生成AI「Claude」(クロード)を開発する米Anthropicは8月7日、東條英俊氏を日本法人の代表執行役社長に任命したと発表した。同社がアジア初の拠点として東京オフィスを開設することに伴う人事となる。
東條氏はテクノロジー企業の日本における成長を牽引してきた豊富な経験を持つ。直近ではSnowflakeの日本法人で社長執行役員を務め、日本での事業立ち上げから関与して成長を実現させた。システムインテグレーター各社と連携し、日本の大手企業におけるデータ活用の高度化にも貢献してきた経歴を持つという。さらに、Google Cloud JapanやMicrosoftにおいても、米国本社および日本法人でチームを率いた経験がある。
Snowflakeに記載の経歴は下記の通りだ。
「1996年 中央大学文学部卒業後、ジャストシステム入社。その後マイクロソフト(現 日本マイクロソフト)を経て、2010年よりマイクロソフト米国本社へ移籍。2013年ワシントン大学大学院フォスタースクールにて経営学修士課程(MBA)修了。2016年に帰国後グーグルクラウドジャパンに入社し、営業部長などを経て2019年9月より現職」
・「マイクロソフト米国本社勤務時代は、米国・欧州企業のデジタル・トランスフォーメーションプロジェクトに多数参加しテクノロジーを活用した業務改革支援に従事」
・「スノーフレイクではクラウド・データ・プラットフォームの提供を通じて、日本企業のデータ・ドリブン経営、データ・エコシステム構築などのDX支援を行っている」
東條氏は「この度、Anthropicに参画できることを大変嬉しく思う。責任あるAIを提供することで、日本企業が競争力を高め、さらなる成長を遂げられるよう支援していく」とコメントした。日本では企業が急速に生成AIを導入しており、基幹業務、顧客体験、開発プロセスへの統合が進められている現状に触れ、「これらの企業は安全性・セキュリティ・信頼性の高いAIを求めており、これはAnthropicのミッションの中核でもあることから、日本企業に大きな価値を提供できると確信している」と述べた。
Anthropic共同創業者兼CEOのDario Amodei氏は「日本のパワーユーザーや企業の皆さまにClaudeを提供して以来、想像以上に自然な形で導入が進んでいる」と評価した。楽天、野村総合研究所、パナソニックなど、すでに多くの企業がClaudeを活用し、日々の業務を改善したり、新たな体験を創出したりしているという。
「今後、これらのパートナーシップをさらに深化し、より多くの日本企業がAIを活用して革新的な製品・サービスを創出できるよう支援していくことを楽しみにしている」と語り、「Snowflake、Google、Microsoftにおいて優れたチームを築き上げてきた東條氏は、日本における当社の急速な成長を牽引する理想的なリーダーであると確信している」(Amode氏)と期待を寄せた。
同社は今後数カ月以内に東京でアジア初となるオフィスを正式に開設し、1年をかけて日本における事業を拡大していく計画だ。各チームにおける採用も予定しており、日本市場の特性を理解し、日本企業が求める文化的な配慮や高い品質基準を提供できるよう、現地人材の採用に注力する。事業の成長に伴い、将来的には製品、技術・研究、エンジニアリング分野の人材も採用していく予定だという。
日本オフィスの新設により、日本企業、政策立案者、プラットフォーム・パートナー、学術・クリエイティブ業界とのパートナーシップをさらに強化するとした。
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