マクアケの応援購入データなどをもとに事業性を評価し、融資を判断する法人向け新銀行「01Bank」の設立準備が始まった。大阪市に拠点に置く池田泉州ホールディングスが過半を出資し、関係当局の許認可を前提として設立する。
01Bankは、池田泉州銀行を展開する池田泉州HDが子会社として設立するデジタルバンクだ。インターネットで手続きが完結する融資(オンラインレンディング)事業を手掛ける計画で、特に中小企業やスタートアップに対して事業性評価融資サービスの提供を予定している。
特徴的なのは、融資判断における事業性評価にデジタルプラットフォーマーからのデータを活用する点だ。この第一弾として、応援購入サービスを手掛けるマクアケがデータを提供するほか、クラウド在庫管理サービスを手掛ける「zaico」との連携も計画しており、現時点で約10のプラットフォーマーの参加が決まっているという。
プラットフォーマーからのデータは「01スコア」として算出するほか、融資の入り口では従来のトランザクションレンディングも実施する。融資額は1社あたり1000万円程度、金利幅は2〜3%台を中心とするが、リスクが高い顧客には6%やそれより高い場合もあるとした。
01Bankの設立準備会社で代表取締役社長を務める伊藤眞幸氏は「これまでの事業性評価は、お客様に出向いたり経営相談を受ける過程で情報収集しているが、そうやって集まる情報にはエビデンスがなく、決算書も古いものだと1年前の実績が載っている。今現在の実績が見えないので怖くて融資できない」と現状の課題を説明した。
続けて「事業性を評価するにはビジネスの実態をタイムリーに掴む必要がある」とし、マクアケなどのデータによって「今動いているビジネス実態をつかめる」(伊藤氏)と述べた。
一方、マクアケの共同創業者で取締役を務める坊垣佳奈氏は「これまでも100以上の金融機関と提携していたが、『マクアケをやったら融資が通ったんだよね』という声があった。これを仕組み化できないと考えた結果、ちょうどデジタルバンクの設立準備を進めていた池田泉州銀行と出会った」と説明した。
なお、マクアケは応援購入データを01Bankに無償提供する。その上で01Bankに参画するメリットについて坊垣氏は「この仕組みによって、マクアケを使おうとする事業者が増える。さらにマクアケを使って融資が降りたら、その事業者がマクアケでまたチャレンジするようになる」と述べた。
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