SNSの常識を変えたソーシャルアプリ『釣り★スタ』成功の真相　グリーのエンジニアだからこそ実現できたサービス開発とは

エンジニアのキャリアアップのトレンドはWeb

――グリー入社以前は、どのような仕事をしていたのでしょうか。

エンジニア／プロダクト責任者
岸田崇志氏

岸田　前職は大手ネットワークインテグレータのネットワークエンジニアでしたので、実はWeb業界は初めてです。近年のエンジニアの傾向として、優れたエンジニアがWebに集まっていると感じていました。海外で言えばGoogleやFacebookが好例だと思います。そんな中でエンジニアの勉強会などで、「グリーCTOの藤本がすごいらしい」といった話やメディアの記事を見るにつれ「自分もインターネットのキープレイヤーのひとりになりたい」と考え、思い切って転職しました。

――現在、『釣り★スタ』での担当分野をお聞かせください。

岸田　数値管理的な業務から企画・開発までサービスの運営に関わること全部ですね。日々のサーバのメンテナンスから、このサービスをどうやって成長させていくかといった企画はもちろん、売上げやコストといった予算の管理も含まれます。最近ですと「ミニバトル^※1」に携わりました。これはネットを通じたコミュニケーションだけではなく、職場や学校など、Face-to-Faceの場で複数のユーザーが一緒に遊ぶ場面までも想定して作られています。実際に「家族や職場の同僚と遊んでいます！」というユーザーの声も届きますよ（笑）。

　「ミニバトル」では「記念写真」という新機能を実装したのですが、サーバへの負荷が大きい画像処理のため、『釣り★スタ』のような日本でも有数の大規模サービスにおいて負荷をどのように減らすかということはチャレンジしがいのある課題でした。逐次処理でトラフィックを捌きつつ、画像は非同期処理で対応するなど、前職での負荷分散処理の経験が活きました。

吉田　モバイルのゲームではリアルタイム性を感じさせることがとても難しいのですが、「Flare^※2」などのテクノロジーを使いながら、ユーザーの細かいアクションまでも友だちに通知することでリアルタイム性を演出しました。結果として、ユーザーに満足してもらえるものに仕上がったと思います。

未経験の技術でも素早く習得できるグリーの環境

――入社されてから勉強されたことは何でしょうか。

岸田　Webサービスの開発はほとんどの事が初体験でした。ただ、実際にGREEのサービスとして動作しているプログラムや大規模サイトならではのノウハウをいかに早く吸収するか人一倍努力しました。エンジニアとしては生きた知識が一番成長しますからね。その結果、入社して４か月でプロダクトの責任者を任せて頂けるようになりました。

吉田　SIerなどで、C言語やJavaなどを身につけて、基礎ができている方はやはりWebの開発の習得は早いですね。未知の物に触ることを恐れないで、どんどんWeb業界を目指して欲しいです。それにSNS「GREE」のような大規模サイトを、全て自社で企画・開発・運用している企業はわずかです。直接サービスに携われることも、習得を早めている理由のひとつだと思います。

岸田　こうした自社開発をしている環境だということも応募の動機でした。サービスの大規模化はこれからも加速していくと思いますので、その最先端で成長したいと思いました。

――開発現場では、iPhoneなど新しいプラットフォームも視野に入れているのでしょうか。

吉田　グリーのエンジニアは“あたらしモノ好き”な人が多いのでiPhone利用者は多いですね（笑）　流行っていると聞いたら何でもすぐに試したり、市場動向をチェックしたりしています。

岸田　グリーでは、より多くの人にサービスを利用してもらうことを重要視しています。PCからモバイルにシフトしたように、今後多くのユーザがiPhoneからの利用を求めていると判断したならば提供を検討していくと思います。