受賞者は、「LWGコマンドセットの制定活動に貢献したグループ」と「各種CDの普及のための団体活動に貢献したグループ」の2グループに決定
「中島平太郎賞」は、日本で初めて音のデジタル化に成功した「CDの父」である同氏の名にちなみ、CDメディアの開発研究から普及促進まで、社会的に貢献された個人、企業、団体などを対象に、その活動や業績に対し敬意を表し、年に一度、賞を授与するものとして2003年に設定された。対象期間は、各年度(4月1日から翌年の3月末まで)を原則とし、選考対象は、CDs21ソリュ-ションズ会員に限らず、産業界全体を対象にしている。
第3回となる2005年度の受賞者は、「LWGコマンドセットの制定活動に貢献したグループ」として高橋正悦氏(株式会社リコー)とそのグループと「各種CDの普及ための団体活動に貢献したグループ」として井橋孝夫氏(株式会社スタート・ラボ)、熊谷實氏(元日本フィリップス株式会社)、デビット・バンゼル氏(米国OSTA代表)の各氏が選ばれた。
受賞理由については、次のとおり。「LWGコマンドセットの制定活動に貢献したグループ」は、パソコンと、 CD-R/RWドライブの命令のやり取りであるコマンドセットを、TWG3内のアドホックチームとして検討し、ANSIの規格であるMMC(マルチメディアコマンドセット)に上程して制定した。
これにより、パソコン側からは、ドライブの機種、メーカーが異なっても、同じ命令を出すことが出来るようになり、PC分野でのCD-R/RWの普及に大きな役割を果たした。この活動は、その後の記録型DVDなどのコマンドセットの検討における日本企業の貢献にも引き継がれている。
一方、「各種CDの普及のための団体活動に貢献したグループ」についての受賞理由は次のとおりである。CDメディア普及の背景としては、様々なメーカー側の活動や努力もさることながら、各種の普及啓蒙団体の活動も欠かせない存在であった。特に、CD-Iコンソシアム、マルチメディアCDコンソシアム、オレンジフォーラム、CDs21ソリューションズ、OSTA※1の各団体の各種活動は評価に値するものである。その団体の活動においてのリーダー的な推進役として、井橋・熊谷両氏の功績を評価して、授与するものである。また、一方、OSTAは同じく米国の普及団体として、書き込み可能な光ディスクストレージの需要拡大を目標としてUDFやMPVといった技術提案を積極的に行うことで、Optical Storageビジネスの発展に大きく貢献した。
なお、特別賞は該当者無しであった。
任意団体「CDs21(シーディーズニジュウイチ)ソリューションズ」は、2001年4月に旧マルチメディアCDコンソシアムと旧オレンジフォーラムがコラボレーションして誕生した、CD関連業界間を複合横断的に網羅したグローバルな団体である。
各種CD規格に準拠したメディア(ディスク)、ハードウェア、ソフトウェア製品、コンテンツ制作などを含む応用製品群の互換性向上への取り組み、および関連サービスなどの普及促進を図り、関連業界並びにユーザに寄与することを目的に活動している。
現在、参加企業数は60社(国内45社、海外15社 注:2004年度会員数)で構成されている。
お問い合わせ/会員申込先
CDs21 ソリューションズ 事務局
〒141-0001
東京都品川区北品川6-7-35ソニー㈱本社内
TEL,FAX: 03-5448-1550
担当:鳥山
このリリースに関するお問い合わせ先
㈱ニュ-ロン
〒160-0004
東京都新宿区四谷4-3-1 ワールド四谷ビル8F
担当:神山/高橋
TEL: 03-5919-0543/ FAX: 03-5919-0542
【参考】
※1:OSTA
Optical Storage Technology Association(OSTA)
米国にある、光ディスクに関する技術的な使用を提案する業界団体。OSTA自身は標準化を行わず、ISO/IECやECMAなどの標準化団体に技術仕様を提案している。
DVDやCD-RWに採用されたUDFファイルシステムのUDFは、OSTAによって提案された。(リンク IT用語辞典より)
詳しくは、リンクを参照。
<「中島平太郎賞」の内容>
実施:年1回の表彰
対象期間:各年度(4月1日から翌年の3月末まで)を原則とする。
選考委員会:CDs21ソリューションズ会員より各分野(メディア、ドライブ、オーサリング、コンテンツ制作、販売、プロモーション等)の代表が1名ずつ参加。
応募方法:CDs21ソリューションズ会員又は会員以外でも、会員の推薦により書式書類選考委員会へ提出。
表彰式:CDs21ソリューションズ総会にて表彰、賞の授与を行う。
賞の内容:①「中島平太郎賞」②「中島平太郎賞特別賞」
※その他各賞については、必要があれば後段にて設定提案されている選考委員会に裁量権をあたえ、別の賞を設定する。
※選考委員会判断による。「該当者無し」もありうる。
<中島平太郎プロフィール>
1921年(大正10年) 福岡県久留米市に生まれる。
1944年(昭和19年) 東京工業大学電気工学科卒業後、九州大学大学院特別研究生として音響学を学ぶ。工学博士。
1947年(昭和22年) 日本放送協会(NHK)入局。熊本中央放送局を振り出しに、技術研究所(東京・世田谷・砧)で音響研究部門を歩く。
1965年(昭和40年) 音響研究部長、1968年(昭和43年)放送科学基礎研究所所長。
1964年(昭和39年) 東京オリンピックにおける音響システムの責任者を担当
(詳細は、著書「次世代オーディオに挑む」)
1971年(昭和46年) 当時のソニー社長、井深大氏に声をかけられ入社。ソニーの音の基礎を築く。
常務取締役技術研究所所長、音響事業部長、デジタルオーディオ部長などを歴任。
1981年(昭和56年) 日本音響学会会長、DAT懇談会会長
1983年(昭和58年) アイワに転じ社長に就任。
1989年(平成元年)スタート・ラボを設立し社長に就任。
1992年(平成4年) 社団法人日本オーディオ協会会長、オレンジフォーラム会長に就任。
1993年(平成5年) CD開発の功績により紫綬褒章を受章。
2001年(平成13年) オレンジフォーラムが発展的に改組された、任意団体CDs21ソリューションズ会長に就任。
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