(Boom Supersonicが開発中の超音速実験機「XB-1」。その格納庫をカリフォルニア州モハーヴェで訪問し、音速を超える準備の現場を見てきた)
コンセントに挿して充電器にもなるAnkerのモバイルバッテリー(価格をAmazonでチェック)
超音速旅客機が再び現実のものになりそうだ。Boom Supersonicは、かつてのコンコルドのような超高速旅客機を復活させるために取り組んでいる。コンコルドが引退してから20年以上が経つ中、同社はその夢をもう一度実現しようとしている。今回、モハーヴェにある同社の格納庫を訪れ、開発の舞台裏を取材した。
現在、XB-1は11回のテスト飛行を終え、最高速度はマッハ0.95を記録している。マッハ1は音速を指し、摂氏20度では時速1235kmに相当する。Boomの創業者でCEOのブレイク・ショール氏によれば、「次回の試験あたりで音速を突破する予定だ」という。
これまでのテスト飛行で同機を操縦してきたのは、主任テストパイロットのトリスタン・ジェペット・ブランデンブルク氏だ。彼は「操縦席にいると音速を超えた実感は意外と少ない」と話す。操作感が少し変わる程度で、実際に音速を突破したかどうかはスピードメーターを見て初めて分かるのだという。
「ソニックブーム」と呼ばれる衝撃波は、主に航空機の外側で発生するもので、これがBoomの社名やXB-1の愛称「Baby Boom」の由来だ。ただし、この衝撃波は周囲の住民に影響を与えるため、Boomは超音速飛行を海上で行い、陸上では音速以下の速度で飛行する計画だ。それでも、従来の旅客機(時速約850~960km)よりはるかに速い。
さらに、BoomはNASAが進めている「低ソニックムーブ技術」の開発状況を注視しており、将来的にはその技術を自社の機体にも取り入れる可能性があるという。
現在進められているXB-1の試験は、旅客機「Overture」の実現へ向けた重要なステップだ。この機体は、従来型の航空燃料に加え、持続可能な航空燃料でも運行できる。Boomは約5年以内に最初の乗客を乗せる計画で、すでにノースカロライナ州に大型工場を建設。初年度に33機のOvertureを生産する予定で、さらなる拡張も視野に入れている。ユナイテッド航空、アメリカン航空、日本航空はすでに予約注文している。
チケット価格は各航空会社が決定することになるが、ショール氏によると、「最初期では飛行機の数より需要の方が多いので、料金は割高になるだろう」という。ただし、「将来的には価格を引き下げることを目標にしている」とも述べた。
Boom Supersonicの現場取材や、筆者がXB-1のフライトシミュレーターを体験した様子は、この記事内の動画で詳しく紹介している。
この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
3年ぶりに登場した新「iPad mini」(価格をAmazonでチェック)
(更新)初出時、「JALも発注」と記載していましたが、「JALも予約注文」に変更しました。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「もったいない」という気持ちを原動力に
地場企業とともに拓く食の未来
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力