GPT 4o連携「生成AIボイスレコーダー」が進化--手首に装着、起きている間ずっと録音も

 AIボイスレコーダーメーカーのNicebuild(ナイスビルド)は、10月23日に新製品「PLAUD NotePin」(プラウド ノートピン)の予約受付を開始した。

 NotePinは、小型軽量の「ウェアラブル型」で、4通りの着け方を選べる。同社調べでは新製品としては世界で初めてOpenAIの「GPT-4o」を搭載。2023年に発売された生成AI機能付きボイスレコーダー「PLAUD NOTE」(プラウド ノート)が、より使いやすく進化を遂げた。

キャプション
※クリックすると拡大画像が見られます

生成AIボイスレコーダーが“ハンズフリー”で使えるように

 Nicebuildが2023年6月に発表したChatGPT連携AIボイスレコーダーのPLAUD NOTEは、2024年9月に世界全体での売上高が50億円を突破した。世界全体のユーザー数は25万人以上で、そのうち2割は日本だ。理由は「もともと議事録作成の文化があるから」だそう。

先代のPLAUD NOTE(Amazon:同リンクから購入すると編集部に収益が発生する場合があります)

 なお、PLAUD NOTEは薄型で机上に置いて使う。音声の録音、生成AIを使った文字起こしやスピーディな要約から、マインドマップの自動作成までクラウド処理する。これを原型として「ウェアラブル型」に進化させたのがNotePinだ。

 マグネットピン、リストバンド、クリップ、ネックストラップの4通りの装着オプションを用意し、ユーザーはTPOやシーンに合わせて選べる。

長さ調節も気軽にできるネックストラップ 長さ調節も気軽にできるネックストラップ
※クリックすると拡大画像が見られます
スーツにも装着しやすいクリップ スーツにも装着しやすいクリップ
※クリックすると拡大画像が見られます

 本体重量は25gと軽量ながら、64GBのストレージを搭載。バッテリー容量は270mAhで、20時間の連続録音、40日間のスタンバイ時間を実現している。本体サイズは高さ約51mm×幅21mm×奥行き11mm。この重さと録音時間ならば、どんな取材現場でも「ハンズフリー」でいけそうだ。

 一方で「リストバンド型になると、話者からマイクの距離を一定に保てないシーンもあるのでは」と気になってくる。そこで説明員に質問したところ「数メートル以内であれば、録音精度に支障はない。マイクは2つあり、ノイズキャンセリングによって周囲の雑音を消去できる」と回答した。

PLAUD NotePinを「第2の頭脳」に

 ウェアラブル型への進化。これが意味するのは、AIボイスレコーダーの「第2の頭脳」化だという。起きている間ずっと録音できる。必要になった瞬間に足録音できるということだ。つまり、閃いたアイデアをメモできないときや、立ち話から思いがけず深い話に発展したときも、ログを残しておける。瞬間的に記憶メモリを拡張できるため、「メモらなきゃ」「覚えておかなきゃ」というストレスからも解放されるだろう。

 NotePinの中央部を長押しするだけで、録音を開始できる。録音データはNotePin内蔵のHDに一時的に保存され、BluetoothまたWi-Fi経由でスマホからクラウドにアップロードし、AIによる文字起こしや自動要約が可能となる。59言語に対応し、話者識別や段落分けにも対応。「1時間の録音データを約5分で文字起こしできる」(説明員)とのことだ。

 要約の機能としては「自動要約」「ミーティング」「講義」「コンサルティング」など、用途やシーンに合わせたサマリーテンプレートが20種類以上用意されており、最適なものを選べる。ユーザーの指示通りに要約できる「カスタマイズテンプレート」も作成できる。ちなみに要約に用いる生成AIは、GPT-4oと「Claude3.5」を選べる。

 「要約前に不要な箇所をトリミングしておけば、要約の時間を節約できる」(説明員)という。また、別のデバイスでの録音データをアップロードして要約する、何度も再要約するとなども可能だ。

要約のカスタマイズテンプレートを作成するところ 要約のカスタマイズテンプレートを作成するところ
※クリックすると拡大画像が見られます
マインドマップの自動作成もできる マインドマップの自動作成もできる
※クリックすると拡大画像が見られます
自動生成されたマインドマップ 自動生成されたマインドマップ
※クリックすると拡大画像が見られます

 AIを駆使した要約やマインドマップ作成を活用することで、録音データが長時間になったときでも効率的に内容を把握し、要点を抽出できる。

 日本市場責任者のWatson Zhang氏は、利用傾向について「オンラインMTGが多い人はもちろん、不動産販売関係者などの高額取引をする職業では、顧客との会話のログを残すことでトラブルが生じたときのリスクヘッジしたり、教育関係者が自らの講義の内容を録音して、AIにどうだったかとフィードバックを求めたりと、さまざまな用途で使われている。クリエイティブワーカーがアイデアを思い出せなくなるのを防ぐのにも役立つ。また、ASK AIという機能を使えば、録音データの中から必要な情報だけを即座に取得することが可能だ」と話す。

 NotePinは、電話録音ができない以外は、これらPLAUD NOTEのユーザーメリットを踏襲している。データの取り扱いについても、米国国内に設置したデータサーバーの使用や、EU一般データ保護規則(GDPR)への対応を進めるなど慎重だ。

 NotPinならではの使い方を尋ねるとZhang氏は、「例えばクリエーターが登山して、いい景色を見たときにいいアイデアが浮かび、その場で話して録音しておけば、自宅でデータを整理して、さらにいいアイデアにつなげられる」と話した。確かに、スタンドアロンで長時間使えて、AIであとから何度でも要約や質問できるところは、ウェアラブル型の強みかもしれない。

 PLAUD NotePinは、10月23日から公式販売サイトで予約受付を開始し、12月上旬に発送予定。また、ソフトバンク銀座や、蔦屋家電+(期間限定)、b8ta Tokyo Yurakucho(期間限定)での展示販売も行う。本体価格(以降、価格は全て税込)は2万8600円で、料金プランは、無料のスタータープラン(文字起こし時間毎月300分)と、月額利用料1000円(年間払い)のプロプラン(文字起こし時間毎月1200分、プロフェッショナルテンプレート使用可)の2つがある。

キャプション
※クリックすると拡大画像が見られます

CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)

-PR-企画広告

企画広告一覧

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]