一元管理可能なSaaS型セキュリティ--Panda Security

SaaSやクラウドによるセキュリティソリューションが次々に発表されているが、Panda Securityは2年前から「Collective Intelligence」としてSaaS型のソリューションを提供している。そこで、同社のCEOであるJuan Santana（ホアン・サンタナ）氏に、同社の製品コンセプトやそれを支えるさまざまな技術、さらにセキュリティの動向などをうかがった。

ヨーロッパを中心に18年の実績をもつPanda Security

Juan Santana
CEO
Panda Security, S.L.
（日本法人　PS Japan 株式会社 取締役）

――まず、Panda Securityについて教えて下さい。

Santana氏：　Panda Securityは1990年に設立され、今年で18年目を迎えます。本社はスペインのマドリッドおよびビルバオです。また、米国、ドイツ、ベネルクス（ベルギー、オランダ、ルクセンブルク）、フランス、オーストリア、日本に拠点があるほか、50カ国にローカルオフィスを持ち、合わせて200カ国のお客様に販売しています。

　特に中米・南米では、19の国すべてに拠点を置いて展開しています。多数の拠点を置くことで、より広い地域でお客様をサポートすることを可能にしています。わたしたちはお客様の声を大切にしていますので、こうした展開を重視しているのです。

　当社の製品は主にSOHOやSMB（中小規模企業）、個人を対象にしており、ご利用いただいているコンシューマは約210万名、企業数は約14万社にのぼります。また、無償で提供している体験版の利用者は400万から500万名おり、より強固なセキュリティを提供するためにフィードバックをいただいています。

最先端のテクノロジーで業界をリードし続ける

――Panda Securityの強みについて教えて下さい。

Santana氏：　Panda Securityの製品は、常に世界最先端のテクノロジーによって支えられています。当社は、他社よりも高い技術力を維持し続ける戦略で、成長を続けてきました。

　たとえば、ユーザーをプロアクティブに保護する技術は、他社に先駆けて2004年に製品化しています。他社が製品化したのは2007年ころですので、3年近いアドバンテージがあることになります。これによる製品の安定性、成熟性は大きな強みであるといえます。また、お客様からのフィードバックも早期からいただいていますので、ユーザーニーズを正確に把握していることも強みですね。これは当社製品の管理画面や、ユーザービリティ向上に反映されています。

　製品における強みは次の2点に集約されます。

• (1)　脅威に対して素早く対処できること
• (2)　ユーザーのパソコンの動作を遅くしないこと

　すばやい対応については、Panda Securityのラボでは、毎日約2万5千ものマルウェアのサンプルをさまざまなソースから収集していますが、サンプルの解析は複数のサーバで99％自動処理しています。実際に人の手によって解析されるサンプルは1％しかありません。

　自動処理では、Panda Securityラボのナレッジベースと複数の解析技術が大きく関与しています。これらのシステムも2年前にすでに完成しているものなのです。Panda Securityでは、これらの技術をコンシューマ向け製品に既に搭載しています。クライアントのパソコンのチェックも、定期的にパソコンの深いところまで徹底的に調べます。それでもユーザーのパソコンの動作に影響を与えないこともPanda Securityが培ってきた技術によって実現しています。