市場規模において「何を算出したのか?」を明確にするために、以下ではノークリサーチにおけるクラウドの定義を述べる。ノークリサーチでは「クラウド」を『以下の三つの要素を備えた情報処理システムの構築/運用におけるビジネス形態、またはそうした情報処理システムそのもの』と定義している。

要素1:
ハードウェア/ミドルウェア/ソフトウェアといったITリソースをネットワーク経由のサービスとして提供または利用する

要素2:
仮想化/抽象化によって、システム構築/運用における柔軟性と迅速性を実現している

要素3:
ITリソースの規模拡大や共有により、スケールメリット/効率改善/可用性向上を実現している

要素1は「XaaS」(SaaS、PaaS、IaaSなどのサービス形態によるITリソース提供の総称)の定義に他ならない。要素1のみでは、従来から存在するASP(Application Service Provider)やホスティング/ハウジングと本質的には変わりがない。要素1に要素2や要素3が加わることによって、「オンデマンド(必要な時に必要なだけ利用できる)」や「Elastic(拡張や縮小を自在に行える)」といった特徴が備わり、従来と比べてITリソースをより効率的に活用できるようになったものがクラウドである。また、定義によっては
「ユーザ企業によるセルフサービスであること」
「様々なデバイスから利用可能であること」
「従量課金を採用していること」
などをクラウドが満たすべき条件に含めるケースもあるが、ノークリサーチではこれらは上記三つの要素を備えた結果として得られるビジネス/システムの実装上の選択肢と捉え、クラウドの必須要件には含めていない。
また、プライベートクラウドについては以下のように定めている。
プライベートクラウドの定義:
自社の管理下にある情報システムに対してクラウドを構成する種々の技術を適用することで、セキュリティや運用におけるポリシーの主導権(ガバナンス)を維持しつつクラウドの持つメリットを享受しようとするシステム構築/運用の考え方、またはそのようにして実現される情報システムそのもの
パブリッククラウドとプライベートクラウドの違いは「ユーザ企業によるガバナンスの維持」にある。「ガバナンス」はやや抽象的な概念であるが、具体的には以下のような項目が挙げられる。

・データ格納場所を含めたシステム構成をユーザ企業側が制御できる(例.データセンタが特定されている)
・バージョンアップやパッチ適用の内容やタイミングをユーザ企業が制御できる(例.マルチテナントでない)
・ユーザ企業が自社内で定めているアクセス制御やセキュリティのポリシーに合致した内容をクラウド側の情報処理システムにも適用できる(例. VPNで自社内環境と接続され、ローカルIPを利用できる)

ただし、「どの項目まで満たせばプライベートクラウドといえるのか?」という明確な線引きは現時点では存在しておらず、その意味ではパブリッククラウドとプライベートクラウドの区別はやや曖昧な状態となっている。そこで、市場規模算出に際しては次頁に述べるようにプライベートクラウドに至る経緯によって区分けするアプローチを採用している。
プライベートクラウドに至る道筋には大きく分けて、
「従来のアウトソーシングにクラウド関連技術を適用したもの」
「パブリッククラウドにVPNやV-LANなどの技術を適用したもの(主にバーチャルプライベートクラウドと呼ばれるもの)」
「仮想化技術などを活用して、自社内で構築/運用されたITリソースにおいてクラウドと同等のメリットを実現しようとするもの」
の3つがある。これを図示すると以下のようになる。
「道筋3」は全頁に述べたクラウドの定義の「要素1」から大きく外れている。そのため、ノークリサーチではプライベートクラウドと呼ばれているもののうち「道筋3」に該当するものについてはクラウドに含めず、「道筋1」と「道筋2」に該当するものをプライベートクラウド、それ以外のクラウドをパブリッククラウドと分類する方針を取っている。これらの定義に基づき、年商5億円以上の国内企業が情報処理システムの構築/運用を目的に行うクラウドへの支出を合計したものが冒頭に掲載した国内クラウド市場規模である。


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ユーザ企業と販社/SIerの双方に対するアンケート調査結果に基づくSaaS/クラウドのビジネス戦略バイブル
『2010年版SaaS/クラウド市場の実態と中期予測レポート』

SaaSやクラウドは中堅・中小企業も含めたIT市場全体に大きな変化をもたらすと言われています。ですが、中堅・中小企業のIT活用場面においてSaaSやクラウドが浸透/普及しているとはまだいえない状況です。IT資産の導入/運用負担が大きい中堅・中小企業に対してSaaS/クラウドは有効であると言われながら、その活用が加速しない原因は何なのか?本レポートではユーザ企業と販社/SIerの双方に対するアンケート調査結果を詳細に分析することで、その問いかけへの解を導きます。SaaS/クラウドの関わる事業者はもちろん、今後のIT市場における変化を見据える上で全てのIT企業に必携の一冊です。

主な収録内容:

[ユーザ企業に対する調査]
・クラウド活用の現状(クラウドという用語に対する認識、導入/活用状況、メリット/デメリット、検討する際の情報源など)
・業務システム別のSaaS/クラウド活用状況(23種類の業務システム別にSaaS/クラウドの活用意向を網羅)
・業務システム別のSaaS/クラウド活用における適正費用(ユーザ企業が適正と考える利用料金を23種類の業務システム別に網羅)
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[販社/SIerに対する調査]
・XaaSまたはクラウドへの取り組み状況、取り組む理由、メリット/デメリットなど
・今後活用したいXaaSまたはクラウドのサービスとその選択理由
・XaaS/クラウドの提供企業に対して望む事柄(サービス品質、価格/課金体系、販社/SIerに対する支援策など)

【価格】99,750円(税込)
【媒体】CD-ROM (分析サマリ: PDF形式、集計データ: Microsoft Excel形式)
【お申込み方法】弊社ホームページからの申し込みまたはinform@norkresearch.co.jp宛にご連絡ください

各種カスタムリサーチのご案内

「カスタムリサーチ」はクライアント企業様個別に設計・実施される調査とコンサルティングです。

1.調査企画提案書の提示:
初回ヒアリングに基づき、調査実施要綱(調査対象とスケジュール、費用など)をご提案させていただく

2.調査設計:
調査企画提案に基づき、具体的な調査方法の選定、調査票の設計/作成やインタビュー取材計画立案を行う
多彩な調査方法が活用できます。
定量調査(アンケート調査)
ユーザ企業の実態とニーズを数値的に把握したい
販社やSIerが望む製品やサービスの動向を知りたい
定性調査(インタビュー調査)
ユーザ企業が抱える課題を個別に詳しく訊きたい
販社やSIerがベンダに何を期待しているかを訊きたい
デスクトップリサーチ
競合他社の動向などを一通り調べたい

3.実施と集計:
設計された調査を実施し、その結果を集計する

4.分析:
集計結果を分析し、レポートを作成する

5.提言:
分析結果を基にした提言事項を作成し、報告する

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