LUUP、高齢者も乗れるユニバーサル車両--創業来の悲願「交通空白の解消」へ本腰

 創業以来、地域や年齢を問わない「交通空白」の解消を掲げてきたLuupが、いよいよ本丸とも言える高齢者の利用も見据えたユニバーサル電動三輪車「Unimo」(ユニモ)のコンセプトモデルを発表した。「主に20代から50代に留まっている」というLUUPの利用者層の拡大も狙う。

ユニバーサルカー「Unimo(ユニモ) ユニバーサルカー「Unimo(ユニモ)
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 同車両は株式会社アイシンとの共同開発により実現し、株式会社GKダイナミックスがデザイン面で協力している。2026年度中を目途に複数地域で実証実験を行う予定だ。

Unimoとは

 Unimoは「特定小型原動機付自転車」の車両区分に該当し、16歳以上であれば運転免許不要で利用できる。制限速度は車道通行時20km/h、一部の歩道や路側帯通行時は6km/hとなっている。車両サイズは長さ130cm、幅59.5cm、高さ120cmで、既存の自転車や電動キックボードと同程度のコンパクトさを実現している。

Unimo Unimo
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 最大の特徴は、アイシンが開発した「リーンアシスト制御」技術の搭載だ。この技術は車速やハンドル角などの情報に基づいて車体の傾斜角を制御し、三輪構造の安定性と二輪構造の走行能力を両立させる。走行状況のデータをリアルタイムで解析し、それに応じて制御・アシストを行うことで、年齢を問わず安心して運転できる車両姿勢の安定化を実現している。

Unimoのリーンアシスト機能 Unimoのリーンアシスト機能
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 最高時速20kmと聞くと「高齢者が乗るには速すぎる」と感じるが、利用者に合わせて最高速度や走行補助機能をパーソナライズできる機能を備え、IoTモジュールの搭載により、スマートフォンアプリやサーバーからの遠隔操作・制御も可能だ。

 既存のLUUPポートに停車できるサイズに設計されており、LUUPのシェアリング網と連携できる。なお、社会実装に向けては、さらなる安全性の向上や自動運転技術の搭載などの挑戦が残っているという。

高齢者にもマイクロモビリティの恩恵を

 同社によると、現在全国に2057地区ある「交通空白」地区のうち、7割以上で交通空白解消に向けた取り組みが行われていない状況が続いている。人口減少や少子高齢化の加速、運転者不足により、地方部だけでなく都市部でも地域交通の課題が深刻化している中、運転手を必要としないマイクロモビリティシェアサービスの重要性が高まっているという。

 同社は現在、21都道府県62市区町村で電動アシスト自転車と電動キックボードのシェアリングサービスを展開しており、ポート数は1万4500箇所以上、アプリダウンロード数は450万を超えている。利用者の約8割以上が通勤、通学、買い物などの日常移動で活用しており、訪問介護事業者などエッセンシャルワーカーの移動手段としても利用されている。

 8月25日から31日にかけて開催される大阪・関西万博の未来社会ショーケース事業「スマートモビリティ万博」の一環として実施される「ロボットエクスペリエンス」にも参加し、実際の車両を展示する予定だ。

(更新)自動運転技術についてなどを追記しました。

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