ノークリサーチは2010年の国内中堅・中小市場における人事管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。
PRESS RELEASE(報道関係者各位) 2010年10月19日
2010年中堅・中小企業の人事管理システム利用シェアと評価調査報告
調査設計/分析/執筆: 岩上由高
ノークリサーチ(本社〒120-0034 東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705:代表:伊嶋謙ニTEL:03-5244-6691URL:http//www.norkresearch.co.jp)は2010年の国内中堅・中小市場における人事管理システムの利用シェアと評価に関する調査を実施し、その分析結果を発表した。本リリースは「2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート」の人事管理システムカテゴリに関する速報である。
※図表につきましては下記URLをご参照下さい
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<法制度対応やシステム連携の基盤提供と個別要件対応を両立させ、パッケージをベースとしたアウトソースで攻めるのが有効>
■ERPの一機能としての導入が進む中、年商50億円未満を中心に人事奉行が強みを発揮
■新規の独自開発やASP/SaaS活用は減少、今後はパッケージのアウトソース運用が増加
■ユーザ企業固有のニーズへの対応については独自開発システムのフィット力が依然高い
■法制度対応やシステム連携に中長期的な視点で対応できる基盤を提供することが大切
対象企業: 年商500億円未満の中堅・中小企業
対象地域: 日本全国
有効サンプル数: 1400件
調査実施時期: 2010年8月
■ERPの一機能としての導入が進む一方、年商50億円未満を中心に人事奉行が強みを発揮
以下のグラフは年商500億円未満の国内中堅・中小企業全体における導入済の人事管理システム製品/サービスの導入社数シェアを示したものである。2009年の時点から、単体での人事管理システムのシェアが減少し、ERPの一機能として他システムとの連携を前提としたパッケージ導入が増加する傾向が見られたが、2010年はそうした流れがさらに進んだ状況といえる。ただし年商50億円未満のユーザ企業層では単体パッケージの導入もまだ多く、その結果全体シェアにおいても人事奉行が依然として首位を保つ結果となっている。
■新規の独自開発やASP/SaaS活用は減少、今後はパッケージのアウトソース運用が増加
以下のグラフは導入済の人事管理システム製品/サービスの利用形態について尋ねた結果である。就業形態や組織管理方針などは業種/業態および個々の企業によって異なってくる。そのため人事管理システムは会計システムや給与システムと比べると独自開発の比率がやや高くなる傾向にある。パッケージを提供するベンダとしてはユーザ企業個別のニーズをカバーしつつ、他システムとの連携性という面で独自開発と比べた場合の優位性をいかに訴求
以下のグラフは導入済の人事管理システム製品/サービスを今後も利用するかどうか?を尋ねた結果である。約3割のユーザ企業が具体的な製品/サービスは決めていないものの今後システム変更を予定しており、潜在的にはシェアが変動する可能性が十分ある。
以下のグラフは今後新たに人事管理システム製品/サービスを導入する際にどういった形態を採用するか?を尋ねた結果である。独自開発とASP/SaaS形態はいずれも導入済の形態比率と比べて減少しており、一方でパッケージのアウトソース運用が増加している。今後はパッケージの活用によって初期構築費用を抑えると共に、秘匿性の高い情報の保護といった観点からシステム運用のみをアウトソースする傾向が強まってくる可能性がある。
■ユーザ企業固有のニーズへの対応については独自開発システムのフィット力が依然高い
本調査では
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」といった数多くの項目について五段階評価で製品/サービス別にユーザ企業による評価を行っている。
以下のグラフはそのうちの「自社の要件に合致しているか」についての主要な人事管理システム製品/サービスの評価結果である。「OBIC7ex給与情報システム」(オービック)、「SCAW人事管理システム」(NTTデータシステムズ)といった上位二製品とほぼ同程度のポイント数で独自開発システムが三位に挙げられている。
この結果を踏まえると、人事管理システムはユーザ企業の個別要件が多くあり、独自開発システムと比べた場合のパッケージにおける要件合致性にはまだ改善の余地があると考えられる。
■法制度対応やシステム連携に中長期的な視点で対応できる基盤を提供することが大切
以下のグラフは主要な人事管理システム製品/サービスにおける「導入/サポートの価格は妥当か」「他システムとの連携手段が整っているか」のユーザ企業評価を示したものである。要件合致性においては独自システムの評価がやや高くなる傾向にあったが、価格やシステム連携においてはパッケージの方が優位になりやすい。今後も想定されるであろう育児や介護に関連した休業法の改訂といった法制度への対応や、他システムとの統一性のとれた連携手段の提供といった観点ではパッケージを利用する方が一般的にはトータルコストを抑えやすいといえる。パッケージを開発/販売するベンダはもちろん、受託開発を行うSIerにとっても法制度対応や他システム連携を実現できるだけの基盤を整備しておくことは、価格と機能の双方でユーザニーズを満たすために重要な要素となってくる。
- レポート発刊のご案内-
『2010年版中堅・中小企業のITアプリケーション利用実態と評価レポート』
「全17カテゴリに及ぶITアプリケーションのシェアと評価を網羅した必携の一冊」
価格: ¥95,000円(税別) CD-ROM版(17カテゴリの全てのITアプリケーションを含んだ価格)
発刊日: 2010年11月15日(購入予約受付中)
【対象となるITアプリケーションカテゴリ(17カテゴリ)】
「ERP」「生産管理システム」「会計管理システム」「販売管理システム」「仕入・在庫管理システム」
「給与管理システム」「人事管理システム」「ワークフロー」「グループウェア」「メール」「運用管理/資産管理」
「クライアントPCセキュリティ」「CRM」「CTI」「DWH/BI」「文書管理/ファイル管理」「帳票」
【集計/分析の対象となる項目】
年商別、業種別、所在地別、職責別の集計データを網羅
[ITアプリケーションの導入社数シェア]
・導入済のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存から変更する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・全く新規に導入する場合のITアプリケーション導入社数シェア(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの導入年と導入費用]
・既存ITアプリケーションの導入年(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
・既存ITアプリケーションの導入費用(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
(ハードウェア費用/導入作業費用/カスタマイズ費用を除いたITアプリケーションに関する初期費用)
[ITアプリケーションの利用形態]
(「パッケージ」/「独自開発」/「サービス利用」の区分および、「社内運用」/「運用アウトソース」の区分)
・導入済、既存変更時、新規導入時のITアプリケーションの利用形態(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
[ITアプリケーションの評価]
以下の各項目に関する五段階評価(17カテゴリそれぞれについて分析/集計)
「導入/サポートの価格は妥当か」
「機能が足りているか」
「動作が軽快かどうか」
「自社の要件に合致しているか」
「初めてのユーザもすぐに操作を習得できるか」
「慣れたユーザにとって操作が煩わしくないか」
「他システムとの連携手段が整っているか」
「不具合や誤動作はないか」
「プログラミングによる機能の追加/変更(カスタマイズ)がしやすいか」
「設定変更などプログラミングを伴わない形での機能の追加/変更がしやすいか」
当調査データに関するお問い合わせ
株式会社ノークリサーチ担当:岩上由高
東京都足立区千住1-4-1東京芸術センター1705
TEL 03-5244-6691 FAX 03-5244-6692
inform@norkresearch.co.jp
www.norkresearch.co.jp
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