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「IBM×シスコ」が示す“IoT時代”の理想のIT基盤とは

協業で提供される「VersaStack」の価値とは

別井:両社の協業は2015年初頭からまた新しい段階に入りました。具体的にどんな領域で協業しているのか、お聞かせいただけますか。

久利:システムが複雑化する中、ビジネスの激しい変化に対応していくことはますます難しくなっています。これは、システムの要素ごとに設計、構築計画を行う方法を採用していることに大きな要因があります。そこで、あらかじめ検証された、コンピューティング、ストレージ、ネットワーク仮想化を組み合わせたソリューションがカギになってきます。それを協業で実現したのが「VersaStack」です。

 IBMの「IBM Storwizeストレージ・システム」と、シスコのサーバ「Cisco UCS(Unified Computing System)」や「Cisco NexusおよびMDSシリーズ スイッチ」を組み合わせ、検証済みの構成で提供するものです。ITインフラの複雑な環境を柔軟に効率的に管理するための機能があらかじめ組み込まれており、ビジネスに合わせてITインフラを迅速に展開していくことができます。

別井:サーバ、ストレージ、ネットワークを統合して、一気通貫でサポートしようというソリューションですね。これら3つを最初から検証して、パフォーマンスが出るかたちで提供するうえで、両社は格好のパートナーですね。

高橋:そうですね。シスコが蓄積したネットワークの経験、技術を基に、シンプルで効率の良いサーバ環境を実現するために、従来とはまったく異なる考え方とアーキテクチャで取り組んだのがCisco UCSです。運用管理ツールのCisco UCS Directorにより、サーバだけでなく、ストレージ、ネットワーク、物理環境と仮想環境を効率よく管理することができます。

別井:引き合いの多い業種や力を入れている業界などはあるのですか。

久利:ほぼ全業種の企業にお使いいただけるソリューションですが、その中でも特にニーズが高いのは、IoTやFinTechに関連して、製造や金融のお客様です。

高橋:そうですね。経済指標が発表されて数十秒で動く金融商品ですとか、顧客動向や需要動向を詳細に分析する必要のある製造業ですとか、要求が高度になっています。ITインフラを柔軟に構成できることがポイントです。

別井:柔軟な管理も可能になるとのことですが、顧客には具体的にはどんなベネフィットが提供されますか?

久利:企業がSDN(Software-Defined Networking)に対する取り組みを進められるよう、IBMのネットワークアーキテクトが支援します。サーバの仮想化を知り尽くした技術者だからこそのエンタープライズレベルでのネットワークの仮想化運用基盤を実現できます。また、セキュリティの観点でも、SDNをベースにより柔軟な「セグメンテーション」や「アクセス管理」を実現する企業ネットワーク環境の構築を支援します。

高橋:具体的な技術で言いますと、シスコのSDNフレームワークである「Cisco ACI(Application Centric Infrastructure)」と、コントローラ「Cisco APIC(Application Policy Infrastructure Controller)」が担います。これらは、アプリケーションの要求に応じて、必要なデータセンターリソースを動的に割り当てることができるようにする仕組みです。物理・仮想を問わず、サードパーティ製品も含め、データセンター全体を自律的に運用でき、ビジネスの俊敏性を高めることができます。VersaStackで提供されるスイッチ製品「Cisco Nexus 9000シリーズ」をACIモードで利用することで、こうしたSDN環境も構築できるようになります。

協業が生む新しいソリューションと価値に期待

別井:将来に向けて、今後どのような面で協業を強化していくのか、お聞かせください。

高橋:世の中のデジタル化が進む中、影響を受ける業界の間口がどんどん広がっていると感じます。先ほど挙げた業界以外にも、製造、教育、医療、旅行業など、変化が訪れる業界はとても幅広い。単純に、商売としてモノを売るのではなく、シーンの中で、体験の中でモノを買ってもらうという動きが進んでいると思います。

 例えば、野球やサッカーではチケットを売るだけではなく、スタジアムに訪れた観客に対し快適なWi-Fi環境の提供に加え、モバイル端末へのコンテンツ配信や、SNSとサイネージウォールの連携といった、“体験”を提供することでファン拡大と収益向上を実現している球団もあります。そうしたデジタル化が多くの業界に起こると思います。そうしたお客様のIT活用の可能性をIBMと一緒に考え、追求していきたいと考えています。

別井:モノだけでなく、つながる先が増え、データも大量に生成されています。そうした分析だけでも、ディープラーニングやAIなど、テクノロジーなしでは成り立たなくなっていますよね。

久利:IoTの普及で、データの量、デバイスの数、トラフィックは爆発的に増加しています。時間や場所によってもデータの中身が大きく変わってきます。これらのデータを従来までの分析エンジンで処理していたら、ビジネスのスピードに追いつきません。例えば、システム障害1つとっても事象が起こってから原因分析、対応ではなく、過去の事象の蓄積から障害の予見を自動的に行うことが必要です。これがIBMが提唱するコグニティブで、これからはビジネスの現場ではコブニティブを活用しながら、より迅速に正確な判断を人間に促すようなITの活用が本格的になるでしょう。

高橋:データ分析を障害の予兆検知に応用する取り組みは、将来的には、エンジントラブルの予知や運転者の挙動分析による交通事故の早期発見といった、痛ましい事故を防ぐ取り組みにもつながっていくはずです。IBMとは、エンドツーエンドのソリューションのかたちで協業を強化していきたいと考えています。

別井:新技術の開発やスタートアップへの投資など、IBMとシスコさんは、これからのITに向けて積極的な取り組みを多く実施していらっしゃいます。両社の協業は、ユーザー企業にとっても大きな意義を持つでしょう。本日はありがとうございました。

提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2016年4月30日