対談:日本における検索の未来 - データセクション 橋本大也 vs ヤフー 志立正嗣 - (page 4)

構成/文:野田幾子、写真:吉成行夫
編集:山岸広太郎(CNET Japan編集部)
2004年05月31日 10時00分

何でYahooが1秒で検索できて、PCは時間がかかるのか

橋本: もうひとつ気になることは、検索の、デスクトップとの統合。リサーチの仕事をしていて一番役に立つのは、結局のところ過去に自分が検索したものや、自分が書いた文章。過去に自分が探した/手がけた情報は「ナレッジベース」と私は呼んでいるのですが、自分はWikiという特殊な掲示板をローカルに立てて情報を整理したり、フォルダーに溜め込んだものを保存し、使う際には全文検索しているわけです。

 つまり、ナレッジベースとしてのデスクトップ検索と、インターネット検索のYahooが一緒になってくれればうれしいんですよね。最近、そういった分野にマイクロソフトやGoogleが参入するという話も聞きます。Yahooもツールバーを展開していますが、そういった分野に関してはどうお考えですか。

志立: 予定は未定ですが、実際にデスクトップも視野に入れなければという意識はあります。PC内のファイルはインデックスされていないので、広大なインターネット上の情報検索よりも数倍時間がかかりますよね。感覚的には何でインターネットが1秒で検索できて、自分のPCはこんなに時間がかかるのかという気持ちになります。インデックスを一部公開して自由に使えるようにすれば、中も外もきちんと統合できて、検索が1秒以内に返ってくるという面白いことができるのかなと。

橋本: PCはまだ、ナレッジベースの部分で情報処理が足りないんじゃないかと思います。例えばPCを買ってきて1年間使ったら、その分だけPCが賢くなっていてもいいと思う。やった仕事がPCに整理されて、インターネットを含めて横断的に検索できるというのが必要なんじゃないかと思う。

志立: ブロードバンド時代のいまにおいては、PCのローカルハードディスクよりもネットワーク上で作業した方が賢くなるという可能性があるかもしれませんね。特に情報をローカルに置いておくと、一歩外に出たら使い物にならないじゃないですか。

橋本: ネットワーク上に置いておけば、いつでもどこでも、PCやモバイルツールからナレッジベースにアクセスできる──これが、ひいてはユビキタスコンピューティングにつながっていく、ということでしょうか。

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