ScanSnapで取り込んだ書類データは、クラウドサービスに転送することで、ネットを介してiPadやiPhoneから参照できるようになる。例えばオンライン記録ツール「Evernote」の場合、ScanSnapでの読み取り後にEvernoteのクライアントソフトが自動起動するよう指定しておけば、わざわざファイルを手動でコピーする手間もなく、スキャンしたデータがすぐにiPadやiPhoneで見られるようになる。うっかりデータのコピーをし忘れ、外出先で参照できないといったミスも防げるというわけだ。
データ同期サービス「Dropbox」や「SugarSync」でも要領は同じ。ScanSnapで取り込んだ書類データが、それぞれのサービスの同期先フォルダに保存されるよう設定しておけば、保存完了と同時にデータの同期が行われ、iPadやiPhoneから手軽に呼び出せるようになる。複数のPCで同期する設定にしておけば、社内会議における資料配布の手間も軽減できるなど、情報共有においても効率化が図れる。
ScanSnapの活用方法としてもうひとつおすすめなのが、名刺データの共有だ。取引先の名刺の情報はビジネスシーンにおいて大切な財産。効率的な管理と共有を心掛けることで、新たなビジネスチャンスの創出につながる。
ScanSnapに標準添付されるアプリ「名刺ファイリングOCR」を使えば、大量の名刺を取り込んでデータ化することができる。画像データとして取り込むので名刺のイメージそのままで閲覧できることに加え、名刺に書かれた情報をOCRでテキストデータに変換すれば、社名や担当者名、電話番号などのキーワードで検索したり、ソートが行えるようになる。紙のままでは絶対に不可能な名刺管理のワザだ。
さらにこれらのデータをスマートフォンに書き出して持ち出せば、名刺探しにかかる無駄な時間を省き、ビジネスの効率化に大いに貢献する。もちろん、部内での名刺データの共有管理もお手のものだ。
iPhoneであれば、名刺ファイリングOCRから出力したデータを名刺管理・閲覧アプリ「BCHolder」にインポートすることで、外出先で手軽に名刺データを参照できるようになる。OCRによってテキスト化されたデータはもちろん、名刺のイメージデータそのものも転送できるので、名刺交換の際に手書きしたメモの内容もそのまま参照できるのは大きな強みだといえる。個人の名刺データはもちろん、お気に入りの飲食店やショップのカードをスキャンして持ち運ぶなど、応用範囲は無限大だ。
「名刺ファイリングOCR」から出力した名刺データを名刺管理・閲覧アプリ「BCHolder」で表示したところ。OCRによってテキストデータ化した社名や担当者名、電話番号などのキーワードを用いてのソートや絞込みも自在。名刺のイメージデータそのものも転送できるので、名刺交換の際に手書きしたメモの内容もそのまま参照することが可能だ
iPadやiPhoneといったデバイスも、そしてEvernoteなどのクラウドサービスも、スタンドアロンな状態ではそのメリットをフルに発揮できない。これらのデバイスやサービスを有機的に結びつけ、相乗効果をもたらすScanSnapは、効率的なデジタルライフの必需品となりつつある。デジタルを活用した情報共有に注目が集まる昨今、ScanSnapを使ったデータ活用術は、ますますその重要性を増してくることだろう。
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