国際糖尿病連合の新たな調査で、発展途上国の人々がより多くの糖尿病治療費を払っているものの、その結果の健康状態は劣悪なことが判明

国際糖尿病連合(IDF)による新データは、アフリカ5か国の調査者が、糖尿病を抱える2,300人の男女と、糖尿病にかかっていない2,300人の近隣住民にインタビューをして、得られたものです。調査によれば、糖尿病患者が心臓病・脳梗塞・腎臓病・心不全にかかる割合は、近隣の非患者の約3倍であることが判明しました。

Montreal, Quebec, Oct 22, 2009 - (JCN Newswire) - 2型糖尿病は、豊かな国で比較的年齢が高く、非生産的な生活スタイルの成人に起きる病気というイメージを持たれています。しかし現実には、現在糖尿病患者の70%は低中所得諸国に住んでおり、糖尿病が経済に与える影響は貧しい国の方が大きくなっています。ところが支出の大部分、つまり糖尿病関連全医療費の90%は、米国・カナダ・西ヨーロッパ諸国など豊かな国々で費やされています。これが、糖尿病の経済への影響について、低中所得国で実施された今まででもっとも包括的な調査の結論です。

国際糖尿病連合(IDF)による新データは、アフリカ5か国の調査者が、糖尿病を抱える2,300人の男女と、糖尿病にかかっていない2,300人の近隣住民にインタビューをして、得られたものです。調査によれば、糖尿病患者が心臓病・脳梗塞・腎臓病・心不全にかかる割合は、近隣の非患者の約3倍であることが判明しました。糖尿病患者はまた、結核・HIV/AIDS・マラリアをもつ割合も高くなっています。これらすべての病気は、自己負担医療費が非常に高くなったり、失明・麻痺・手足切断・認知障害など重症の合併症により収入を失ったりする原因となっています。インタビュー対象者の6人に1人は、健康状態の悪化で働けないと述べています。3人に1人は、思う存分働けないと述べています。3%は、医療費を払うために、これで十分だと思っている時間より長く働かなければならないと述べています。5人に1人は、医療費を払うために必要な食料が買えないと答えています。また、半数以上が、必要な薬のすべては買えないと述べています。

おそらくもっとも驚くべき発見は、糖尿病患者の世話をするために家族の構成員の15%が仕事を辞め、20%が仕事を減らし、家族の構成員の15%が糖尿病患者の薬や治療の費用に充てるために働いているということです。IDF医療経済タスクフォース議長で、グローバル調査を主導したKaiser Permanente Center for Healthの所長のResearchJonathan Betz Brown (PhD)は、この調査結果について次のように述べました。「子供が学校に通えなくなり、食事も奪われ、家族は畑や仕事を失い、女性は大人も子供も親の世話のために家に縛り付けられます。こういった家族の悲劇は最終的に、教育水準低下、労働力減少、社会の解体、経済成長の鈍化などにつながっていきます。」

「アフリカの子供たちを救うのにもっともよい方法は、糖尿病などの慢性病を無視することだと考えがちです。」と、アフリカ調査リーダーでIDF副会長であり、タンザニア、ダルエスサラームのShree Hindu Mandal HospitalのKaushik Ramaiya博士は述べました。「しかし発展途上国では、子供の命と未来は、両親や祖父母が健在で生活力があるかどうかにかかっているのです。脳梗塞のために父親が解雇されたり、母親が失明や手足の切断のために畑仕事や家畜の世話や料理をできなくなったりすれば、家族全員がホームレスや極度の貧困状態に陥る場合があります。」

アフリカでの調査結果が示しているのは、アフリカの糖尿病患者が、同じ年齢・性別の人と比べてはるかに多くの医療問題を抱えているということです。たとえば、身体を動かす能力や働く力がたいへん低くなっています。また、医療ケアを利用する頻度と集中度が多く、家族や社会から貴重な経済資源を吸い上げています。

各調査の調査リーダーは、各国で募集され、全員が調査の国際的評価に満足しています。IDF会長のJean Claude Mbanya教授はカメルーンの調査のリーダーを務めました。ケニヤではEva Njenga博士、マリではStephane Besancon氏、南アフリカではPaul Rheeder博士、タンザニアではKaushik Ramaiyaがリーダーとなりました。他に、中国、カザフスタン、南米3か国の17の都市で調査が進行中です。

これらの調査結果は予備段階で、データの分析を続行中です。最終結果は、今後発表予定です。

概要: 国際糖尿病連合(IDF)

国際糖尿病連合(IDF)は、160か国以上200団体以上の参加協会を統括する組織で、2.85億人以上の糖尿病患者とその家族や、医療提供者を代表しています。IDFの使命は、糖尿病医療・予防・治療法について世界に広く知らしめることです。主要な活動には、糖尿病患者と医療専門家への教育や、公共向け意識喚起キャンペーンや、情報の広報や交換などがあります。IDFは、WHOと正式に関係を結び、国連広報局とも連携している非政府組織(NGO)です。IDFは、世界糖尿病会議を2年おきに開催しています。さらに詳しい情報については、 www.idf.org をご覧ください。

お問合せ先:

国際糖尿病連合
Kerrita McClaughlyn
メディア向け広報担当
携帯:+32 487-530-625またはIDFプレスルーム(モントリオール):
+1 514-789-3407および+1 514-789-3409
media@idf.org

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