聴く音楽によって『HA-FXC71』と『HA-FXC51』を使い分けるのもアリ

 試聴して感じられた特長は、『HA-FXC71』ではジャンルの得意不得意がなく、どんなソースでも鮮明かつバランスが良く、ポテンシャルを最大限に引き出しているところ。音質の傾向としてもフラットで、制作者の意図する音を忠実に再現しようとする姿勢がうかがえる。一方、『HA-FXC51』は元気よく、躍動感のある音を得意にしているように感じられた。高域と低域にボリュームゾーンがあり、全体を持ち上げるようなパワフルな鳴りが魅力だ。自分がよく聴くジャンルの音を考慮して選ぶのはもちろん、聴く音楽によって『HA-FXC71』と『HA-FXC51』を使い分けるのも大いにアリだということを試聴しながら感じた。

「HA-FXC71」(写真左側)は、不得意ジャンルがなく、「HA-FXC51」(写真右側)は各同巻のある音が得意な印象。「HA-FXC71」(写真左側)は、不得意ジャンルがなく、「HA-FXC51」(写真右側)は躍動感のある音が得意な印象。

「トップマウント構造」とラバーパッドで装着感も快適

 最後に装着感に関しても触れておきたい。個人的に耳のかたちが悪いのか、インナーイヤータイプを試聴する際は何度もイヤーピースを取っ替え引っ替えして、時には右と左のサイズが違うものを使用して、ようやくおさまるというようなことが多いのだが、『HA-FXC71』と『HA-FXC51』は一発でピタっと装着できたのにはびっくりした。「トップマウント構造」によって耳の奥深くに音筒部が入り込んで定着することには理解できるが、それだけではないだろうと見回してみたら、ラバーパッドに秘密が隠されていた。このラバーパッドが耳にしっかりとくっついていることでズレを抑えて、耳から外れることを防止している。素材がラバーなので、長時間使用しても接している箇所が痛くなるということもない。満足するはずと自信を持っておすすめしたいと、もう一度、声を大にして言いたくなるような、まさにあらゆる面で考え抜かれたヘッドホンだ。

耳にすっぽりとおさまるコンパクトなボディ。ラバーパッドが耳にしっかりと接しているので、頭を動かしてもずり落ちることがない。 耳にすっぽりとおさまるコンパクトなボディ。ラバーパッドが耳にしっかりと接しているので、頭を動かしてもずり落ちることがない。
イヤーパッドはS、M、Lの3種類が付いてくる。耳に触れる部分はラバーコーティングされているので、なじみが良く、長時間の使用も疲れない。 イヤーパッドはS、M、Lの3種類が付いてくる。耳に触れる部分はラバーコーティングされているので、なじみが良く、長時間の使用も疲れない。
製品スペック紹介
HA-FXC71

再生周波数帯域:8Hz〜25,000Hz
質量:6.2g(コード含まず)
コード:1.2m(Y型)、φ3.5mm 24金メッキステレオミニプラグ付
付属品:シリコンイヤーピースS、M、L 各2個、 コードキーパー、クリップ、キャリングポーチ

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HA-FXC51

再生周波数帯域:10Hz〜24,000Hz
質量:4.4g(コード含まず)
コード:1.2m(Y型)、φ3.5mm 24金メッキステレオミニプラグ付
付属品:シリコンイヤーピースS、M、L 各2個、 コードキーパー、クリップ、キャリングポーチ

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著者プロフィール
油納将志

洋楽を中心に執筆している音楽ライター。音を聴くという仕事柄、ヘッドホンをはじめとするオーディオ機器にも関心が深く、デジタルグッズ系雑誌でオーディオに関する記事も書いている。

提供:日本ビクター株式会社
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