logo

【シリーズ企画】アナリストが訊く!事例から見るクラウド導入の”あれこれ”第3回医療編

CNET Japan Ad Special2012年11月20日 11時00分
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ニフティクラウドみんなのかわら版

 ノークリサーチのシニアアナリスト 岩上由高氏が、今注目のパブリッククラウド「ニフティクラウド」を導入した企業の手法や具体的な効果を、業界別視点で掘り下げていく「クラウド導入の“あれこれ”」。その第3弾は「医療編」。

 医療関係事業者向けポータルのバーチャルプライベートクラウド化のケースを基に、なぜ保守的であるはずの会社がクラウド活用に踏み切ったのか、その理由について、ニフティ クラウド事業部 クラウドパートナー営業部の佐藤俊明氏へのインタビューで明らかにしていく。

【Case Study】
医療情報ソフトウェア開発A社~クラウドとVPNサービスで医療システムの安定運用を支援~

電子カルテやレセプトシステムなどの開発・販売するA社。従来は、診療報酬や介護報酬の改定、アプリケーション更新の度に、最新の医療データベースやアプリケーション更新データ、また医療事務向けの情報発信を行っている医療機関及び販売会社向けポータルサイトなどをデータセンターで運用していたが、時間帯によってポータルサイトのアクセスが集中するとともに、2012年度は改定が同時に発生してサーバーへの負荷が高まることから、VPN サービスが利用できるニフティクラウドへの移行を実施。ポータルサイトからのダウンロード時間が大幅に改善し安定運用が可能になったという。

詳しくはココをクリック>>

法制度改正のタイミングもクラウド移行へのきっかけ

岩上由高氏
ノークリサーチ
シニアアナリスト
岩上由高氏

岩上:自社で運用していた情報システムをクラウドに移管する企業の動機を調査してみると、業界における法制度の改正といった外圧がきっかけとなるケースが少なからず存在します。A社も診療報酬や介護報酬の改定がきっかけだったわけですが、2010年4月の改正省エネ法(エネルギーの使用の合理化に関する法律)が試行された際には、工場はもちろん、大規模なオフィスや飲食店、病院、学校、サービス施設なども対象となり、各フロアの細かい電力消費もトータルに計算してエネルギー利用状況を把握しなければならず、その算定を目的としたSaaS活用が増えたこともありました。

 今後も、法制度の改正のタイミングで、積極的ではないにせよ、クラウドに移行するケースが各業界で起こるのではないかと予想しています。

佐藤:私たちもそう考えています。ただ、A社の場合は、サーバー機のパフォーマンス不足と、リプレースのタイミング、さらにはアクセス集中時間帯のネットワーク速度の問題があり、法改正時にはダウンロードの回数が急激に増えると予想されたので、一気にクラウドへの移行が行われました。

岩上:サーバーの高機能化が進む一方でコモディティ化も早まっており、単純にサーバーリプレースや増強という選択肢もあったはずです。今回、ニフティクラウドの利用を決断した理由はなんだったのでしょうか。

佐藤氏
ニフティ クラウド事業部
クラウドパートナー営業部
佐藤俊明氏

佐藤:従来は、現状管理のままハードウェアをスケールアップするという方法しかありませんでしたが、最近になってようやくクラウド利用が一般化し、選択肢が増えたのも一因でしょう。もっとも、ニフティクラウドのパートナーさんからもクラウド利用の推奨があったと思います。

岩上:医療業界は業務上、機密情報などを取り扱うため保守的になりがちですが、エンドユーザー自らクラウド利用を検討したA社は、新しい技術にチャレンジする精神が旺盛な企業だといえますね。

佐藤:全くその通りです。とはいえ、初めてのクラウド利用に不安もあったようで、ニフティの「運用監視サポート」の契約が安心感につながったと聞いています。

VPNを組み合わせたニフティクラウドのメリット

岩上:本事例では、VPNサービスを活用していることがポイントの1つになっていますね。

佐藤:当社のVPNはプライベートLANが必須ですが、サーバーの仮想マシンのローカルIPを自由に振ることができます。そのため、VPNなら社内と同じ環境で使え、セキュリティポリシーに適合するので安心という理由から、ニフティクラウドを業務に採用いただくケースが増えています。

岩上:他のSIerも同じ意見で、IPが異なると既存のネットワーク監視やポリシーに別のセグメントを設けなければならず、管理コストも上がります。そのためバーチャルプライベートクラウドは今後ますます重要になると思います。

 セキュリティの強化やコストパフォーマンスの他に、VPNを組み合わせたニフティクラウドのメリットには何があるのでしょうか。

佐藤:VPNのルーターをお客様側にも設置するため、HTTPやファイルのやりとりも全て暗号化することが可能なので安心です。また、一流の保守サービスプロバイダーが運営するVPNなので、A社のような医療業関係企業でも信頼性を認識していただき利用が増えている状況です。

岩上:では、最後に、ニフティクラウドの柱であるネットワークの強みとはなんでしょうか。

佐藤:ISP事業者のためIXまで直につながっており、ネットワーク帯域の太さ、速さ、安定性などは他社とは一線を画します。そして国内トップレベルのデータセンターを活用したインフラと柔軟なサポートサービス。それらが従来のクラウドのイメージを変え、エンタープライズユーザーの信頼性につながっていると考えています。

 それらをプライドに、今後も業界最高のサービスを目指すつもりです。

岩上:よくわかりました。本日はありがとうございました。

シニアアナリスト岩上由高の取材レポート

岩上由高氏

 私は常に「SaaS」≠「クラウド」だと考えており、そういった意味で「クラウド導入の”あれこれ”」で取り上げた業界は、既存のシステムをIaaSに移行する企業が多く、IaaSを活用することで課題を解決に導くことが既に多く行われつつあることを示す貴重な事例ばかりだと思います。

 また、クラウドはコスト削減ばかりに注目されていますが、そればかりを求めるとホスティングと何ら変わらない取り組みになってしまいます。それよりも、機会損失の回避やセキュリティの保全、業務の複雑さの解消などの面で、クラウド本来の柔軟性や拡張性が活用されるべきです。

本文で紹介したA社の詳細な事例は、「ニフティクラウド事例集 2012年秋版」でダウンロードすることができる。

-PR-企画特集