2002年11月12日 00時00分
CPUのベースがC3のため小数点演算が弱く、またVGAビデオチップの性能もそれなりのため、現行のESP5000では動画再生の品質にかなり問題が残る状況です。この問題はCPUクロックがあがれば自動的に解決するため、ファン付きの高速タイプを選択するか、ESP9330(ESP10k?)辺りが出るまで待つべきでしょう。
IDE周りの特性は安定しており、安物マザーにありがちな速度制限などのトラブルは見られませんでした。少なくとも、IDEケーブルの線を持ってコネクタを引き抜くような真似さえしなければ大丈夫です。
但し、時折Crusoeと似た「アプリ起動時の遅延」が見られる事があり、人によってはこれが軽快さに欠ける印象を受ける可能性があります。
テレビ出力関連はBIOSレベルサポート(TVビデオチップ)のため、BIOS起動画面からテレビ側で見る事ができます。初期設定のみPC向けモニタを接続する必要がありますが、それ以外ではテレビのみでの運用も可能です。但し、画面幅ギリギリにスキャン幅を設定するような機能は無く、あくまでもおまけ的な機能となります(S端子・RCAビデオ)。
VGAビデオ側の発色は比較的良好で、文字などの際もクッキリと出ます。気になる場合はモニタケーブルにフェライトコアを取り付ければ甘くする事は可能ですので、出荷時のチューニングとしては適切と思われます。
デジタル同軸音声出力は適切に動作しており、まともなケーブルを使用していれば10m程度の引き回しにも耐える事ができます(RCAビデオ出力との共用・排他利用)。
アナログ音声出力はあくまでもラインアウト(バッファアンプ非装備)であり、ヘッドフォンの直結はできません。
別途パワードスピーカ等を用意する必要がありますので注意が必要です。
#国内メーカー設計のPCに慣れている人にとっては面食らう使用ですので、念のため。
FDC非装備のため、通常のフロッピードライブは使用できません。
その代わりにUSB接続のFDDを(FD起動を含めて)サポートしており、2倍速FDDでのブートも問題なく行えました。
PCIスロットが1本しか無いため、ここに何を差すかがセンスの見せ所でしょう。…もっとも、通常であればUSB2.0(+IEEE1394コンボ)カードを差すのが順当ですね。
ただし、このマザーを利用する場合の一番の悩みどころは「どんなケースに入れるか」です。
マザーそのものは廃熱処理にこだわる必要性を持たないため、ケースを自作する場合はスピンドル周りのみを考慮すれば良く、ケース自作に走るという手もあります。
ちょっとでもこだわりを見せようと、電源ファンレスや極めて小さいケースなどを選ぼうとすると、結構ケースにコストが掛かりそうでもあり、嬉しいやら悲しいやら…という感じです。
現時点でメインマシン用として供するには非力な仕様に見られがちですが、極論すれば「動画や3Dさえ扱わなければOK」という感じで、事務やWebベースの利用、家庭内向けサーバーなどへの利用であれば必要十分です。
むしろ相性問題や熱暴走の恐怖にさらされる心配がなく、消費電力も低いため、適切な利用用途さえ見極めれば大変便利に使える点が魅力です。