最終更新時刻:2010年12月18日(土) 8時00分

次世代録画メディアが拓くハイビジョン時代の録画文化〜広がりゆくiVDRの世界

シンプルで家電的なiVマルチプレーヤーが登場

 本機は、マクセルから4月にオンライン発売されている「iVマルチプレーヤー」である。本機をハイビジョンテレビなどに繋げば、iVに記録されたハイビジョンなどのコンテンツを再生して楽しめる。

 プレーヤーといっても据え置き型のように大げさなサイズではない。ハードカバーのブックサイズのボディはとてもスリムかつコンパクトで、重さも420gと軽量だ。このため、外付けハードディスク的な感覚で手軽に持ち歩ける。

 ホワイトのボディはシンプルで爽やかな印象。電源を入れるとブルーに間接照明される中央のラインがスタイリッシュだ。

 再生にあたりまず接続を行う。背面にHDMI出力端子やD出力端子、Sビデオ出力端子、AVマルチ出力端子、光音声出力端子など、豊富なAV出力端子を備えている。Sビデオ端子などでアナログテレビにも繋げるし、HDMIやD端子でテレビに接続すればハイビジョン画質(最高1080i)の再生が楽しめる。

 光音声もPCM2ch出力と5.1chストリーム出力に対応していて、AVアンプなどに光接続すればデジタル放送のAAC5.1chサラウンド音声を楽しめる。

 というように、コンパクトながらも家電プレーヤーとしての基本性能はしっかり確保されている。このほか、USB端子でPCに、LAN端子でネットワークにも接続が可能だ。

 前面の右側にiVカセットを着脱するiVポケット(スロット)を装備している。着脱しやすいように本体カバーが後ろにスライドする仕組みだ。ACアダプターを繋いで電源を入れると数分でiVカセットが認識される。

iVマルチプレーヤーの本体。スリムでコンパクトなサイズで、手軽に持ち歩ける大きさだ。
背面には多彩な映像出力端子を装備。

 操作は付属リモコンとGUIで行う。GUIは縦横構成で、縦軸にコンテンツの種別を、横軸にフォルダや再生方法をレイアウトし、これをリモコンの十字キーで操作する。GUIの構成が明快でシンプルなリモコンと相まってマニュアルレスで操作できるだろう。煩雑な初期設定は不要で、出力解像度(D1-D4)をテレビの仕様に合わせるだけで手軽にハイビジョン再生が楽しめる。

iVプレーヤーでリムーバブルのメリットを活かせる

 本機に似たAVプレーヤーとして、AV再生に対応した外付けハードディスクが挙げられるが、本機の決定的な違いは、上記したようにコンテンツ保護技術「SAFIA」によって、Woooで録画したデジタル放送のタイトルを再生できる点にある。映像を実際に視聴してみると、ハイビジョンのTSモード録画タイトルをWoooと同レベルのクオリティで楽しめた。

Woooで録ったハイビジョン番組をプレーヤーと一緒に持ち運んで自室や友人宅でも楽しめる。

 本機とWoooをコンビで使えば、iVのリムーバブルのメリットをさらに活かせる。本機をプライベートルームに置いておけば「リビングのWoooで録ったiVを寝室や自分の部屋で楽しむ」というように、家庭内で場所を選ばずにiVが楽しめるようになる。ブックサイズの本機は小型軽量なので、自宅内で持ち歩けるのはもちろん「親戚や友人の家に本機とiVを持って行って再生する」という使いこなしもできるだろう。

 というように超大容量のiVに数多くのハイビジョンコンテンツを保存し、本機で好きな場所で、見たいタイトルをさっと呼び出して鑑賞できる。このスピーディーさと手軽さはiVならでは醍醐味といえるだろう。

GUIはシンプルな縦横構成。iVに録画された番組を見る場合、メニュー画面でTV画面を選び、縦に並ぶコンテンツ一覧から見たい番組を選択する形である。

家電とPCの垣根なしにコンテンツを楽しめる

 本機をPCとUSB接続すればPC用外付けリムーバブルハードディスクとしても活用できる。なお、Woooの録画で使われるハードディスクフォーマットはUDFで、これはWooo専用となり、PCで使われるフォーマットはFAT32やNTFSなどになる。iVを2つのパーティッションに分けて、先頭をUDF、後半をFAT32またはNTFSでフォーマットすることでWoooとPCで共用が可能だ。

 本機をテレビに接続すれば、PCからコピーした動画と音楽も再生できる。再生できる動画のフォーマットはMPEG-1、MPEG-2、MPEG-4、WMV9、H.264を正式にサポートしている。音楽再生はMP3とWMA、リニアPCM、AACに対応し、順番再生のほかランダム再生も可能だ。(コーデックチップに汎用性の高いLSIを採用していると推測されるので、非公式ながら実際に再生できる動画フォーマットの種類はさらに広そうだ。)

 また本機は、UPnP AV規格とWindows Media 11 に対応したネットクライアントにもなり、ネットワーク上にある動画や音楽の再生も可能だ。

本機を使えば、多彩なPCコンテンツをテレビの大画面で堪能できる。

 本機を使えばPCでダウンロードしたムービーをテレビの大画面で堪能できる。実際に大型テレビで視聴してみると、PCディスプレイとは段違いの迫力でPC動画を楽しめた。超大容量のiVに、家電とPCの垣根なしにコンテンツを詰め込んで、テレビで次々に見られる手軽さも本機ならではといえるだろう。

 総じて見ると、本機はコンパクトながらiVの利用範囲を広げるプレーヤーとして魅力ある製品といえる。どのような人に向いているか?といえば、まず「家庭内でiVを使いこなしたい」Woooユーザーに勧められる。また、PCとの親和性の高さで「コンパクトで使いやすいリムーバブル・ハードディスクがほしい」「PCでダウンロードした動画を大画面で楽しみたい」PCユーザーにも重宝しそうだ。PC周辺機器並みのリーズナブルな価格で、家電としての機能も保証されているマクセルの製品である点も魅力といえるだろう。

次ページ:iVレコーダー登場で普及に拍車 >>
サイト紹介
日立マクセル株式会社
マクセル[maxell]オフィシャルサイト。DVD、CD-Rなどのディスクメディア、電池、リーダライタ、デバイスなど製品の情報。ドライバやラベルなどのダウンロードも。
提供:日立マクセル株式会社
[PR]企画・制作 シーネットネットワークスジャパン株式会社 営業グループ marketing@japan.cnet.com