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開発現場の「非効率」や「イライラ」をデスクトップ仮想化で一掃!

デスクトップ仮想化導入の実際--課題には、こう対処せよ!

(1)新旧バージョンが異なるOSやアプリケーションの混在使用--異なるアプリケーションを単一の実行ファイルにパッケージ

 冒頭でも登場したこの問題こそ、デスクトップ仮想化に取り組む企業が直面している関心の高いテーマです。WindowsやMicrosoft Office、Internet Explorer(IE)、Adobeなどは長年利用していると、社内に複数のバージョンが混在するようになりがち。2014年のWindows XPサポート終了後の延命問題や、2000年代以降Web化が急速に進展したことでIE6などの旧バージョン延命が必要なブラウザ問題などは、その代表的な例といえるでしょう。

 A社の場合は、Office 2010が標準バージョンでしたが、業務によってはOffice 2003でなければExcelが崩れてしまい帳票が作れないケースもあるため、新旧のアプリケーションを併用して利用できる環境が不可欠となっていました。しかし、こうした互換性のないアプリケーションを1つの基盤でシンクライアント化することは非常に難しいものです。

 そこで重宝したのが、エージェント不要のアプリケーション仮想化ツール「VMware ThinApp」です。Office 2003を設定や情報と一緒に単一の実行ファイルにパッケージングするので、パッケージファイルを実行するだけで利用でき、他の実行ファイルやOSから完全に分離して実行されるため、バージョンの競合が発生することもないのが強みと言えます。

(2)事業継続を見据えた仮想化基盤作り

 また、A社は、設計の拠点である研究所を1カ所に集約していたため、万が一震災などで被災した場合、各生産拠点に大きな影響を与えてしまうことも解決すべき課題となっていました。また、設計担当は各自のPCにローカル保存していることも少なからずあり、バックアップにも不安があったのです。

 そこで今回は日立の2カ所のデータセンターを利用して、これらの仮想デスクトップ環境を運用させることに決定。Disaster Recovery(DR)とレプリケーションを可能にする「VMware vCenter Site Recovery Manager」(SRM)を活用して、データセンター間でハイパーバイザごと同期を取ることで、仮にメインのデータセンターが被災しても、もう一方が瞬時に後を引き継ぎ、最短のRTO(リカバリ目標時間)でクライアント環境を維持できる環境を構築しました。

(3)セキュリティ対策--システムに負荷をかけないウイルスチェック

エージェント型とエージェントレス型のウイルス対策比較 エージェント型とエージェントレス型のウイルス対策比較
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 実はデスクトップ仮想化において、あまり知られていないのが、ウイルスチェックの際に発生する負荷の問題。デスクトップ仮想化では、1つのサーバ上に多数の仮想デスクトップが格納されるため、一般のウイルスチェックソフトのようにエージェントを個々に適用すると、フルスキャンの実行や定義ファイルの適用時に大きな負荷となる可能性があるのです。

 ここで、エージェントレス型ウイルス対策ソフト「Trend Micro Deep Security」(以下、Deep Security)を使用すれば、システムに負荷をかけないオフロード型のウイルスチェックが実行できるので、ユーザー側の仮想デスクトップにエージェントは不要になります。リソースの消費状況をシミュレーションしながら処理を分散するので、業務環境を快適に維持してくれます。A社でも、こちらをセキュリティ対策として採用しました。

全社デスクトップ仮想化が実現へ

 こうして、今期500ユーザーをVDI環境に移行したA社は、現在効果を検証しながら、海外拠点での拡張/活用を目指す計画になっています。これまであきらめていた設計・製造部門のシンクライアント化も技術的に可能になり、全社デスクトップ仮想化が実現する形となるわけです。

 気になるのはコスト削減効果ですが、情報システム部門の管理コストとハードウェアなどの資産コストのTCOは微減であまり変わらなかった一方で、インストールトラブルの削減やバックアップなどのユーザーコストは大きく減少させることに成功しました。さらにアンチウイルスストームの回避やBCPの強化、新旧アプリケーションの共生といった、数字に表しにくいメリットが多く得られたことも重要です。こうしたコスト削減以外の効果にも要注目でしょう。

<インフォメーション>

【無償お試し検証キット「さわって・びゅぅ!」】とは?

 日立の「安心デスクトップ仮想化ソリューション」では、無償でお試しできる検証キット「シンクライアント評価キット」(別名「さわって・びゅぅ!」)を提供しています。ライセンスは60日から最大90日間、無償で供与され、サーバはユーザー側で準備するか、日立から提供される安価なキャンペーンモデルを購入することも可能です。また環境を構築する費用は30万円から。他社では検証環境の構築だけでも100万円程度かかるケースも多いので、なかなかのお得感といえます。本格導入前に操作感や仮想デスクトップ環境の運用サイクルの確認に、ぜひ活用してはいかがでしょう。

提供:株式会社日立製作所
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2013年7月31日