レビュー:3万円台の高コスパXRグラス「RayNeo Air 3s」で201インチ体験をどこでも

Matthew Miller (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部2025年04月14日 07時30分

 XRグラスのデモを披露すると、ほぼすべての人が飛行機の中や通勤中に使うために、あるいは「Nintendo Switch」のゲームをテレビ以外の大画面で楽しむために買うことを決める。購入をためらうとすれば、唯一の理由は価格の高さだ。しかしRayNeoから出た新しいXRグラス「RayNeo Air 3s」は、この障壁を269ドル(約3万8000円、日本のAmazonでは税込3万9999円)という価格で取っ払ってしまった。

RayNeo Air 3sを着けた筆者 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 この1カ月間、筆者は通勤電車や飛行機の中で、あるいは自宅でくつろぎながら、目の前に広がる201インチの鮮やかな仮想ディスプレイで映画やSwitchのゲームを楽しんでいる。RayNeo Air 3sは、大画面を手頃な価格で体験したい人にはうってつけのXRグラスだ。

 使っていない時は、付属のファスナー付きケースに収納できる。ケースはしっかりした作りで、上部のメッシュポケットにはUSB-CデバイスとつなぐためのUSB-Cケーブルを格納可能だ。今回のレビューでは、RayNeo Air 3sを「iPhone 16 Pro Max」「Galaxy S25 Ultra」「MacBook Pro」「Surface Pro 8」「OnePlus 13」と接続してみた。どのデバイスの画面もRayNeo Air 3sのディスプレイに表示でき、音声はパワーアップしたスピーカーから問題なく再生された。

RayNeo Air 3sと梱包箱 提供:Matthew Miller/ZDNET
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映像や音響の質は非常に高い

 RayNeo Air 3sは最新の映像技術により、眼精疲労の原因となるちらつきや色のムラが少ない。ブルーライトを抑えた製品としてTUV SUDの認証を受けており、IMAX Enhanced規格にも対応。色域はDCI-P3を98%カバーする。グラス超しに見える映像は鮮明で、周縁部のぼやけもなく、快適な視聴が可能だ。

 音響に関しては、従来の2スピーカー構成ではなく、独自のデュアル対向音響チャンバーを採用する。左右に2つずつ、計4つのスピーカーを搭載しており、没入感のあるサウンド体験が可能だ。音質も非常にいい。隣の人に音がもれたり、映像をのぞき見られたりする心配はほとんどない。

RayNeo Air 3sを内側から撮影した写真 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 視聴体験に関する唯一の不満は、ディスプレイの明度を最大まで上げても、明るい場所では色つきレンズから光が入ってきてしまうことだ。物理的に光を遮断してくれる遮光シェードがあれば改善されたと思うが、RayNeo Air 3s用の遮光シェードは用意されていない。筆者はVITUREのXRグラスを愛用しているが、その大きな理由は電子調光フィルムが採用されていることにある。

装着感も良好

 フィット感を高めるため、フレーム側面の角度を3段階で調整できる。アームも柔軟性が高く、さまざまなサイズの頭にフィットする。VITUREのXRグラスに搭載されているような視力補正機能はないが、サードパーティ製の処方レンズを装着可能だ。ノーズパッド(鼻当て)の位置も調整できるので、コンテンツを大画面で快適に視聴できる。

 iOS用の「RayNeo XR」アプリを使えば、iPhoneに保存されている空間ビデオも再生可能だ。ただし、このアプリは他のXR・AR体験には対応しておらず、Android版のアプリもないため、この機能を利用できるユーザーは限られる。Windows PC向けの「Mirror Studio」アプリ(macOS版はない)を使えば、複数の仮想ディスプレイを表示可能だ。とはいえ、基本的には動画コンテンツの視聴用に最適化されているので、生産性向上ツールとしては使い勝手が良いとは言えない。

RayNeo Air 3sを着けた筆者 提供:Matthew Miller/ZDNET
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 XR体験を向上させるアクセサリーもいくつか用意されている。例えば「Pocket TV」(180ドル、約2万6000円)は、6500mAhのバッテリー、64GBの内部ストレージ、microSDカードを統合した携帯型の「Google TV」デバイスだ。Nintendo Switchユーザーの場合は「JoyDock」を必ず手に入れたい。この10000mAhのバッテリーパックがあれば、Switchの映像と音声をRayNeo Air 3sに簡単に出力できる。価格は99ドル(約1万4000円)と控えめで、JoyDockをSwitchに取り付けるためのシンプルなブラケットと、短いUSB-C to USB-Cケーブルが付属する。

 前モデルの「RayNeo Air 2s」は399ドル(約5万7000円)とやや高額だったため、積極的には勧めにくかった。しかし、最新のRayNeo Air 3sは価格が269ドルと大幅に下がったうえ、レンズは明るく、わずかだが全体の重量も軽くなり、ディスプレイ技術も向上するなど、勧めやすくなった。前モデルとの価格差は大きく、JoyDockを一緒に買っても最新モデルの方が安い。

総評

 RayNeo Air 3sは、XRグラスとしては最も手頃な価格帯でありながら、201インチの大画面を楽しめる。体験をさらに高めるための魅力的なアクセサリーも用意されている。明るい環境では色つきレンズから入ってくる光が気になるが、その点を除けば映像と音響の体験はすばらしい。価格も手頃なので、XRグラスをこれから始めたい人、スマートグラスで大画面を体験したい人には最適の選択肢となるだろう。

この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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