ITR×アカマイ特別対談 インターネットにシフトする企業のネットワーク戦略
一般企業にも大きなメリット
甲元:アカマイというと、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)のイメージが強いのでインターネット企業での利用が多いと思いますが、一般企業の利用も増えているのですか。
松原:確かにお客様の中心はインターネット企業でしたが、グローバル企業を中心にこれまで CDN とは無縁と考えられていたような一般企業のお客様が増えています。日本の企業で多いのは、中国拠点との接続に使われるケースですね。中国には「グレートファイアウォール」と呼ばれる仕組みがあり、中国国内のネットワークインフラの構成の問題もあり、ネットワーク速度が安定しないと言われますが、当社のサービスを使うとこういった環境にも関わらず、高速で安定したインターネット通信が実現できます。

また、パナソニックさんは、ブランドイメージ統一という目的で導入されています。どういうことかというと、これまで世界の各拠点で運用していたWebサイトを日本のデータセンターで一括管理して、アカマイ経由で世界に配信するという体制になったのです。一括管理することで、コンテンツのガバナンスが取れるようになり、その結果としてブランディングを含めたマーケティング戦略のグローバル展開を迅速化することが目的です。これは、Webサイト統合によって発生する遠隔ユーザーのパフォーマンスの劣化を、アカマイが大幅に改善し、ウェブサイトの高速な配信を実現する為です。パナソニックさんのように、グローバルなブランディングの強力なツールとしてWebサイトを統合する動きは増えてきています。
その他にも海外展開のために使われることがあります。面白い例としては、アフリカ向けに中古車販売を行っているお客様が、日本のサーバーでは現地からのアクセスが遅い、しかしアフリカにサーバーを置くとしても、どこが信頼できるのかわからない。そこで当社のサービスを利用して、サーバーを日本においたままアフリカにサービスを提供されています。

甲元:日本の一般企業では、Webサイトが広報部の管理下にあることが多いですよね。そういうところは、たいていWebの統計データをビジネスに活用していない。特にBtoBの製造業にその傾向が強いように見えます。Webカタログが整っていない企業はそれだけチャンスを逃していることに気づくべきです。
松原:BtoB企業ではマスマーケティングは効果が薄いですから。世界レベルで展開させるにはWebしかマーケティングツールはないですね。
甲元:インターネット企業でなくても、Webがビジネスのきっかけを生み出していることは多い。一般企業でもきっちりと効果測定をして、Webに正当な投資をすべきです。
インターネットの弱点は克服できる
甲元:ほかに変わった事例はありますか。
松原:日立建機さんの場合、建設機械のセンサーから得られた情報をもとに効率的なメンテナンスなどのサポートを実現するシステムで使っていただいています。世界中の機械から吸い上げられたデータを、販売店やパートナー企業と共有することでビジネスの成長を促進することが目的ですが、そのためには世界中のどこからでもリアルタイムに情報にアクセスすることが必要です。そのような環境を実現するためには、アカマイの利用が必須だったと高い評価をいただいています。こうしたリモートセンシングに代表されるような M2M の分野でも引き合いが急速に増えています。
ほかには、セキュリティ強化のために使われることもあります。インテリジェント・プラットフォームはDDoS攻撃やウェブアプリケーションへの攻撃から Web 資産を守ることができます。
甲元:最初の話に戻りますが、現在WANを利用している企業が、「インターネットは保証がない、攻撃も多いし怖い」というのはわかります。しかし、検討を始めて、構築、運用までに2年とかかるようでは、その間に技術が陳腐化して競争力がなくなってしまう。インターネットの弱点をカバーするテクノロジーがあるのだから、それを活用してインターネットの進化をビジネスに取り入れるべきでしょう。
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[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部 掲載内容有効期限:2014年3月31日