ChatGPTエージェント登場--「本物のAGIを感じる瞬間」とアルトマン氏 危険性も説明

 米OpenAIは日本時間7月18日未明、AIエージェント「ChatGPTエージェント」を発表した。独自の仮想コンピューターを活用し、AIがユーザーの指示を受けて、複雑なタスクを実行できるようになる。

カレンダーやメールへのアクセス権も付与可能 カレンダーやメールへのアクセス権も付与可能
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 同社によると、ChatGPTエージェントは、OperatorのWebサイト操作機能、Deep Researchの情報収集能力、ChatGPTの高度な会話スキルを統合した、一体型のエージェントシステムだという。

 具体的な用途としては、金融情報の詳細な調査、オンラインフォームへの入力、洗練されたスライドショーの作成などが挙げられ、ユーザーのアイデアや質問を、「実際のアクション」に変えるという。これにより、ユーザーは別の作業に集中する時間を確保できる。

 例えば「カレンダーを確認し、最近のニュースに基づいて今後のクライアントとの会議資料を作成してほしい」や、「競合他社3社を分析してスライドを作成してほしい」といったリクエストにも対応する。ChatGPTエージェントはウェブサイト内を自動操作し、カレンダーの日付選択や情報のフィルタリングが可能だ。さらにコードの実行や調査結果のスライドやスプレッドシートへの整理と出力も行えるとしている。

 デモでは、友人の結婚式準備として服の購入、旅行予約、ギフト選びなどが紹介されたほか、データ分析やビジネス用プレゼンテーション作成の事例も披露された。

AIエージェントは危険性もはらむと指摘

 発表にあたり、OpenAIのサム・アルトマンCEOは、「ChatGPTエージェントがコンピューター上で複雑なタスクを計画し実行する姿は、本物のAGIを感じる瞬間だった」と述べ、期待を示した。


 一方でアルトマンCEOは、その潜在的なリスクについても触れ、「悪意のある人物がユーザーのAIエージェントを欺いて、公開すべきでない個人情報を引き出したり、不適切な行動をとらせたりする可能性がある」と指摘。具体的な手法は「黎明期の今は予測できない」として、プライバシーやセキュリティ上のリスクを抑えるため、エージェントにはタスク遂行に必要最小限のアクセス権限だけを与えるよう推奨した。

 例えば、グループディナーの日程調整にエージェントがカレンダーへアクセスすることは必要だが、単に服を購入するだけなら、こうしたアクセス権限は不要だという。

 また、「夜間に届いたメールを確認し必要な対応をすべて実行し、追加質問をしない」といったタスクには、特に注意が必要だとした。悪意のあるメールがモデルを騙し、信頼できない情報からデータ漏洩を招く危険性があるためだ。


 アルトマンCEOは「私たちは現実の運用を通じて学ぶことが重要だと考えている」と語り、AIエージェントは今後、現実の悪意に晒されることで、悪用リスクを定量化して安全性を獲得していくと指摘。現時点においてはユーザーは慎重かつ段階的にChatGPTエージェントを利用すべきと述べた。

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