Googleが新型スマートフォン「Pixel 9a」を発表した。米国や英国、豪州で4月に発売予定。日本でも時期は不明だが発売予定だ。
米国での価格は499ドル(税別約7万4000円)で、iPhone 16eの599ドル(税別約8万9000円)より約1万5000円も安い。それでいて120HzディスプレイやPixel 9 Proと同じプロセッサ、そしてミドルレンジ最強のカメラを備える。
新たに発表されたPixel 9aは、大きな期待を背負っている。なぜなら、昨年のPixel 8aが機能やバッテリー駆動時間、長期的なソフトウェアサポートなど、総合的なバランスに優れ、筆者の2024年のお気に入りの1台だったからだ。幸いにも、スペック上では本機は8aをほぼすべての面で上回っているように見受けられる。
ただ、Pixel 9aのリリース時期は、Appleが「手頃な価格」とうたう599ドルの「iPhone 16e」を発表した直後にあたり、比較されやすい状況でもある。一方で、iPhone 16eはAppleの中では安価とはいえ、500ドル以下という「お手頃スマホ」の価格帯からは外れているのが現実だ。
その点、GoogleはAppleのように価格を上げず、Pixel 9aを499ドル(約7万4000円)に据え置いている。予算を抑えたい人には有力な選択肢になりそうだ。
筆者は実機に約30分ほど触れたが、その堅牢な作りや新デザインのいくつかの要素に好印象を受けた。特に背面がほぼフラットになった点は気に入っている。一方で、ほかのPixel 9シリーズにある特徴的なカメラバーが省かれたため、見た目の面では「Pixelらしさ」がやや薄れた印象だ。とはいえ、ディスプレイや内部仕様については、まさに「Pixelらしさ」が詰まっている。
Pixel 9aはGoogleストアや米国、英国、豪州では各小売店で4月に発売される予定だ。
Pixel 9aは、従来のPixel aシリーズとは外観が大きく異なる。Pixel 9や9 Proと同様、エッジがフラット化され、8a以前のように丸みを帯びた形状ではなくなった。Googleは極限までミニマリズムを追求しているようで、背面はほぼ完全にフラットだ。カメラの突起もわずかに出っ張っている程度で、指でなぞると少し引っかかるぐらいである。
2025年現在、Pixel 9aのように机の上に置いてもほとんどガタつかず、平らに安定して置けるスマホは珍しい。カメラバーを備えるPixel 9や9 Proも実はそれほどグラつかないが、9aはさらにフラットさが際立っている印象だ。個人的には、この平らなデザインがとても気に入っている。
カメラバーがなくなったことを少し残念に思う人もいるかもしれない。以前のGoogleスマホでは、あのカメラバーがデザイン上のアクセントになっていたためだ。実際にはケースを付ける人が多いとはいえ、個性がやや薄れたと感じる可能性はある。
フォームと機能のせめぎ合いの中で、Googleは機能を優先したようだ。その結果、Pixel 9aはaシリーズの中で最も耐久性が高い機種だと同社は主張している。背面には81%再生プラスチックが使われており、人によっては「プラスチック製か」と気にする向きもあるだろうが、見た目は悪くなく、持った感触もしっかりしていた。コストダウンにも貢献しているはずだ。さらにIP68の防水防塵性能を備え(先代Pixel 8aはIP67)、水深1.5mで30分の耐久性があるとされる。
Pixel 9aは4色展開で、オブシディアン、ポーセリン、ピオニー、そしてアイリスが用意される。実物を見た限りでは、個人的にアイリスが最も好みだった。
本体サイズはPixel 8aとほぼ同じ(わずかに縦長)だが、ディスプレイは6.3インチ(Pixel 8aは6.1インチ)に拡大された。最大輝度は2700ニトへと大幅に向上(8aは2000ニット)しており、カリフォルニアの強い日差しの下でもどの程度見やすいのか試してみたいところだ。スペック上は、ディスプレイの品質が無印のPixel 9と同等という点も注目に値する。
カメラはメインが4800万画素、超広角が1300万画素という2眼構成だ。メインカメラではGoogleの「Macro Focus」が使え、接写撮影が可能になっている。多くのスマホは超広角カメラをマクロ代わりに利用するが、本機はメインカメラでマクロを実現している点が興味深い。
画素数だけを見ると、8aの6400万画素から減少しているようにも見えるが、Googleは長年ソフトウェアの力で高画素相当の写真を実現してきた。単純に数字が下がったからといって、一概に性能ダウンとは言えないだろう。
さらにPixel 9や9 Proと同様、AIを活用したさまざまな機能が搭載されている。たとえば、より良いポートレートを作成するBest Take、Photo Unblur、不要な要素を消せるMagic Editor、夜景撮影に強いNight Sightなど。また、Add MeというAR/AI機能を使えば、集団写真にあとから撮影者本人を合成できる。筆者はPixel 9 ProでAdd Meを何度か試したが、その仕上がりには毎回驚かされる。
これまでのPixel Aシリーズ同様に、9aも「価格以上」のカメラ性能を期待させる。本機が新たに採用した4800万画素センサーでどこまで撮れるのか、早く試してみたい。
Pixel 9aには、Pixel 9や9 Proと同じTensor G4チップが搭載されており、GoogleのAI機能やGeminiに対応している。RAMはPixel 9の12GB、9 Proの16GBより少ない8GBだが、発売時点でAndroid 15を搭載し、以後7年間の主要OSアップデートとセキュリティ更新が保証されるのは大きな強みだ。
Tensor G4はベンチマーク上で特別高い数値を叩き出すわけではないが、Pixel 9や9 Proの使用感から推測するに、日常使い(ゲーム、SNS、写真編集など)では十分に快適なパフォーマンスを期待できるだろう。
バッテリー容量は5100mAhと、Pixel aシリーズ史上最大だという。初めてスペックを見たときは、まるでSamsungのGalaxy Aシリーズかと思うほどで驚いた。実際、1300ドルのGalaxy S25 Ultraよりも大容量を備えている点は興味深い。
その他にも、盗難防止機能や家族向けに利用制限・共有が管理できるFamily Link、GmailやGoogleマップなどの定番サービスまで、いわゆる「Pixelらしさ」をしっかり備えている。ただし、Pixel 9シリーズにある衛星を利用したSOS機能は9aには非搭載だ。コストを抑えるためには何らかの機能を省略せざるを得なかったのだろう。
ストレージは128GBと256GBの2種類から選択可能。購入時には3カ月間のGoogle One、3カ月間のYouTube Premium、そして6カ月間のFitbit Premiumが付いてくる。今後、実際にPixel 9aを入手し次第、カメラ性能やバッテリーの持ちなどを詳しく検証する予定だ。実際に手元に届くのが待ち遠しい。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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