108Mbps無線機によるモバイルブロードバンド通信を実証 新パラダイム(PDMA)の採用により、ハンドオーバ時のパケットロスを解消

Interop Tokyo 2005 (6/8-10)にて公開

 ルート株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:真野 浩)は、
産学官共同で推進するSIMPLE プロジェクト(リンク
project.org/)において、慶應義塾大学、東京大学、東京工業大学、
独立行政法人 情報通信研究機構らとともに、走行中の車両とイン
ターネットを5GHz帯、108Mbpsの実験局により、常時ブロードバン
ド接続するシステムの実証実験に成功しました。

 このシステムは、インターネットに接続された5GHz無線LAN局を
道路沿いの電柱に設置し、車両に搭載されたモバイルルータとの間
でIP接続することにより、移動車両において常時インターネットブ
ロードバンド接続が可能となるものです。

 さらに、接続認証やセキュリティ保護といった、一般に移動体通
信に求められる要件も網羅されており、ITU-R勧告で示された第四世
代移動体通信の目指す100Mbps相当の移動体通信が、今日の技術で既
に実用可能領域にあることを示すものです。

 ルート株式会社では、従来無線LANとモバイルIP技術を利用した同
様のシステムを開発、販売しておりますが、今回は以下のような技術
改良を加えることで、途切れないモバイルブロードバンド通信を実現
するとともに、VoIPによる音声通信でも支障がないことが確認されま
した。なお、今回の技術改良は、各プロジェクト参加機関のプロトコ
ル研究の成果および情報通信研究機構のテストベッドを活用して行わ
れました。 ルート株式会社は、実験基地局の開発、実験局免許の取得、
車載局の開発、高速ハンドオーバープロトコルの実装などを担当しま
した。

■主な技術革新
108Mbps実験局、802.11a Turboモードにより最大108Mbpsの通信速度を
達成。
PDMAの採用により、Make before Breakを実現し、基地局切り替え時の
パケット損失を解消。(従来のような無線子局を複数使うことは不要と
なりました。)

■実証実験によって確認されたアプリケーション
・車両から固定ネットワークに対してDVTSによる高画質映像の送信
・固定ネットワークから車両に対してDVTSによる高画質映像の送信
・車両内からインターネットへのブロードバンド接続
(WEBアクセス、画像配信、メイル送受、データ伝送等)
・インターネット電話による車両とインターネットユーザとの音声通信

■システム構成
下記URLよりダウンロードの上、ご参照頂きますようお願いします。(4.8MB)
リンク

・無線局 5GHz 実験局、108Mbps OFDM、28mW 36MHz帯域幅
・認証サーバ、ホームエージェントサーバは、NICT横須賀無線通信研究センター
に設置
・JGNⅡによりインターネットへ接続

 ルートでは、このシステムを2005年6月8日(水)~10日(金)に開催される
Interop Tokyo 2005(リンク)に出展するとともに、新しい移
動体通信システムとして製品化を進めます。


■共同実験参加機関
慶應義塾大学理工学部 寺岡研究室、
東京大学大学院情報理工学系研究科/新領域創成科学研究科 青山・森川研究室、
東京工業大学情報理工学研究科 太田研究室、
独立行政法人 情報通信研究機構 情報通信部門 無線通信部門、
ルート株式会社

■実験の様子
実験の映像は、Interop Tokyo 2005 (6/8-10開催、ブース:5C01)にて展示する
と共に、弊社ホームページ(リンク)でも公開予定です。



<本件に関するお問い合わせ>
ルート株式会社 事業推進部
E-mail:sales@root-hq.com
〒113-0024 東京都文京区西片1-17-8 KSビル2F
TEL:03-5840-7601/FAX:03-5840-7607
URL:リンク

用語解説

SIMPLE (Smart Internet Mobile Project with Layered Effects)
 産官学の有志により構成される研究グループで、パケット交換技術、
階層設計技術により、柔軟性の高い高速移動無線通信システムの開発、
テストベッドの構築、標準化を行う研究プロジェクトです。
URL:リンク

DVTS (Digital Video Transport System)
 DV (Digital Video)の配信を、IPネットワークを介して行なうため
のアプリケーションです。市販のDVDで取り扱われる高品質な画像伝送
を行います。

PDMA (Packet Division Multiple Access)
 全ての通信がパケット通信であることから、全てのセルで同一周波数
を利用し、パケット単位での多重化を行う方式で、従来の周波数分割セ
ル方式に対し高速通信を実現することが可能であるとともに、スムーズ
なハンドオーバが可能となりました。

Make Before Break
 移動体が複数の基地局と接続することで、基地局から離れて切断する
前に常に新しい基地局との通信が確保される方式。この方式によりセル
切り替え時に通信遮断がなくなり音声などのアプリケーションでも違和
感なく通信が継続できます。

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お問い合わせにつきましては発表元企業までお願いいたします。

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