カントリー音楽のファンなら、1980年代にテキサス州オースティンでアウトローカントリー歌手として活躍したBlaze Foley氏を覚えているかもしれない。しかし数日前、Foley氏のSpotifyプロフィールに突然アップロードされた新曲「Together」は、誰が聴いても同氏の作品とは思えないものだった。実はこれは正体不明の「Syntax Error」が投稿したAI生成の曲であり、このことはSpotifyで拡大する問題の一端を示している。
AIは容易に楽曲を作り、アーティストのスタイルを模倣できるが、著作権の問題に加え、AIが実在のアーティストを装えば法的問題も生じる。Syntax Errorが何者かは定かではないが、1989年に銃撃で命を落とした Foley氏と無関係であることは確かだ。404 Mediaが先に報じたように、曲もアルバムアートも明らかにAIで生成されており、ユーザーの怒りを買っている。
SpotifyをめぐるAI関連の騒動はこれが初めてではない。人気AIバンドのThe Velvet SundownはAIで生成された音楽の未来と人間のミュージシャンへの脅威をめぐって論争を呼び、すでに音楽コンテストから締め出されている。
さらに、Guy Clark氏をはじめとする実在アーティストのプロフィールでも偽の曲が確認されたとの報告も上がっている。
Spotifyの広報担当者は米CNETに対し、「当該コンテンツを配信していたSoundOnにこの問題について連絡し、曲は直ちに削除された」と説明。「これはSpotifyのポリシーに反する行為であり許されない。このような不正を取り締まらないライセンサーやディストリビューターには措置を講じ、違反を繰り返す、または重大な違反を犯した業者はSpotifyから恒久的に排除される」と述べた。
Spotifyは誤ったアーティストプロフィールに楽曲がアップロードされるのを防ぐにあたり、サードパーティーに依存しているとみられるが、このプロセスがどう機能しているのかは不明だ。今後ファンは、フォローしているアーティストの「新曲」がAIによる偽の作品なのか、本物なのかを見極める必要に迫られるかもしれない。
Lost Art Recordsのオーナー、Craig McDonald氏は米CNETに対し、「問題の曲はBlaze氏が演奏・作曲したものではない」と明言した。またSyntax ErrorはSpotify以外では存在が確認できず、連絡も取れなかった。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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