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モバイル・セキュリティを再考せよ ~コンシューマIT時代に求められるスマートデバイス管理とは~

スマートデバイスに対応したポリシー整備が急務


トレンドマイクロマーケティング本部
エンタープライズマーケティング部
坂本健太郎氏

坂本: 当社のようなセキュリティベンダーはシャドーITをはじめとする、さまざまなセキュリティリスクを懸念していますが、まず業務の効率化等の経営の観点からBYODも含めスマートデバイスは最大限利用していただきたいと考えています。ただ利用においてはリスクも合わせて認識してほしいと考えています。

舘野: せっかくのスマートデバイスなので、その良さを生かした業務の仕方に変えたいというニーズは間違いなくあります。シャドーITの問題を踏まえ、モバイル・セキュリティはどうあるべきかと考えたときに、「デバイスそのものを安全に保つ」「デバイスを安全に活用する」という2つの側面でセキュリティを考える必要があります。

 PCはアプリケーションをインストールしてはじめて特定の機能を使うことができるようになりますが、スマートデバイスには、もともとカメラや録音、通話、GPSのような、スタンドアローンの多岐にわたる機能が内蔵されています。例えば、会議中のホワイトボードをカメラで撮影するだけでも、立派な情報記録ツールになります。その上にさらにアプリをインストールして、機能を拡張することができ、3G回線やWi-Fi、Bluetoothといったネットワークへの常時接続も前提になっています。

 企業が本気でスマートデバイスを活用しようと考えると、従業員からは「業務にカメラを使いたい」「GPSで位置情報を報告書に記録したい」そういう要望はいくらでも出てきます。単に既存のポリシーを見直すだけでなく、最大限使いこなした時に起きるであろうリスクを、ゼロから考えてポリシーに反映させていくことが肝要だと考えています。セキュリティ・ポリシーが固まれば、そこではじめてMDM(モバイルデバイス管理)のようなセキュリティ製品・サービスによる技術的な管理インフラの効果が出てくるでしょう。リモートロック・ワイプやパスワードの強制といった機能を持っているMDMは、ポリシーの実効性を持たせる管理インフラとしては最初に検討すべきツールです。

持続的な安全性確保には管理インフラの投資が不可欠

坂本: MDMの製品やサービスは続々と登場していて、弊社で調べたところ、2011年末時点で、MDMにカテゴライズされる製品を販売しているメーカーは国内で30社以上、グローバルでは100社以上あり、非常に市場でも注目されているのがわかります。ただ、「MDM」という言葉がソフトウェア製品、サービスとして広がっていきすぎたことに懸念しています。言葉は知っていても、製品・サービスの導入がいまだに低いのは、CIOやIT部門長は漠然とツールの名前を知ってはいるものの、なぜそれが必要なのかという認識がないせいだと思っています。さらにいうと、スマートデバイス自体の利用用途についても、まだ漠然としている状況であると感じています。

舘野: 国内企業に限っていうと、私も思った以上にMDMの導入に消極的だなという印象を受けています。製品の濫立によってMDMの価値がわかりにくくなっていることもありますし、先ほど申し上げたように「モバイル・セキュリティはまだ当分先の話」と考える方が多いこともあるでしょう。そもそも、国内企業は人手による管理を重視していてセキュリティ製品・サービスへの投資意欲が必ずしも高くありませんから。もう一つの理由は、シャドーITのようなセキュリティ上の問題がまだ顕在化していないということもあげられます。これから一人が何台もの異なるデバイスを所有する、マルチデバイス化が進むことは確実です。いずれ、数百台、数千台を超えると、当然MDMのような技術的管理インフラなしでは持続的に安全を担保することが難しくなります。

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