米国では1月に、Joe Biden大統領になりすまし、ニューハンプシャー州での予備選で投票しないよう呼びかけるロボコール(営業活動などに使われる自動音声電話)が、民主党支持者の元に相次いでかかってきた。これを受け、米連邦通信委員会(FCC)は、人工知能(AI)で生成された音声を使った電話を違法とする裁定を下した。これにより、各州はこのような電話をかけた人物を捜査できるようになる。この裁定は即日有効となった。
ニューハンプシャー州の司法長官は米国時間2月6日、Biden大統領の偽音声によるロボコールはテキサス州にある企業が発信したものだと述べ、犯罪捜査を開始したことを明らかにした。
OpenAIの「ChatGPT」が2022年に公開されて以来、AIが持つ能力はたびたび話題となっている。中でも、有名人や政治家などの声を模倣できる能力は注目を集めているが、これはそういった人物に似せた声がさまざまな形で悪用されているからだ。2023年には、「Ghostwriter977」と名乗るTikTokユーザーが、人気アーティストのDrakeとThe Weekndを真似たAI音声を利用して「Heart on My Sleeve」という曲を創作し、論争を引き起こした。また、グラミー賞歌手のTaylor Swiftさんに似た音声と姿の人物がAIで作成され、Le Creusetのキッチンウェアを宣伝しているような動画が出回ったが、同社も本物のSwiftさんもこの件に関与していなかった。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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