Appleがデスクトップ版とモバイル版のSafariブラウザにAIベースの検索機能を取り入れる改革を検討していることが、Bloombergの報道で明らかになった。この動きが実現すれば、検索市場を支配するGoogleに大きな波紋が広がりそうだ──。
現在進行中の米司法省によるGoogleの独占禁止法訴訟で、Appleのサービス部門を率いる上級副社長、エディ・キュー氏は、SafariにAI検索ツールを導入し、リニューアルする案を「積極的に検討中だ」と証言した。
具体的には、OpenAIやPerplexity、Anthropicなどの先進的なAI技術を検討しているという。またキュー氏は、先月初めてSafariでのオンライン検索数が落ち込んだことも明らかにした。
今回のキュー氏の発言が明らかになると、市場は即座に反応を示した、5月7日にはGoogleの株価が7.5%下落した。
SafariをはじめとするApple製品では、長年にわたりGoogleがデフォルトの検索エンジンとなっている。米司法省の裁判資料によれば、Googleはその地位を維持するため、Appleに年間180億ドルという巨額の支払いを行っている。
しかし、複数の情報をわずか数秒で簡潔にまとめて提示する生成AIの登場で、人々の情報検索のあり方が一変。こうした新技術に比べると、Googleが長らく提供してきた検索結果ページ上の青色リンク表示は、もはや古くさく見えてしまう。
Apple自身もすでに、音声アシスタントSiriにOpenAIのChatGPTを統合済みだ。さらにGoogleのサンダー・ピチャイCEOは、同社の次世代AI「Gemini」を今年後半にはSiriに提供すると明言している。
OpenAIは今回の報道についてコメントを控えており、Apple、Google、Perplexity、 Anthropic各社も現時点ではCNETのコメント要請に応じていない。
AppleとGoogleは以前から、水面下で互いの領域に踏み込まないよう密かな取り決めを結んできた経緯がある。今回司法省がGoogleを訴えている反トラスト訴訟でも、こうした検索契約が独占の問題点として指摘されている。またGoogleは、Galaxyを製造するSamsungとも同様の契約を交わしている。
この提携関係は、Appleにとっては安定した収入源であり、Googleにとっては、Appleが持つ魅力的な顧客層から膨大なデータを収集し、それをもとに広告やネット通販などの収益をあげる絶好の機会となっていた。一時期、Googleの全検索トラフィックの実に半分近くがApple製デバイスから生まれていたほどだ。
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この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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