河野太郎氏は10月1日、岸田文雄内閣の総辞職に伴いデジタル大臣を退任した。退任会見では石破茂次期内閣における「マイナ保険証」の政策について見解を問われ「特に変わることはないと思っている」と述べた。
10月1日夜に発足する新内閣では、内閣総理大臣となる石破茂氏と、官房長官を務める見通しの林芳正氏がそれぞれ、健康保険証の廃止に慎重なコメントを総裁選中に残していた。
なお、デジタル大臣の後任と報じられている平将明氏については「報道が正しいという前提だが、非常に良い人に引き継げる」とし、次のように評価した。
「平さんは非常にデジタル関係に詳しく、党内でデジタル庁を支えてくれた人。安心してお任せできる。ぜひ、バトンをもらった瞬間からフルスピードで走ってもらいたい」
「(平さんという)非常にいい人に引き継げるので、スピードを落とさずに頑張ってくれるだろうと。日本のデジタル化はもう少ししっかり進めていく必要がある。当面はスマートフォンがいろんな行政のデジタル化の入口になる。『こんな便利になっていますよ』と伝えると同時に、シンガポールが実施しているスマホ教室のように、デジタルの使い方をアナログで広げるのことも大切だと考えている」
河野氏は2022年8月10日にデジタル大臣に就任。その最初の会見では「FAXを使っていながら『人員を増やせは筋違い』」と述べるなど、一貫して国と行政の効率化に取り組んできた。
一例としては、「資料の提出にフロッピーディスクが必須」など約1万件にのぼる法令の附則、いわゆる「アナログ規制」の撤廃に取り組んだ。さらに、スマートフォンを行政の窓口にすべく、「マイナンバーカード」の普及や機能拡充にも取り組んだ。
今後、12月2日には健康保険証の新規発行が停止となり、「マイナ保険証」へ一本化される。2025年3月24日にはマイナンバーカードと運転免許証の一体化も始まる。
また、2025年春から初夏にかけて、Androidに加えてiPhoneにもマイナンバーカード機能を搭載できるようにもなる。これに伴って順次、スマートフォンだけで健康保険証や運転免許証を示せるようになる。
なお、健康保険証の廃止とマイナンバーカードへの一体化は「デジタル弱者が福祉から取り残される」との批判もある。また、マイナンバーカードと公金受取口座の紐づけ誤りなどのミスも大きく報道された。さらに、SNSでの「ブロック」行為には、総裁選中も賛否両論が渦巻いていた。
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