気密性に優れた極細ビア付き8インチガラス基板を販売

光学機器・センサーなどのMEMSのトータルコストダウンにも最適

ドイツの特殊ガラスメーカー、ショットAG(本社:ドイツ・マインツ市、ウド・ウンゲホイヤー会長) とNECとの合弁会社、NEC SCHOTT コンポーネンツ株式会社(本社:滋賀県甲賀市、ラウパッハ‐スミヤ ヨーク社長)は、自動車やデジタルカメラ、RFデバイス等の部品に使用されるMEMS(Micro Electro Mechanical System) パッケージング設計の高集積と小型化を可能にし、優れた気密性能と電気絶縁性を持った8インチの「極細貫通電極(ビア)付きガラス基板SCHOTT HermeS TM (ショット ハーメス)」を現在、開発中、2010年からの販売を予定しています。4インチ、6インチのウエハの販売は2008年から日本で開始しています。

従来、繊細な電気機械部品を気密封止して環境の影響から保護しながら、同時にそれらの部品への電気信号の入出力を効率よく行い、さらにデバイスの小型化を可能にすることは大変困難でした。
当製品は他社の「ビア付きガラス基板」に比べ3桁以上の高い気密性を持ち、外部からの微細な異物や水分・酸素などの侵入・付着を防ぎ、ウエハ・レベル・パッケージ (WLP)が可能な、従来の個別の気密パッケージに代わる製品です。
また、当製品は従来のビア付きガラス基板に比べてより小径のビアを有するため、微細ピッチ化が可能で、各種センサーなどの電子デバイスに適用した場合、デバイスの面積で半分以下、高さで約3分の2以下の小型・薄型化が期待できます。
当製品は無色透明で高品質のガラスで構成されているため、通信やイメージセンサー、液晶デバイス等の光デバイスへの使用に最適です。金属パッケージでは不可能である、パッケージングの後のデバイス内部の目視検査や、レーザを使っての調整も可能です。

従来の気密パッケージではしばしば、基板上の配線の一部がキャップの封止材で覆われるため、その部分の封止が難しく、気密性が損なわれるという問題がありました。当製品は NEC  SCHOTT   コンポーネンツで長年培われた、高温で金属をガラスに接着・貫入する技術(GTMS技術)の応用で、薄板ガラス基板中に多数の耐熱性金属電極が埋め込まれています。この技術により、封止の信頼性が更に向上し、デバイス全体で極めて高い気密性を保つことが可能です。また基板全体は絶縁性に優れたガラスを使用しているため、TSV(Through Silicon Via)等のシリコン基板使用品に比べて、高い信頼性と優れた高周波応用に最適な電気特性を有しています。

現在、デジタルカメラ、ノート型パソコンなどに使用されているセンサー、スイッチ、アクチュエーターなどのデバイスに幅広く採用されているデバイスは、シリコンなどのウエハから一旦ダイサーなどで個々の素子が切り離され、個々のパッケージ内に移送され、封止されます。パッケージングは個別に行われるので、コストが高くつく要因となっており、デバイス製造コストの約半分がパッケージングにかかるケースもありました。
当製品は極細ビア付きガラス基板を用いて半導体ウエハとガラス基板をそのまま接合し、最後に個々に切断するので、パッケージングコストの大幅な低減が可能です。

当製品はショットAGの生産する低アルカリホウケイ酸ガラス「テンパックスフロート」を使用しており平均熱膨張係数がシリコンに近いため、シリコンウエハとの接合後の歪が小さく、デバイスに悪影響を及ぼしません。「テンパックスフロート」は孔あきガラスなどとして既にMEMSデバイスにも広く使用されています。 

このプレスリリースの付帯情報

SCHOTT HermeS TM (ショット ハーメス)

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