2つの端末を並べた場合、表面的なデザインとサイズはほぼ同じだ。液晶下部には、ホーム、戻る、電話起動、終了の4つのボタンと丸い決定ボタンが配されている。決定ボタン部以外は1枚のボードになっているが、これが上下左右の移動ボタンも兼ねた構造だ。サイドにはスリープボタンを兼ねた電源ボタンと、音量調整ボタンが配されている。
「HTC Touch Diamond」にはキーボードがないが、シンプルながら必要最低限のボタンをハードウェアキーにしたことで、使っていて迷うことは少ない。電話をかける、文字を入力するというシーンでは画面に大きくパッドが表示されるから困ることもないはずだ。
重量的には他のWindowsケータイよりは軽いのだが、持ってみると意外に重く感じる。小さい割にみっしりと詰まった感触で、安っぽさや頼りなさは感じない。
印象的なのは、全体的にシャープなスタイルであることだろう。角張ったシルエットであるのに加えて、キャリアにもよるが、標準端末では背面にも直線的なカッティングが施されており、いかにもダイヤモンド、という雰囲気に仕上げられている。ピアノブラックなツヤ仕上げも美しく、簡単に握り込める大きさと軽さは従来のWindowsケータイにはないものだ。
より携帯電話に近い、片手でさっと操作する手法を追求するならば「HTC Touch Diamond」がぴったりだ。
「HTC Touch Diamond」と並べて横から見ると、キーボードの分だけ「HTC Touch Pro」の方が厚い。感覚的に倍弱の厚さだが、重量的にはそれほどの差を感じず、電話として使うのに無理のない大きさと重さだ。キーボードもスライドに遊びが少なく、がたつきがないのは好印象だ。大きな端末よりも「しっかり感」は強いかもしれない。
2機種を比較した時の最大の差はキーボードだ。端末が小さいだけにキーピッチも小さく、最初は驚くかもしれないが指の腹というよりは爪で押すようにすると、比較的使いやすい。キー配列もパソコンに近く、仕事の資料づくりやメール、ブログ更新等で長い文章を書くユーザーにはぴったりだ。
キーボード利用時には、画面も自動的に横表示になる。文字入力されないアプリケーション等の場合には、横向き専用メニューが表示される。このメニューには、メール、ブラウザを起動してのWeb検索といった、キーボードを利用して多くの文字を入力するような機能ばかりが配置されている。使いたい機能にすぐにアクセスできる便利なランチャーになっているのだ。スリープ時にキーボードを引き出した場合には、自動的にバックライトが点灯しこのメニューが表示される。
また、ちょっとした便利機能として、メニュー表示状態でいきなり文字を入力すると電話帳検索が実施される。連絡先リストを表示して探すよりも手軽で、メール作成時にも素早く宛先を選択できる。