環境問題への解決策、がんや難病の治療薬、そして食料問題と、様々な分野でバイオテクノロジー(以後バイオテク)が注目を集めている。高度に発展した遺伝子工学がこれまで不可能とされていた技術開発を可能にしつつあり、さらにナノテクノロジーやITの進歩がその普及を加速化させている。
特に米国では、オバマ新政権が代替エネルギー(クリーンテク)や医療技術の開発促進に向けて特別予算を組むなど本腰を入れ始めており、同国におけるバイオテクの重要性が一段と高まっている。今後、エネルギー問題や食料問題の分野でもバイオテクが技術開発の中心的な役割を果たしていくことに疑問の余地はない。しかし、今のところバイオテク分野で最も巨大な市場となっているのは、バイオ製薬分野だ。
バイオ製薬業界では今、大変革が起きている。2000年以降、バイオテク新興企業が雨後の筍のごとく乱立していったが、その後、2007年以後に資金調達が困難になる企業が増加した。その結果、業界内における企業の統廃合が急速に進んでいるのが現状である。その一方で、パイプラインを確保したい製薬会社が新興企業の技術にいち早く目を付け、これらの企業をつぎつぎに買収し始めたことから、製薬会社の勢力版図が急速に拡大している。
これまでバイオ製薬と言えば、バイオテク企業だけのお家芸であった。しかし、製薬会社のバイオテク企業買収によって、今やバイオ製薬の開発において双方の境界線が薄れつつある。特に、2009年に入り、米バイオテク企業で2番手だったGenentechがスイスの製薬大手Rocheに買収されたことは、まさにバイオテク市場における相関関係の力学の変化を大きく物語っている。
バイオテク新興企業にとって、2008年は非常に厳しい年となった。同年の金融恐慌によって資金調達が非常に困難となり、多くの企業が開発資金に困窮するようになった。こうした状況が今後、製薬会社の買収をさらに促すことになると予想される。言い方を変えると、バイオ製薬市場規模はこれからも成長の一途をたどるだろう。しかし、純粋なバイオテク企業による市場の成長は、その開発力が製薬会社にシフトとすることによって、鈍化していくものと考えられる。
ROA Groupでは、米国のバイオテク企業を中心に市場がどのような状況下に置かれているのかを分析し、今後の方向性を示唆するために本レポートを執筆した。ビジネスモデルによる分類や注目を集めるバイオ製薬分野、および主要企業の概況などもできる限り丁寧に記した。
市場予測は、米国バイオテク企業が生み出す最終売り上げをベースに算出した。これは、投資家が市場を見極める際や企業が今後の戦略を考えていく上で、バイオテク企業の将来性を正確に把握するのが目的となっている。
◆調査手法
市場規模の予測においては、企業の収支決算報告を基に、公官庁の公表数値なども参考にしながら基本推測値を設定した。その後、バイオテク企業各社の将来性や思惑、治験の状況などを加味しながら修正を加え、最終的な市場規模を概算した。
本レポートでは、米国バイオテク主要企業100社以上を掲載。さらに、大手企業に関する概況も記している。また、将来有望視されている医療分野では、今後、ヒット商品として期待されている開発中の新薬も一覧表としてまとめた。米国のバイオテク企業の現状と将来性を把握し、今後の企業戦略や投資戦略の参考にしていただければ幸いである。
【調査レポート】
米国バイオテクノロジー市場の現状と課題
バイオ製薬分野を中心に
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