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IBM、「PartnerWorld」プログラムを強化 パートナーのビジネスを全方位で支援(前編)

ビジネスモデルの変化に柔軟に対応

 こうした様々な特典を提供する「PartnerWorld」プログラムだが、パートナーのビジネス拡大のための支援の一環として、2014年7月よりさらに充実され、ポイント付与の条件も大幅に改変された。

 高野氏は、「これまでのプログラムは、販売金額やライセンス/台数でポイントが加算されていた。一方、新たなプログラムでは、販売/営業リソースは少なくても、すばらしい技術を持ったスタートアップ企業や、こうした企業を顧客に持つマネージド・サービス・プロバイダーやリセラーを、資金や技術、情報、マーケティングなどの分野で総合的に支援する内容となっている」と説明する。

 こうした背景には、ビジネス・パートナーのビジネスモデルの変化が挙げられる。  クラウド・プラットフォームの台頭で、ITリソースやビジネス・プロセスは、デジタル・サービスとして提供されるようになった。7月に行ったマネージド・サービス・プロバイダー向けのフォーラムでのJohn Mason氏の講演によると、85%のソフトウェア・ベンダーが「新規ソフトウエアをクラウド向けに構築する」と回答し、72%のデベロッパーが「設計するアプリケーションの一部に、クラウド・サービスやAPI(Application Programming Interface)を組み込んでいる」と報告。さらに、2016年までには、全世界の4分の1のアプリケーションがクラウドで使用可能になるという。

 実際、IBMの既存パートナーも、サーバやソフトウェアパッケージ製品を数多く販売するビジネスモデルから、クラウド・サービスやマネージド・サービスを提供する「サービス・プロバイダー」にシフトしている。パートナーの中には新しいサービスを開発/提供すると同時に、既存の販売ビジネスも継続させ"ハイブリッド"としてビジネスを継続するケースも少なくない。「IBMクラウド上で活発にビジネスを展開し、エコシステムを形成するパートナーも支援することが、拡張ポイントだ」(高野氏)という。


ユーザーのニーズは刻々と変化する。MSPは柔軟に対応する必要に迫られている

「知識と実践ノウハウ」の貴重な情報を提供

 ではどのように拡充されたのか。その内容を見ていこう。

 前述したとおり、今回の拡充では、クラウド上でソリューションやサービスを提供するプロバイダーがPartnerWorldプログラムを利用しやすいようになっている。現在のメンバーシップ・ポイント・カテゴリーに加え、ハードやソフトウエアの販売だけでなく、クラウドで提供されるソリューションやサービスも認定の対象とし、ソリューション登録によりポイントを獲得することができるようになった。

 ビジネス・インパクトのカテゴリーでは、新規顧客への売り上げも評価する。また、過去3年間に売上がない、いわゆる「休眠顧客」または「新規顧客」に対して2万米ドル以上の売上をあげたら、ポイントを進呈するといった「金額ベースでない評価」も取り入れるという。

 「ハードウェア製品売り上げカテゴリー」も簡素化された。Webベースでの顧客満足度調査の結果もポイント換算されるなど、ポイント獲得の仕組み(換算方法)もシンプルになっている。また、顧客重視の姿勢を全面に打ち出し、公開事例によるポイントを2倍にするなど、「パートナーがどれだけ顧客へ価値を提供したか」の判断基準でポイントを加重しているという。「お客様と強固な関係性を持ち、信頼を得ているパートナーが、ポイントを獲得できるようになった」(高野氏)のが大きなポイントだ。

 もう1つ特筆すべきは、新たな認定マーク(テクノロジー・マーク)の追加である。これは、IBMの技術を活用して稼働するパートナーのソリューションに対して認定するもので、ソリューションを登録することで利用可能となる。

 近年IBMは、高い成長が期待できる領域として「CAMS(S):(クラウド/アナリティクス/モバイル/ソーシャル/セキュリティ)」を挙げ、同分野のサービス/ツールを充実させ、新規顧客に対して積極的にアプローチする戦略を展開している。前出のMason氏は、「成功しているマネージド・サービス・プロバイダーは、市場の変化に対応するソリューションを開発し、刻々と変化するユーザーの要求に対応している」と指摘している。新たなマークは、こうした企業がスピード感を持って市場にソリューションを提供する際の"信頼の証"として機能するという。

 もちろん、スキルアップ分野の支援も拡充されている。「PartnerWorld」プログラムでは、新しい教育コンテンツとして「ThinkAcademy」が用意されている。これは、パートナーを対象とした全世界共通の研修プログラムであり、CAMS(S)を包含する「データ」「クラウド」「エンゲージメント」の分野で、パートナーが顧客との対話をする際に活用できる会話ガイドを提供する。新分野の情報を常にキャッチアップすることが難しい場合でも、ThinkAcademyを活用することで、効率よくスキルアップができるというわけだ。

こうした「知識と実践のノウハウ」を自由に活用できるのが、「PartnerWorld」プログラムの大きなアドバンテージだ。ただし、同プログラムに参加するメリットは、それだけではない。今回の拡充では、特典も数多く追加されている。後編ではその内容をさらに詳説したい。

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2014年9月30日