クラウドに関するアンケート結果を大公開--ニフティクラウドとCNET編集長が解説します

CNET Japan Ad Special2012年04月17日 11時00分

もう一歩踏み込むことで見えてくるクラウド化

別井:引き続きじっくりコメントを見ていきたいと思いますが、印象として多々あるクラウドサービスの中から “どれを・なにを選べば良いのか分からない”という声も多かったようです。例えば下記など、どうでしょう。

「クラウドはいろいろなパターンがあるため、自社に最適なものを見極めるのが大変」

林田:確かにクラウドは、お客様に勉強を強いるという側面もありますね。自分たちのサービスや業務をどのようにクラウドを使ったシステムにすれば最適なのか、サービスや業務の特性の理解や分析も改めて必要ですし、既存システムからの移行など、多くの面を考える必要があると思います。

別井:パッケージング製品と同じような扱いで、SaaSを導入すると手軽にコスト削減や業務効率化ができる、という感覚の方が多いんでしょうか?

林田:パッケージ製品に慣れている方は圧倒的に多いと思います。パッケージ製品をシステム部門やSIベンダーがカスタマイズして社内業務で使われている企業も多いと思いますが、クラウドの世界に入るとIaaS、PaaS、SaaSとそれぞれで多様な商品やサービスがあり、自由度が高い分、それぞれの間の連携や相性など、複雑さは増している面は確かです。いままでの考え方から、一歩踏み込んで先に進んでいただく必要がありますね。

別井:これも、非常に陥りやすそうな意見ですよね。

「外部サービスとしてのクラウドだが、単なる外部サーバ利用に留まっている」

林田:導入したはいいけれど、それ以上使いこなせていないという場合でしょうか。バックアップなど目的のひとつは達していても、さらに多くの業務をクラウド上でシステム化することが可能なはずですが、踏み出せていない企業も多い。「基幹業務では二の足を踏む」というのも似たような意見でしょう。

別井:枝葉の業務から導入していくのはある意味で正しいですから、それもよく分かりますね。

林田:そうですね。たとえば、どれだけコスト削減効果があるのか試してみようと一部業務から導入しても、基幹業務になるとセキュリティで要求されるレベルも高くなるため、社内全体で基幹業務のクラウド化を推進する方向に持っていくのは障壁が高くなるのかもしれません。ただし、最近は基幹業務をパブリッククラウドに移される企業も出始めるなど、その敷居自体は着実に低くなっています。

別井:システム管理者側から経営者層を説得する場合は、単純に“コストがこれだけ安くなります”という材料集めが難しいため、そこで躊躇する方も多いでしょうね。
 ちなみに、セキュリティ関連についてはアンケート項目「クラウドへの課題や不安ーここが分からない」で、クラウド導入前の方の7割が、「情報漏えい、セキュリティのリスク」と回答していますが、この数値は以前と比べてどうですか?

林田:セキュリティリスクは、クラウドの導入にあたって常に関心が高い項目の1つですが、以前に比べ減っているようにも思います。実際に導入されている企業の事例を目にする機会も増え、具体的に検討する方が増えてきたのを表しているのでしょう。
 ニフティは、ネットワーク事業を25年以上手がけていますので、セキュリティは一番の優先課題として取り組んでいます。ISMSを始めとする各種認証の取得に加え、日本でトップクラスの堅牢度を誇るデータセンターなど、クラウドを安心してご利用いただける環境を整えています。

私物端末の使用制限は全体のバランスが鍵

別井:セキュリティといえば

「私物端末をどこまで持ち込みで使わせるか判断しづらい」

という意見も、社内ネットワークに縛られないクラウドならではですね。

林田:PCから携帯電話、スマートフォンまですべてのデバイスを企業側が支給するような時代は徐々に終焉を迎えていくと思います。社内のセキュリティレベルをどこまで下げずに、私物のデバイスの利用を許していくか、企業としてはどこかで折り合いをつけながら、コンプライアンスと業務効率やスピードのバランスが取れるポイントを、各社が悩みながら実験している段階だと思います。

別井:放置だけは絶対に避けたいところですよね。私物端末を許可するなら明確な方針を決めるか、完全に使用を禁止するか。まあ禁止しても使う人は出てくるんですけど(笑)

林田:そうですね。試行錯誤しながらルールを作っていることになるのでしょう。この面でも、確実に言えるのは、真っ先に試した企業ほど失敗を含めていろいろな経験が貯まることです。その経験知は、他社へノウハウとして提供できるようにもなります。当然コストや時間もかかるでしょうが、いち早く取り組んでいる企業の方が今後、先に進めるのだと思います。

先進企業から中小製造業まで、広がるクラウド化の波

別井:先進的な取り組みをされている企業からは

「複数のパブリッククラウドを利用すると運用が複雑になる」

という声も届いていますね。

林田:クラウド導入で先進的な動きを見せている企業には、こうした複数のパブリッククラウドを並行、分散して、リスクヘッジとして利用されているケースも増えています。導入後に使い勝手が悪ければ別のサービスへすぐに移行できるのもクラウドならではのメリットですから、そこはどんどん活用して使っていただきたいですね。比べて使っていただければ、最後は、ニフティクラウドの良さを選択していだけるものと信じています。(笑)

別井:確かにISP事業者だからこそ実現できる圧倒的なネットワーク速度と、1000社を超える導入実績は企業にとっても大きな魅力ですよね。
 ただ、このようにハイブリッドクラウドまで到達している先進的な企業がある一方で、まだ導入を決めかねている企業も多いのが実情です。たとえば今回のアンケートに

「中小製造業での具体的な利点が分からない」

という意見もありましたが、実際のところはいかがでしょう?

林田:確かに中小規模の製造業の企業では、ハードウェアコストや省エネ・省スペース化といっただけではメリットを見出しにくいかもしれません。ただ、パブリッククラウド化することによってその設備費を固定費から変動費に切り替えられるのはひとつの効果だと思います。
 また、これは業種や事業規模に限りませんが、サプライチェーンマネジメントの重要性が高まり、EDIなど電子商取引化の拡大が進むと考えられます。
 EIPも含め、このようなジャンルにおいてもクラウド化は必然の流れになっていくでしょう。アジア各国へ展開する企業にとっても、パブリッククラウドを活用いただくシーンは広がってきていると思います。

パートナー企業とともに、安心かつ満足できるクラウドを提供

別井:今回はアンケート結果をもとに、クラウド全体に関するお話を伺いましたが、改めてニフティクラウドの良いところ、サービス提供の姿勢をお聞かせください。

林田:基幹業務のクラウド化について、まだまだこれから、と踏み切れない企業も多いと思いますが、ニフティクラウドは、セキュリティについてインターネット事業者としての国内の実績を何より信頼いただければと思いますし、機能や性能、スピードの面でも高い品質のサービスを提供しています。実際に、WEBサービスだけでなく、多くの社内業務をクラウド化し運用されている企業も着実に増えてきました。2月からはVMware環境イメージのインポート機能を実装し、従来資産を簡単に移行できるようになりましたので、こちらもぜひご利用ください。

別井:今後の注力ポイントは?

林田:やはりパートナー様との連携が一段と重要になってくると思います。PaaSやSaaSを含めて、自社だけで全てをカバーすることはできませんので、そうした部分をパートナー様と一緒に埋めていきたいですね。多くのパートナー様とともに、5月9日~11日の「クラウドコンピューティングEXPO」に出展して、数多くのソリューションの事例をご紹介いたします。ぜひお越しいただき、参考にしていただければと思います。こうした取り組みを通じて、今後も皆様が安心かつ満足できるクラウドをご提供していきます。

別井:本日はありがとうございました。

5月号では、クラウド導入時に多くの方が感じている”漠然とした不安”を解消するポイントや正しいクラウドの選び方についてご紹介します。

今回のアンケート結果は、下記よりダウンロード資料として詳細に見ることができます。クラウド導入の「現実」に興味をお持ちの経営者やIT担当者 必見の内容です。

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この記事をご覧の方で「クラウド」という言葉を知らない方はいないと思います。
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