―― クラウドコンピューティングを意識したのは、いつごろからですか?
荒井氏 2年ほど前から、IT市場に対してどのようなサービスを提供できるかと考え始めたことがきっかけです。その中で仮想化や、統合という話が出ました。そこで当社では、CPU、メモリの仮想化とI/Oの仮想化がセットになり、そこにネットワークやプロビジョニングツールも包含してパッケージ化した、今までにない画期的なツールを提供する3teraというベンダーと契約しました。そのコンセプトは、少なくとも2、3年先のコンピューティング環境を予想させるものでした。
ユーザーから見えるのは、自分が使いたいアプリケーションとデータだけです。そこから下のリソースはユーティリティコンピューティングになっていて、自分の使いたいリソースを使い、使っただけ課金されます。ですから、システムをサイジングする必要もなければ、必要な設備を用意する必要もありません。これがクラウドコンピューティングのイメージです。
企業が自社の機密データを預けたり、コンピューティング環境を預けたりすることはまだハードルが高いかもしれません。しかし、時代の流れとしてそういうことがあってもよいと思っています。非常におもしろい流れが来ているのではないでしょうか。
―― インフラやプラットフォームの部分をクラウドコンピューティングと呼び、サービスとは分けて考えているということですね。
荒井氏 はい。お客様の必要なところにクラウドコンピューティングの仕組みを構築していくという方向です。したがって、プラットフォームベースをクラウドコンピューティングと定義しています。