Best Buyの広報担当者は米国時間1月6日、Napster音楽サービスの経営陣が多すぎると考え、Napsterの最高経営責任者(CEO)職と社長職を廃止することにしたと述べた。
Chris Gorog氏は企業ブログで、CEOを辞任すると発表した。ウェブ音楽サービスNapsterが競合チェーンのBest Buyに買収されたのは、約15カ月前のことである。前出の広報担当者は、Napsterの社長であるBrad Duea氏も離職すると述べ、Best Buyは「Napsterの経営構造を合理化したいと考えている」と述べた。
Napsterの最高執行責任者(COO)であるChristopher Allen氏が、Napsterのゼネラルマネージャーに任命されており、同サイトを運営する予定である。
「Napsterの合法化という、シンプルな概念とともに運営を開始した」とGorog氏は記している。「そしてその夢を完璧なものにするために、およそ10年間を費やしてきた」(Gorog氏ブログ)
その夢にユーザーを増やして大きな収益を上げるという要素が含まれていたと仮定すれば、その夢は大部分において破れたといえる。Napsterは当初、まだティーンエイジャーであったShawn Fanning氏が、ファイル共有サービスの先駆けとして開始し、誰もが違法な音楽をダウンロードできるようにした。その後Napsterという名称を買収した人々は、このブランド名による収益化を狙い、これを完全に合法なサブスクリプションサービスへと変えた。
控えめに言っても、これまでの間に得られた結果は良いものばかりではなかった。Napsterの人気は急落し、多くの競合サイトの影に埋もれることとなった。
加えて、一般的にサブスクリプションサービスは、音楽ファンを取り込むことができなかった。音楽をレンタルするという概念が人々に受け入れられなかったことが、主な原因であるとされている。多くのサブスクリプションサービスと同様、Napsterに登録しても、一旦支払いをやめてしまうと自分の音楽にアクセスできなくなる。将来的には自身の企業の設立を計画しているGorog氏は投稿の中で、Napsterのビジネスモデルを擁護した。
「音楽を『レンタル』する点に対し、しばしば批判を受けた」と同氏は記している。「しかしわれわれは、デジタル音楽に対する優れたアプローチを採用していると当時考えていたし、今でもそう強く信じている。少額の月額料金ですべてにアクセスできるというのに、なぜダウンロードを購入するのか?」(Gorog氏)
「今後10年で、デジタル時代におけるエンターテインメントコンテンツを『所有する』という概念がすたれるだろうと私は信じている」と同氏は続けている。「公正な料金を支払ってすべてにアクセスするという形式に置き換わるだろう。自分が望むすべての音楽、映画、ゲームにアクセスできるようになる」(Gorog氏)
確かに、有料サブスクリプションサービスを音楽ファンにより適したものとするための新しいアイデアを探し求めている人々が、音楽業界には数多く存在する。
CNET Japan編集部からのお詫び:
本記事第5段落において当初、「その後Napsterという名称を買収した人々は、このブランド名によって金銭を儲けようとし、これを完全に違法なサブスクリプションサービスへと改造した。」としていましたが、こちらは誤訳でした。正しくは「その後Napsterという名称を買収した人々は、このブランド名による収益化を狙い、これを完全に合法なサブスクリプションサービスへと変えた。」です。関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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