Netflixで広告部門プレジデントを務めるAmy Reinhard氏が来日し、日本メディアの取材に応じた。
Netflixは2022年に日本でも「広告付きベーシック」(広告プラン)の提供を開始。スタンダードプランの月額1490円を支払わなくても、広告視聴と引き換えに月額890円と割安にNetflixを楽しめるようになった。
そして、この広告プランは筆者の周りでは評判が良い。筆者はこれまでスタンダードプランを契約していたが、友人の「広告がほとんど表示されず快適」というSNS投稿を見て試しに変えてみたところ、本当にその通りだった。現時点では、新規ユーザーの50%以上が広告プランを選択しており、広告プランの月間アクティブユーザー数は7000万人に達しているという。
この広告プランを支えているのがNetflixの広告事業「Netflix Ads」だ。同事業でプレジデントを務めるRenhard氏によると「1時間、そして1日に同じような何度も広告が出てくることがないように上限を設けている」という。
広告があまり表示されないのはユーザーには大きなメリットで歓迎できる。しかし、広告主からすると期待した広告効果を得られず、ビジネスとして成立しないのではないか──。という疑問も湧いてくる。
そんな、「広告をあまり表示させない広告ビジネス」を成立させているのが、Netflixの高い「注視度」だ。これは、テレビ前に滞在している間にどれくらい注視されるかを示す指標だ。REVISIOの調査結果によれば、注視度はNetflixが57.4%で、YouTubeの48.7%を上回り、NHKの43.9%をはじめとするテレビ放送も凌駕している。
「Netflixのユーザーは、視聴開始直後よりも3時間後のほうが注視度が高い」──。Reinhard氏はこのように説明。ユーザーが長時間動画を視聴するからこそ、広告を挿入する頻度を高くしなくて済む効果があるようだ。
また、挿入される広告は、Netflix作品のストーリーラインに沿うものとも説明。さらに、広告の効果測定手法の確立にも現在取り組んでいるとした。
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