楽天が自社でサービスを開発していることを知っていましたか?
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2007年09月25日 〜 2007年11月19日
――研究からサービスへ、という意識が重要なのですね。
加えて、私たちが最も作りたいのは、他社との強力な差別化を実現できる圧倒的な技術。その実現には「どういう技術が今後必要か」を考え、既存技術の追従だけでなく「その技術よりも優れた技術を作る」という意識が必要だと思います。イノベーションには強い意志が要るのです。
そうしたイノベーションを目指すに当たり、現在、作らなければならない技術は大きく3つ。ひとつ目は「言語処理の技術」。ふたつ目は「メタデータをマルチメディアから生成していく技術」。そして最後が「大量のデータを処理するための技術」です。この3つはインターネットサービスを提供する企業は自社で持つべき技術だと考えています。
現在、Webの中心としては「検索エンジンサービス」と、メールやチャットなどの「コミュニケーションサービス」が分かりやすいところですね。どちらも根幹は言語処理です。マルチメディアも結局はテキストに関連付けないとWebに掲載できないので、メタデータの生成も重要です。
――初めに言語あり、なのですね。
なぜ言語処理が重要なのか。インターネットがハイパーリンクの集合から、Web 2.0になった理由を想像してください。参加しているユーザーや蓄積されたデータが「ネットワーク外部性」を持ってきたことがその理由だと考えています。Webのテクノロジーが社会の知識の蓄積と、社会的な意見の合意形成の場になってきたのでしょう。
これは、CGM(※)がマルチメディア系にも派生してきたこと、そしてモバイルからの接続が容易になったことなどがあります。モバイルのSNSなど、PCから解放されたコミュニケーションは大きいですね。それに加え、センサやRFID(※)といった、独立していたネットワークのシステムがWebとリンクすることで、ますます発展すると思います。例えば、都内各所にあるセンサにより現在の降雨状況が分かる「東京アメッシュ」というサイトがいい例ですね。
センサに関しては、まだ楽天のビジネスモデルからは遠いので将来的な話になりますが、さまざまなセンサがWebに接続されることで、現在よりも膨大なデータがWeb上に存在することになります。このような “情報爆発” の時代になったら、現在の技術では対応できないでしょう。新しい大量データ処理のための技術が必要になると思います。
言語処理以外の分野ではさまざまな機関と共同研究を進めていますが、根幹技術であるこの技術に関しては自分たちで研究中です。年内には形にして、どのようにサービスへつなげていくかを着々と進めています。
――サービスへの展開はどのようなアプローチをとられているのでしょうか。
楽天とインターネットサービス関連の他社との決定的な違いは、楽天は多様な店舗様とつながっている点です。つまり、データのバリエーションが極めて多種多様なため、言語処理的なアプローチが求められるということです。言い換えるならば、大量のテキストを入れたら、数値的に解析されたデータが出てくるエンジンが必要ということです。単純な商品検索だけでなく、サービスの中にはブログもありますし、商品レビューもあります。こういったものを横断的に処理できるエンジンでなければならないのです。
大規模データの処理に関しても、「Ruby」開発者のまつもとゆきひろ氏(※)をフェローとしてお迎えし、研究しています。まつもと氏の豊富な知識や経験を活かしてもらえると思います。現在は構想をまとめている段階で、2007年中にはプロトタイピングを開始して、具体的な研究へと進めていこうと思っています。
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