超低消費電力プラットフォームを採用した初の8bitマイコンを発表

STマイクロエレクトロニクス 2009年09月16日 09時26分
From PR TIMES

互換性のある26種類の製品が400nA未満の停止時電流と
業界最小の150μA/MHzの動作時電流で拡張性の高い性能と機能を実現


マイクロコントローラ(以下マイコン)分野の世界的リーダーである
STマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、画期的な
超低消費電力技術に高性能8bitアーキテクチャを組み合わせ、アクティブ・
モード時の消費電力をアイドル時と同等の電力に低減する初の8bitマイコンの
量産を開始しました。STM8Lファミリは、幅広い性能と機能を備えた3つの
製品ライン、26品種で構成されています。

ユーザは、STM8Lを使用することによって、製品の性能および機能を向上させる
だけでなく、最終消費者が望む「より環境に優しい製品」や、携帯型機器および
医療 / 工業 / 電子メータ / センシング / セキュリティ機器等における
バッテリ寿命の長時間化といった、市場における主要な要求をサポートすること
ができます。この超低消費電力 8bitマイコンは、「Energy Star」、
「IEA 1-Watt Plan」、EUの「EuP指令」といった低消費電力製品の
設計ガイドラインへの準拠にも貢献します。

STのマイクロコントローラ事業部のジェネラル・マネージャであるJim Nicholas
は、次の様にコメントしています。「STはこれまで、STM8Lの基盤である
超低消費電力プラットフォームに関して、注力してきました。これは、成長中の
同技術分野においてユーザのニーズに対応するというSTのコミットメントを
明確に表しています。STM8アーキテクチャの性能面における利点と組み合わせる
ことで、先端技術ならびにコスト競争力を持つ最終製品を実現するため、
価値ある提案を行うことができます。」

STM8Lの3つの製品ラインは、ST独自の130nm専用プロセスを使用した、超低消費
電力プラットフォームを採用しています。同プラットフォームは、超低リーク
電流に最適化されています。STM8Lは、1.65V~3.6Vの電源電圧(Vdd)範囲全体
で、CPUが最大動作周波数までフル性能を発揮できる等のユニークな利点があり
ます。また、オン・チップ・レギュレータによって電力消費量がVddに依存しな
いため、さらに柔軟性が向上し、シンプルな設計が可能になります。

その他、低消費電力組込み不揮発性メモリ、5.4μAの低消費電力実行モード、
3.3μAの低消費電力待機モード、フル機能RTCによる1μAのアクティブHALT、350nA
のHALTモードを含む複数の電源管理モードといった革新的な特徴があります。
STM8Lは、HALT状態から4μs以内のウェークアップが可能なため、最小消費電力
モードを頻繁に使用することができます。また、使用電流が1μA未満のRTCや
オート・ウェークアップ(AWU)などの低消費電力ペリフェラルが、さらなる
低消費電力化を可能にします。このプラットフォームは全体として、
僅か150μA/MHzという動作時電流消費量を実現しています。

超低消費電力プラットフォームのもう1つの特徴は、最小動作電圧1.8Vまで
アナログ集積回路が機能することを保証しているため、Vddレンジ全体で
マイコンの機能が最大限使用できることです。

また、同製品ファミリにおける全デバイス間でのピン配置および
ソフトウェア互換性や、STの32bitマイコンであるSTM32と共有可能な
ペリフェラルとのセットによって拡張される柔軟性と拡張性の高さも
大きな利点です。

STM8L101ラインは、超低消費電力8bitマイコン・ポートフォリオへの導入製品で
す。この製品ラインは、最大8KBのFlashメモリ容量と20 / 28 / 32ピンの
パッケージ・オプションにより、極小の実装面積で高い集積度を実現します。

現在、STM8L15xラインは、主要顧客向けにサンプル出荷中です。最大32KBの
Flashメモリを内蔵し、最大2KBのSRAM、外部水晶発振子/クロック機能、
高機能化されたリセット機能、およびダイレクト・メモリ・アクセス(DMA)の
サポート機能が追加されています。また、モータ制御タイマ、アナログ機能の
拡張、リアルタイム・クロック、高速ADコンバータ/DAコンバータ機能などの
ペリフェラルも追加されています。真のRWW(Read While Write)機能を備えた
内蔵EEPROMが、複雑でコストのかかるエミュレーション用のFlashメモリを
節約します。

また、STM8L152ラインは、統合LCDコントローラを搭載しています。
STM8L151ラインとSTM8L152ラインは、2010年初めに量産を開始する予定です。

QFN20薄型パッケージ(3 x 3mm)に搭載されたSTM8L101(4KB Flashメモリ内蔵)
のサンプル単価は、約1万個購入時に約0.68ドルです。

技術情報

8 / 32bitマイコン向けに開発されたSTの超低消費電力プラットフォームは、
2009年6月に発表されました。このプラットフォームは、低リーク電流用に
最適化された独自の130nmプロセスに基づいており、既に確立されている
省電力マイコン設計技術を組み合わせることで、画期的な低消費電力組込み
メモリとアナログ回路を集積しています。電力消費量が、Vddに依存せず供給
電圧(Vdd)範囲全体にわたって最大動作周波数まで動作をサポートするなど、
他には無い利点が柔軟性を向上させ、シンプルな設計を可能にします。

さらに、複数の低消費電力モードを備えているため、STM8L は完全な電源オフ
から超低周波数での継続的なモニタまで、多種多様なアプリケーションの
動作要件を満たします。ペリフェラルに対するクロック・ゲーティングにより、
実行モードと待機モードでの全体の電流消費量がさらに減少します。

超低消費電力プラットフォームは、複数の内部/外部クロック源をサポートする
高度で柔軟なクロック・システムも搭載しています。そのため、ユーザは、
周波数とクロック源をオン・ザ・フライで最適化し、実現可能な最小電力消費量
でアプリケーションの要求をサポートすることができます。

消費電流が1μA未満のRTCやオート・ウェークアップ(AWU)機能、最小電力
モードでの4μs未満のウェークアップなどの機能により、規則的または頻繁な
システム・ウェークアップが必要な場合にも電力効率の高い動作を実現できます。
パワー・オン・リセット(POR/PDR)やオプションとして提供される起動時の
AC電圧低下によるリセット(BOR)など、統合されているシステムの安全および
セキュリティ機能も、超低消費電力向けに最適化されています。

STM8L151 / STM8L152ラインの内蔵DMA機能により、ペリフェラルはコアから独立
して機能することが可能です。このため、必要なペリフェラルをアクティブ状態
に保ちながら、FlashメモリとCPUへの給電をオフにして余分な電力を大幅に低減
できます。

また、全てのSTM8Lデバイスに、STの先進的なSTM8マイコン・アーキテクチャの
利点が活かされています。このアーキテクチャは、16bitのインデックス・
レジスタ、16MBのリニア・アドレス空間、16MHzで16 CISC MIPSの処理を可能に
する高い命令サイクル効率などの特徴により、卓越した性能を実現しています。

全てのSTM8Lデバイスの動作温度範囲は-40℃~+85℃で、+125℃まで動作する
高温バージョンも用意されています。

また、本プレスリリースは以下のURLでもご覧いただけます。
リンク

STマイクロエレクトロニクスについて
STマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体
ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な
技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)
ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使すること
により、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションに
おいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。
2008年の売上は98.4億ドルでした。
さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:リンク
STグループ(英語):リンク

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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