持続可能な社会へNTTドコモのこだわり―DNAで受け継がれてきた「つながる」ことへの信念
自分と家族の安心・安全を支える2つのサービス
このような通信ライフライン維持への施策が行われる一方で、広域災害が発生した場合、一斉に安否確認のための通話が行われることから、被災地全域で輻輳(一斉通話により交換機等が規制される状態)が発生するといった課題がある。そのような事態に備え、ドコモでは「iモード災害用伝言板サービス」を提供している。
iモード災害用伝言板サービスは、文字による安否情報を登録・確認できるサービスだ。被災地周辺の人が自身の安否情報を登録することで、ドコモの携帯電話だけではなく、他社の携帯電話やパソコンなどからも安否の確認ができる。同様のサービスを携帯電話各社も開始しているが、ドコモでは機能改善を進め、登録した安否情報を通知する相手を最大5人まで事前に登録できるほかに、ファミリー割引のグループ内には事前登録なしで安否情報を通知できるようにしている。また、安否が確認できない場合に、相手に登録を促す「登録お願いメール」を出すことも可能としている。
2008年6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震の時には、登録・確認合わせて約7万件もの利用があり、家族や友人の安否確認に役立てられている。
他にも災害時に役立つサービスとして、気象庁が提供する緊急地震速報等を該当地域の利用者に提供する「エリアメール」がある。エリアメールは、回線混雑の影響を受けずに受信することができ、被災の恐れのあるエリアに一斉配信され、受信時にはポップアップ表示や専用の警告音で知らせてくれるので、災害などの情報をすばやくキャッチできる。
他の携帯電話会社も緊急地震速報を提供する体制を整えつつあるが、ドコモではそれに加え、各自治体が提供する災害・避難情報を配信できるようにしており、避難情報などを、地域の加入者に文字情報で一斉同報することができる。自治体の防災担当者が自宅のパソコンからでも情報を発信できるため、速報性が高い情報源となるのである。
現在、東京都三鷹市と足立区、埼玉県飯能市と深谷市、栃木県那須烏山市、鹿児島県宇検村、沖縄県那覇市で既に導入され、今後利用する自治体が増えていくと見られる。
移動通信事業者から社会インフラ事業者へ
携帯電話を選ぶ際、我々はデザインやサービスの華やかさに目を奪われがちだが、普段つながるのはもちろんのこと、もしもの時にもつながるということも重要であろう。
現在、ドコモのFOMAのエリアは日本全国に広がっているため、災害や事故が発生した場合に速やかに復旧させる体制を構築・維持することは容易ではないが、それに本気で取り組むか否かによって、単なる移動通信事業者ではない社会インフラ事業者としての存在価値が決まるといっても過言ではない。とはいえ、なぜドコモはそこまでつながることにこだわるのか。
「それは、ドコモの創業当初から少しずつ培ってきた文化なのです。当社の企業市民としての責務、あるいは社会に向けた約束ともいえるでしょう」と答える伊藤氏は、今後も「いつでも」つながる通信ネットワークづくりやエリアメールの有効性を広く自治体に訴えていくとともに、iモード災害用伝言板サービスもさらに利用しやすく改良して、一人でも多くの人に安心を提供していきたいと語る。
身近になった携帯電話というサービスの本当の価値とは何かを常に自問してきたドコモは、企業市民として「つながる」ことの先にある持続可能な社会への取り組みにもその考えを色濃く反映させている。その一例が、ネットワーク施設における太陽光発電などの環境エネルギーの採用だ。後編では、ドコモが会社設立直後から連綿とおこなってきた環境配慮型の施設や製品づくり、植林支援活動などの取り組みを紹介する。(2009年3月9日公開予定)
インフォメーション
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