最終更新時刻:2010年12月18日(土) 8時00分

次世代録画メディアが拓くハイビジョン時代の録画文化〜広がりゆくiVDRの世界

次世代のコンテンツ保護規格を採用し、ハイビジョンコンテンツの録画用メディアとして、汎用性と可搬性の高さを誇る日立マクセルのカセットハードディスク「iV」(アイヴィ)。この春には「iVマルチプレーヤー」も登場するなど、活用範囲が広がってきている。

iVは次世代のハイビジョン録画カセット

 iV(アイヴィ)はマクセルのAV対応カセットハードディスクである。iVメディアは着脱して持ち運べるリムーバブル・ハードディスクで、カセットに内蔵された2.5インチSATAハードディスクにハイビジョンを録画できる。正式な名称は「iVDR-Secure」と呼ばれ、内外メーカー34社(2009年5月現在)が会員の「iVDRコンソーシアム」によって規格された次世代の録画メディアだ。iVカセットは2007年春から通算30万台の出荷を達成している。

 iVメディアのラインアップは、従来の250GBカセットに加え、320GBの大容量カセットと手頃な160GBカセットもマクセルから5月に新発売された。容量とともに転送速度も最大726Mbpsに向上し、ハードディスク録画のメリットをさらに活かせるようになった。

 iVを手にしてみると、手のひらに収まるほどスリム&コンパクトで、白いカセットがお洒落な印象だ。このカセットはガラス繊維を配合した特殊樹脂製で、ハードディスクを堅牢にガードしている。このほかアンチショックフレーム構造や内部のエアフィルター、衝撃時に待避する軽量ヘッド機構などを採用し、耐衝撃900G(非作動時)抜き差し回数10000回という高い信頼性を実現している。

高剛性、高耐熱性を支えるガラス繊維を配合したブラスチックカートリッジ。
落下など、万一の衝撃から内部構造を守るアンチショックフレームを採用し、耐衝撃性をアップさせた。

 リムーバブル・ハードディスクというと無骨で壊れやすい”PCパーツ”というイメージがあるが、iVはスタイリッシュで信頼性の高い”次世代のAVメディア”に進化していることが実感できる。VHSライクなカセットはビギナーにも親しみやすいだろう。

 iVの最大の特徴は、次世代のコンテンツ保護技術「SAFIA」の採用によってデジタル放送のハイビジョン録画にも対応している点だ。「SAFIA」は映画会社と放送事業者が公認した規格で、iVは汎用メディアとしてデジタル放送が録画できる唯一のハードディスクなのである。

 こうした最新の録画メディアとしての機能を活かして、日立製作所のWooo(iVポケット付き薄型テレビ Wooo)のデジタル放送録画に採用されている。

 またiVは、Woooで採用されているアクトビラ・ダウンロード(家電用のコンテンツダウンロードサービス)のダビング保存メディアとしても公認されている。

iVには一般のHDDやBDにはないメリットがある

 ハイビジョン録画のできるAV機器やPCなどを使って、一般のハードディスクにもハイビジョンを録画することは一応可能ではあるが、この場合、コンテンツ保護のためにローカル暗号化(録画機器と記録メディアが一対一で関係付けられた暗号化)されるために、録画したものでしか再生できない、という制限が付いてしまう。つまり、録画したテレビやPCが壊れたら録画したコンテンツが再生できなくなってしまうのだ。これではライブラリ保存用には使えないだろう。

 対してiVでは、汎用のコンテンツ保護技術「SAFIA」によってiV間の再生の互換性が保証されている。このため、他のiV対応機器での視聴やライブラリ保存も可能である点が、一般のハードディスクにない大きなメリットといえる。

Woooの長時間モードなら、256時間ものハイビジョン録画が可能な320GBの大容量タイプも登場。

 iVはBD(ブルーレイディスク)にないメリットも備えている。第一のメリットはBD以上の超大容量と高速アクセス性能である。320GBのiVカセットの容量は単層BD(ブルーレイディスク)の約13枚分に相当し、Woooの高画質モード(TSモード)で地上デジタル放送を約41時間、長時間モード(H.264のTSX8モード)を使えば約256時間ものハイビジョン録画が可能だ。

 ダビング性能もBDより優れている。BDにデジタル放送をダビングすると、これ以上ムーブやコピーができない状態になってしまう。このため、録画されたタイトルはBDメディアの劣化と運命を共にするしかない。

 対してiVの規格では、iVに記録されたデジタル放送の録画タイトルを別のiVにムーブ(移動)することが可能で、メディアの劣化を心配せずにライブラリ保存が可能だ。また現状では実現していないが、ダビング10の残りコピー回数を保ったままのムーブも規格上は可能で、これもBDなどの光メディアには真似のできない離れ技といえるだろう。

 上記したようにアクトビラ・ダウンロードに対応している点も見逃せない。アクトビラ・ダウンロード対応のWoooシリーズでは、アクトビラにネットアクセスしてハイビジョン映画などをテレビ内蔵のハードディスクにダウンロードできる。さらにセルコンテンツをダウンロードした場合は、内蔵ハードディスクからiVにダビングしてライブラリ保存が可能だ。現状ではテレビ内蔵のハードディスクにいったんダウンロードしてからiVにダビングする手順になるが、将来的にはiVへのダイレクトダウンロードも可能になると予想される。また、SAFIAのコンテンツ管理機能を利用すれば、iVを使った視聴期限つきのレンタルダウンロードなども実現できると予想される。

 こうしたiVの汎用性と可搬性の高さを、さらに生かす「iVマルチプレーヤー」がマクセルから発売された。その魅力と使いこなしをチェックしてみよう。

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